人気サロンのスタイリスト3人に聞く「2020-2021年の冬おすすめのカラーレシピ」
毎年、新しいトレンドが生まれ続ける美容の世界。今回は、人気サロンの美容師さん3名が考える、2020-2021年の冬にくる「カラートレンド予測」と、トレンドを取り入れた最新のスタイルをお伺いしました。さらに、スタイルのカラーレシピとポイントも大公開します!
2020-2021年冬のカラーキーワードは「ブラウン系」「ハイトーン」「フェイスフレーミング」 ――LIM+LIM taichiroさん
taichiro
LIM+LIM トップスタイリスト・副店長
京都出身。LIMへ入社後、スタイリストデビューから2年で副店長就任。業界誌にも多数掲載されており、現在は本店のトップスタイリストとして活躍中。
Instagram:@taichironishikawa
トレンド予測|質感の幅が出せるようになったブラウン系が大人の女性にマッチ
2020-2021年の冬はブラウン系とハイトーンがくると思います。
ブラウン系はさまざまなカラー剤の進化によって単品で寒色系の表現ができるようになったので、繊細な質感調整がしやすくなり、同じブラウン系でも表現の幅が出せるようになりました。また、社会全体的に年齢層が上がってきており、カラーをされる大人のお客様がこれまでよりも増えてくることで、あまり派手な髪色にはできない方も増えてきます。そういった方にも、自身にあったブラウンを取り入れやすくなったことで、施術希望が増えると思います。
ハイトーンはどのシーズンも安定して人気がありますが、特に冬は服装が落ち着いた色になりやすいので、髪色でバランスをとって明るい印象にしたいという需要が増えます。SNSの普及でハイトーンデザインが目に入ってきやすくなっていることや、カラー剤がダメージレスになってきていることも人気を後押ししていますね。また、ハイトーンのデザインではインナーカラーが十分に定着してきたこともあり、新たなデザインとしてフェイスフレーミングに注目が集まってきています。
「大人っぽくポイントカラーで遊ぶ」ハイトーンを取り入れつつシックで柔らかいスタイル
レシピ
-
- 【ベース】
6ラセット
1剤:2剤=1:1(OX2.8%)
-
- 【ポイントカラー】
10シエナ:10ライラック=10:1
1剤:2剤=1:1(OX6%)
すべてカラーストーリー アドミオ
※ 比率は組み合わせ比 ※ 1剤:2剤は混合比
2020-2021年の冬のトレンドになりそうな「ブラウン系」と「ハイトーン」、「フェイスフレーミング」を掛け合わせた「少し大人っぽくポイントカラーで遊ぶ」デザインです。
ポイントカラー部分はシエナを軸にライラックを組み合わせて少しオレンジみを強めたオレンジベージュでシックな柔らかさを表現しました。鍵となるのは、冬に合うように温かみのある色やトーンを調整すること。ラセットやライラックはにごりにくく、単品使用でも発色が良いので、今回のスタイルのようにアクセントとしても使えます。
また、ボブレングスは位置によっては上から髪が被り、カラーが見えにくくなってしまいます。そのため、髪の動きも考えつつ、カラーを入れるのはできるだけ効果的かつ最小限に。そうすることで、ダメージレスかつ20代後半〜30代でも取り入れやすい大人っぽいデザインになります。
ナチュラル志向でシンプルに、さりげなく人と差をつける。福岡のサロンvotanで感じるニーズの変化とは? ――votan 城慎太郎さん
城慎太郎SHINTARO JOE
votan peony 店長
鹿児島県出身。2010年大村美容学校卒業後、都内1店舗を経てvotan入社6年目。2020年10月、新たにオープンしたvotan3号店となるpeonyの店長に就任。ワンカールで可愛くなるレイヤースタイル、カラーストーリー アドミオを使った艶カラー、ダメージレスな外国人ハイトーンを得意とする。また、九州各地でセミナー講師としても活躍中。
Instagram:@joe0120
トレンド予測|「深み」「品」に加えた、さりげないデザインの提案が鍵
ブラウンやベージュを主軸にした、深みがあり、品のあるカラーがトレンドになると見ています。そのため、さりげなく人と差をつけるデザインを求める方が増えるでしょう。
昨シーズンはグレーや色みの強いものがトレンドでしたが、2020-2021年はナチュラル志向の方が増えています。街で髪の色や服などを見ていても、季節にかかわらずこの1年はブラウン・ベージュ系が増えてきていますし、ファッションはシンプルなものが好まれるようになっている印象です。
また、そこまで派手にはしたくないけれど、「髪をきれいにしたい」「質を高めたい」という人が増え、さらに少し人と差をつけたい方が多いので、デザインカラーやハイトーンを取り入れる方も増えています。
耳元からキラリと見えるカッパーブラウンがポイント。カジュアルもモードも似合うスタイル
レシピ
-
- 【ベース】
6ティア:7シエナ:7アマランス=5:2:1
1剤:2剤=1:1(OX6%:OX2.8%=1:1)
※7シエナ(8シエナ:6シエナ=1:1)
