人気サロンスタイリスト3人が注目する2022年グレイカラーのトレンド! #Playgray レシピ公開 第三回
新しいトレンドが生まれ続ける美容の世界。特にグレイカラーは薬剤が進化し、お客様からも「白髪でも明るいカラーにしたい」「グレイカラーでもファッションカラーのように楽しみたい」といった声が聞かれるようになりました。そこで今回は、人気サロンのスタイリスト3人が「カラーストーリー プライム」(医薬部外品)を使ったレシピで、2022年におすすめするグレイカラーのデザインを紹介する企画の第三回。そのカラーに注目する理由やポイントなど、「グレイカラーのトレンド予測」も教えていただきます。
赤みを抑えたベージュに、細かなハイライトで白髪を生かして楽しむ上品デザインに注目! ——CHARLES DESSIN 吉田満耶さん
レシピ
-
- ■新生部
10 NG:9 NB:8 GR=1:1:1
1剤:2剤=1:1(OX6%)
-
- ■既染部
新生部の薬剤をリタッチ後、乳化させながら毛先までなじませる
すべて「カラーストーリー プライム」(医薬部外品)
※比率は組み合わせ比 ※1剤:2剤は混合比
おすすめカラー|パーマ毛のダメージにも配慮しながら明るい印象に。時短で失敗しにくいナチュラルベージュ
赤みを抑えた、全体に上品ながら明るい印象になるナチュラルベージュ。新生部は10 NGで全体の明度を上げ、8 GRでしっかり赤みを抑えつつ、クールなグレーに振れすぎないよう9 NBを組み合わせました。また今回のモデルさんは硬毛で、中間から毛先に複数のハイライト履歴、さらに毛先にパーマ歴がありました。そのため、そのままカラー剤を塗布すると、毛先が発色しやすかったり、場合によっては沈み込みが起こったりする可能性もある状態だったので、リタッチ部分を乳化させるときにそのまま毛先までなじませています。こうすることでダメージを抑え、既染部が染まりすぎることなく全体的に自然と色がつながります。時短にもつながって失敗もしにくく、リアルなサロンワークで使いやすいので、おすすめの薬剤配合と施術方法です。
さらにトップ部分、白髪の多いつむじの後ろからハチのあたりまでを、1mmのチップで細かくハイライトをリタッチ。全体の明度を調整しながら白髪を生かした上品なデザインに仕上げました。
トレンドカラー|ファッションのように楽しむグレイカラー。生え際の白髪を生かすデザインと透明感あるベージュが注目
グレイカラーをファッションのように楽しめる、細かなハイライトの入ったデザインに注目しています。近年はSNSの影響でグレイカラーのお客様もデザイン性を求めている印象です。一方で、太めにハイライトを入れるコントラストの強いデザインなどで根元を暗くしてメリハリを生かしたい場合、生え際の白髪が気になってしまい、白髪ぼかしには向かないこともあります。そこで、細かなハイライトで上品なデザインに仕上げれば少し時間が経っても生え際の白髪が気になりにくく、より長くデザインを楽しんでいただき、次回以降も続けていけるのでおすすめです。
また色みでは、ここ数年ファッションカラーでも支持されている無彩色系のナチュラルベージュが、グレイカラーでも人気になると見ています。赤みはしっかり抑えるけれど、グレージュまではいかないくらいに温かみのある色みがポイントです。また、グレイ世代の髪は全体をベタ塗りすると毛先のみ発色が良くなるなどムラが出やすい場合もあるので、一人ひとりの髪の状態を見極めるのが重要。新生部はしっかり色を入れ、既染部はダメージに配慮しながら新生部と色をつなげる配合を探ってみてください。
吉田 満耶Maya Yoshida
CHARLES DESSIN 北堀江店 店長
大阪府出身。関西美容専門学校卒業後、1店舗を経て2017年よりCHARLES DESSIN(シャウルデッサン)黒木 利光氏に師事、2019年入社。2017年メーカー主催のフォトコンテスト入賞以降『クリエイティ部』候補生として黒木氏はじめクリエイティ部メンバーの撮影のメイクを担当。担当スタイルはSNiP STYLe掲載多数。また、2020年SNiP STYLe2月号に気鋭女性デザイナーとして特集される。売上ゼロから1年間で技術売上200万円、単価3万円を超えるスタイリストへ。入社後1年半でCHARLES DESSIN店長兼ディレクターに任命される。また、女性スタイリストとして初めて黒木式酸性ストレートを極める。オンラインサロン、セミナー等で酸性ストレート講師として活躍中。
