人気サロンのスタイリスト3人に聞く！ 2025年春のおすすめカラーとトレンド予測

毎年、新しいトレンドが生まれ続ける美容の世界。カラーのトレンドもどんどん変化しています。そこで今回は、人気サロンの美容師さん3人が、2025年春におすすめするカラーを紹介。また、そのカラーに注目する理由やポイントなど、「カラートレンド予測」を教えていただきます。

やわらかく透明感のあるオリーブ系のグレージュ。このデザインの軸となるアイスモスには、グレージュベースに緑、ピンク、紫がバランスよく配合されているため、ソフトな印象に仕上げてくれます。同じオリーブ系カラーのベイリーフと比べると、アイスモスはよりやわらかく軽やかな印象で、春や夏にぴったりのカラー。そのため、季節に合わせてアイスモスとベイリーフを使い分けることで、幅広い提案が可能になります。

今回のモデルさんはハイライト履歴があったので、10ティアを組み合わせることで、ショートスタイルの軽やかさとハイライト部分の立体感を表現しました。ブリーチ履歴がない場合は、アイスモス単品でもやわらかな印象に仕上がりますよ。

オリーブグレージュは大人世代におすすめのカラーで、とくにブルーベースの肌の方との相性が良く、肌の透明感を引き出してくれます。ショートヘアなど、短めのレングスにすることで、春らしいやわらかなスタイルを楽しめます。また、メイクはナチュラルなヌーディー系と合わせると、ヘアスタイルと調和してさらにバランスが良くなりますよ。

2025年春は、中明度のオリーブ系のグレージュカラーが、大人世代のトレンドになると予想しています。当店は30〜40代の大人女性のお客様が多いのですが、この年代の方は、くすみ感のあるニュアンスカラーを好まれる傾向が見られます。また、30代以降のお客様は、年に1〜2回のペースで縮毛矯正や髪質改善をされている方も多く、こうした熱処理毛は赤みが出やすい傾向があります。そのため、赤みを抑えながら透明感と落ち着いた印象を両立できるオリーブ系グレージュカラーは大人女性にぴったりなんですね。とくに、アイスモスの色みは、やわらかく春らしい雰囲気を表現してくれるのでおすすめです。

昨年の秋には暗めのオリーブ系カラーのオーダーが人気でしたが、春になると「髪色を明るくしたい」という声が毎年増えます。そのため、春らしい軽やかさを演出する8〜10レベルの明るいオリーブグレージュ系のカラーは、とくにおすすめです。ふんわりとした軽さをプラスしてくれるため、ショートやボブなどの軽めのスタイルはもちろん、重ためのヘアスタイルの方にも合うと思います。春先のやわらかい服装との相性も良いカラーなので、ガラッと雰囲気を変えるというよりは、自然に印象をアップデートしたい方にぴったりです。

春休みのイメチェンにぴったりなモードなシアンブルー。やわらかさと透明感が際立つクリアな水色で、春らしい軽やかな印象を演出しました。

今回のモデルさんはブリーチを2〜3回されていたので、まずリタッチブリーチをして、時間差で毛先も丁寧にブリーチしました。また、全体のダメージを抑えるために、P9 CYAN　にCLEARを組み合わせ、アルカリ量を調整しています。さらに、ベースに残っていた黄ばみを補正するため、CLEAR PINKを10％組み合わせ、よりクリアな青みに仕上げました。

「アジアンカラー　フェス」新色のCYANは、青みの安定した発色が特長で、薄い水色系のカラーでもムラなく仕上がります。CLEARと組み合わせても鮮やかに発色するため、美容師が苦戦しがちな水色系のカラーも、きれいに表現することができます。

また、シアンブルーを作る際は、ムラのないベース作りが重要です。黒髪から挑戦する場合は、まずしっかりとブリーチを行い、土台を均一にすることがポイント。黒染めや濃い色みが残っている髪には、軽めのブリーチでムラを浮き上がらせた後、残留が濃い部分を重点的に処理するなど、丁寧な下準備がポイントになります。

透明感と軽やかさを引き立たせるため、ショートやボブにぴったり。スタイリングは、オイルでサラッと仕上げると、自然な動きと透明感が引き立ち、洗練された印象を与えてくれるのでおすすめです。

2025年の春も、やわらかく透明感のあるブラウンが引き続きトレンドになると予想しています。中でも、ピンクやパープルを少し組み合わせた暖色系のソフトなカラーは、艶感と透明感を両立できるカラーとして、この春も人気を集めると見ています。

また、ヘアスタイルの流行に合わせて、カラートレンドも変化していると感じます。最近では、レイヤーを入れた軽やかなヘアスタイルが人気ですが、こういった動きのある髪には、軽やかさが引き立つやわらかいナチュラルな色みを掛け合わせると、全体の印象がバランス良くまとまります。

レイヤーカットの流行に伴い、デザインカラーの幅も広がってきたと感じます。例えば、ランダムに毛先を取りホワイトにするなど、レイヤーを活かした個性的なデザインをオーダーされることが増えています。一方で、ハイトーンカラーの人気も根強く、ベーシックなカラーにポイントで色みをミックスしたカラーリングやより複雑なデザインカラーなどが注⽬されていくと思います。

くっきりとしたカールが際立つ、艶感のある寒色系ブラウン。アクアとチャコールを組み合わせることで透明感を引き出し、アマランスで黄み寄りのベースの補正をして、艶感と深みをバランスよく取り入れることを意識しました。「カラーストーリー　アドミオ」のアマランスは艶感を出しながら、落ち着いた深みを表現してくれます。今回のモデルさんは新生部の赤みが強かったので、アクアを組み合わせることで赤みを抑えています。

肌なじみが良く、とくにイエローベースの肌との相性が良いカラーなので、メイクはピンク系を取り入れて春らしい温かみをプラスするのがおすすめです。スタイリングでは45mmのコテで巻き、「Dance design tuner （ダンスデザインチューナー）」の「モダンシマー」を部分的に使うことで、ラインをよりきれいに際立たせました。とくにレイヤーのある部分にポイント使いすることで、空気感のある膨らみを残し、今っぽい仕上がりを演出できます。

レイヤーカットが主流の今、カラーとカットのデザインを連動させることが重要になってきていると感じます。レイヤーのラインをきれいに見せるためには、透明感のある寒色系やグレージュ系のカラーを選ぶのがポイントです。一方で、レイヤーカットは、軽さが出る分、パサついているように見えやすいことも。そのため、艶感のある暗色系のカラーや明るすぎないカラーにするのがおすすめです。

ここ数年は、K-POPアイドルのスタイルや髪色の影響をダイレクトに受けていて、そのままトレンドに反映されているような状況です。昨年は、K-POPアイドルたちの間で赤系のカラーが注目されたことから、日本人が避けがちだった赤系のカラーにされるお客様も増えたように感じます。

また、春休みシーズンにかけて、高校から大学に進学する若い世代では、明るめのベージュやグレージュといったカラーが人気になると見ています。一方で、社会人になると、9Lv程度の透明感のあるやわらかい色みが人気になってくるでしょう。それぞれの年代やライフスタイルに合わせ、柔軟に提案しましょう。