※7アマランス(8アマランス:6アマランス=1:1)
-
- 【ポイントカラー】
ブリーチ後に、8ラセット:7シエナ=2:1
1剤:2剤=1:1(OX2.8%)
※7シエナ(8シエナ:6シエナ=1:1)
すべてカラーストーリー アドミオ
※ 比率は組み合わせ比 ※ 1剤:2剤は混合比
ブラウン軸でカジュアルなファッションに合い、さりげなくデザインカラーを加えることでモードな雰囲気にも合う、幅広いスタイルを楽しめるデザインです。耳にかけてキラリと見えるカッパーブラウンのインナーカラーを生かすため、ベースは全体に品のある色みに。赤みを消すため、ティアのクリアなアッシュをメインに、シエナの程よいベージュ感、アマランスの艶感とくすみ感をプラスすることで、艶感がありつつもやわらかく見えるよう調整しています。
インナーカラーはこめかみした付近から耳後ろ1cmくらいに、左右どちらも入れています。施術のポイントは、カラー剤の塗布量を根元と毛先で調整すること。全体に同量を塗布してしまうと色の入りにくい根元が暗く沈んで地味に見えてしまうので、根元を多く、色の入りやすい毛先に行くにつれて塗布量を少なくしていくことで、全体に圴一に色が入るようにしましょう。
「濁らない」がポイント! DaB盛さんが提案する、こなれ感を演出するフレーミングカラー ――DaB omotesando 盛隆行さん
盛隆行TAKAYUKI MORI
DaB omotesando 店長・カラーラボ責任者
1983年生まれ、埼玉県出身。2004年日本美容専門学校卒業後、DaBへ入社。サロンワークを中心にスタッフの育成、カラー技術の向上に務め、薬剤開発にも携わる。デザイン性の高いカラーのテクニックには定評があり、お客様からの信頼も厚い。一般誌、業界誌の撮影、また全国各地でのセミナーにて活躍中。
Instagram:@mori_takayuki_
トレンド予測|グレージュからハイトーンへ。クリアで鮮やかなカラーをさりげなくがポイント
これまではくすみ系やグレージュが人気の傾向でしたが、2020-2021年はハイトーンが主流になりつつあります。リモートワークが進んだことで、これまであまり明るいカラーをしていなかった人もハイトーンを取り入れるようになったのが、その人気を加速させています。そのため、ぱっと見できれいな色が求められるようになってきているでしょう。ポイントはクリアな鮮やかさ。例えば、ブラウンベースでもアンダーを上げてから染めるなど、濁らないヘアカラーが支持されるのではないでしょうか。
また、僕自身はそれに加えて「まろやか」をポイントカラーなどのキーワードにしています。特にオレンジやピンクなどのまろやか系のカラーがおすすめ。ただ明るくするだけだと少しきつく派手な印象になりやすいので、明るいだけでなく優しさとかわいらしさのある「まろやかな」カラーのほうが、ハイトーンカラーが初めての方もトライしやすいと思います。
カラーデザインは、見た目や値段、ダメージの少なさなどの点からチャレンジしやすいフレーミングカラーやインナーカラーを取り入れる方が増えています。表面までは入れずフェイスラインのインナーに入れると、前髪を下ろしているときとあげているときで印象の違いを作ることができますよ。
さりげないポイントカラーでこなれ感を演出。強めのバンクに合わせたシンプルなフレーミングカラースタイル
レシピ
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- 【ベース】
conc.GRAY:N5=5:1
1剤:2剤=1:1(OX2.8%)
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- 【フレーム】
G8:N10:V6:CLEAR=12:4:1:17
1剤:2剤=1:1(OX2.8%)
すべてアジアンカラー フェス
※ 比率は組み合わせ比 ※ 1剤:2剤は混合比
厚みがあり、ラインもしっかり出している主張が強めなバングに合わせ、フレーム部分を肌馴染みのいいまろやかな色にしたシンプルなフレーミングカラーです。ベースは濃い目のチャコールグレイで、フレーム部分はまろやかなグレージュにすることで、はっきりした顔立ちの方にも似合わせられます。
フレーミングカラーはセクショニングのバランス(分量)と色の組み合わせが重要です。今回選んだ色は、フレーム部分とベース部分でコントラストの強いカラーなので、境目がはっきりわかるように入れてしまうとくっきり分かれて不自然になってしまいます。そのため、フレーミングを入れる範囲は少なめにするのがポイント。今回は、バング以外のフェイスラインの部分は表面に被さるようにし、下ろしているときにはあえてカラーが見えないようにしています。動いたときや髪の間からさりげなくポイントカラーが見えるので、コントラストが強い色でも馴染んで、こなれ感を演出できますよ。
(取材・文/A PRESS編集部)
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