Instagram:@charlesdessin_maya.yoshida
艶感と透明感を表現! 程よい明度のアッシュベージュ・グレイベージュが人気に ——RUMIKA 金子瑠美さん
レシピ
-
- 【ハイライト】
アリミノ ブリーチ 120
1剤:2剤=1:2(OX6%)
18Lvまでトーンアップ
(※ ハイライト部分以外のアンダーは16Lv)
-
- 【オンカラー】
10 NG:10 GR=1:1
1剤:2剤=1:1(OX6%)
すべて「カラーストーリー プライム」(医薬部外品)
※比率は組み合わせ比 ※1剤:2剤は混合比
おすすめカラー|黄みと赤みを抑えた透明感。ハイライトを組み合わせて程よい立体感を表現
黄みと赤みを抑えて艶感と透明感を引き出したアッシュベージュ。表面にハイライトを施すことで、程よい立体感と深みを表現しています。ベースが明るいお客様だったので、グレイを軸にしつつ、色の深みが増すようナチュラルグレイを組み合わせました。今回は前回の施術からの期間が短くリタッチ幅が少なかったため、新生部から毛先まで同じ薬剤で対応しています。根元のリタッチがある場合や白髪が多い方は、よりしっかり白髪部分に色が入るよう、7〜8Lvのグレイとナチュラルグレイを使うのがおすすめです。
ハイライトは5cm間隔でブロッキングを取り、スライシングで1cmをすくい3cmを落として入れています。全頭ブリーチは難しいという方でも、ハイライトによって表面部分にアッシュ系の色みが入りやすくなり、退色時も濁りなくきれいに色が抜けていきますよ。合わせる髪型は、艶感を重視してレイヤーをあまり入れていないスタイルがおすすめ。ハイライトを入れることで、レイヤーの入っていないデザインでも重くなりすぎず、動きを表現できます。
トレンド予測|従来はファッションカラーでつくっていた「アッシュグレイ」「グレイベージュ」がグレイカラーで求められるように
赤みや黄みを抑えたアッシュベージュやグレイベージュで、程よい明度と透明感のあるカラーに注目しています。赤みや黄みを抑えたカラーはサロンワークでも求められることが多く、お客様のニーズが高くなっていると感じています。一方でこれまでグレイカラーでは表現が難しかったことから、根元はグレイカラー、毛先はファッションカラーで対応することの多かった色でした。今回の「カラーストーリー プライム」では、一本でしっかり赤みや黄みを抑えたアッシュベージュやグレイベージュが表現できるので、よりグレイ世代に喜んでいただけるのではないかと思います。
また、アッシュベージュやグレイベージュは、9Lvくらいの明度でも暗くなりすぎずに透明感と深みのある印象になるのもおすすめのポイントです。お仕事などでベースのトーンアップが難しいという場合も、表面のハイライトと組み合わせれば、落ち着きがありながら、抜け感のあるデザインになりますよ。
金子 瑠美Rumi Kaneko
RUMIKA オーナー
熊本県出身。福岡県にて大村美容専門学校卒業後、上京。SHIMAに入社し、17年間勤務する。2021年2月に独立、中目黒に「RUMIKA(ルミカ)」をオープン。カット・カラーなどヘアの施術に加え、フェイシャルケア・ボディケアのサービスを提供、さらにブレンドティーを販売するなど、トータルビューティーを提供する。特に女性客からの支持が高く、顧客の90%は女性。一人ひとりのファッションやライフスタイルに寄り添ったデザインやケアの提案を常に心掛けている。
Instagram:@rumika_salon
きれいに退色×赤みを抑えるハイブリッドタイプで差をつける。一人ひとりの素材を生かし、ライフスタイルに入り込む提案を!——SNIPS 小熊滋さん
レシピ
-
- ■新生部
10 NG:5 NG=3:1
1剤:2剤=1:1(OX6%)
-
- ■既染部
V8 OL:V8 M=5:1
1剤:2剤=1:1(OX2.8%)
すべて「カラーストーリー プライム」(医薬部外品)
※比率は組み合わせ比 ※1剤:2剤は混合比
おすすめカラー|新生部は退色まできれいなハイブリッドタイプ、既染部はベールタイプで季節の光に合わせた色みを表現
ナチュラルグレイで赤みを抑えてしっかり新生部の白髪をカバーし、既染部は微アルカリのベールタイプでダメージに配慮しながら艶感を表現したデザインです。新生部は10 NGでリフト力を補って5 NGで染料を加え、薬剤を頭皮につけないようゼロテクを使って施術。2つのLvを組み合わせることで、7〜8Lvなど中間明度の薬剤単品で染めるよりも短時間でしっかり染められます。今回はどちらもナチュラルグレイを使っていますが、よりクールかつ濃い色みにしたい場合は10 GRに5 NGを、より柔らかく明るい印象にしたい場合は10BEに5NGを組み合わせると調整できますよ。
既染部のカラーは、季節によって太陽の光に含まれる色が異なり、ヘアカラーも見た目の印象が変わってくるので、時期に合わせてナチュラルに映るカラーをつくるよう意識しましょう。今回は夏のオレンジの光が強い日射しの下できれいに見えるよう、マット系の色みにしています。オリーブを軸に、モカで黄みを抑えて透明感を表現。モカの青みと赤みのバランスは、オリーブと組み合わせたときにバイオレットに近い働きをしてくれるので、補色と同じようにアンダーの黄みを抑えてくれます。寒色に振れすぎることなくマイルドに黄みを抑えたいときは、組み合わせる色とバランスをとりながら、モカやWナチュラルを使うのがおすすめです。
トレンド予想|白髪の発現年齢が下がっている現代。ファッションカラーと切り分けず、一人ひとりに合わせた提案を
前提として「グレイカラーだから」「ファッションカラーだから」と切り分けないことが大切です。人口で見るとグレイカラー層が比率として多く、さらに近年は生活習慣の変化や定着したマスク生活による呼吸の浅さなどにより、20代でも白髪が気になる方が出てくるなど白髪の発現年齢が下がってきていると感じています。そのなかでグレイカラーと言われると「この先50年、60年、ずっと隠していかないといけないのか……」と思ってしまう可能性も。だからこそ「グレイカラー」「ファッションカラー」とカテゴライズせずに、「カラーを楽しむ」と捉えることが、お客様に明るい気分になっていただくために欠かせません。
その上で、グレイカラーでは赤みを抑えた色みと、「その人の素材」を壊しすぎないことを意識しています。赤みを抑えたカラーは、これまでのグレイカラーでは白髪を染める設計上表現が難しかったのですが、「カラーストーリー プライム」のハイブリッドタイプではそれが可能に。ファッションカラーを使っていた部分も対応できるのでおすすめです。寒色系の透明感あるカラーは施術を受けて「変わった」と感じやすく、退色まできれいを長持ちさせられます。特にグレイ世代はショート〜ミディアムのレングスが多いので、赤みを抑えた色みは柔らかく軽い印象になりますよ。一方でロングヘアの方は適度に赤みを加えてあげると、より艶感とまとまりを表現できます。スタイルに合わせて色みを選びましょう。
また、一時的なデザインのためにお客様の素材を無視するのはNG。近年はSNSの影響が大きく、目立つデザインが注目されがちですが、グレイ世代の多くは「私にとって、合っている?」を重視する方が多いです。そのため、そのお客様はどこまでホームケアにご協力いただけるのかなども考えて、ライフスタイルに入り込んだご提案をしていきましょう。いかにお客様一人ひとりに「生涯顧客」として関わって寄り添うかが、今後のサロンワークではますます重要になると思います。
小熊 滋Shigeru Oguma
SNIPS トップカラーリスト
新潟県出身。新潟理容美容専門学校卒業後、SNIPS(スニップス)入社。安定した確かなテクニックとロジックで多くのカラー指名顧客を持つ。特に白髪や薄毛へのアプローチを得意とし、大人世代からの支持が高い。また、知識と経験に裏打ちされた独自のカラーメソッドにより、全国各地でセミナー活動を多く実施するなど、若手美容師育成にも力を入れており、多くの美容師からも好評を得ている。
Instagram:@snips_ogu
(取材・文/A PRESS編集部)
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