「パーソナルカラー診断」に基づいたカラー提案で顧客満足度アップ! 長年の取り組みで一歩先ゆくスタイル提案を実現——BUZZ

Jan 25.2024
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似合わせカラーで支持を集めているサロン「BUZZ(バズ)」。「パーソナルカラー診断」に基づいたカラーの提案に長年取り組み、その提案がお客様との信頼関係の構築や新規顧客の獲得につながっているといいます。

今ではファッション誌や美容に関する記事で見かけることの増えたパーソナルカラー診断ですが、「BUZZ」が取り入れはじめたのは約18年前。当時はパーソナルカラー診断を知っている人も、カラーの提案に取り入れているサロンも少ない時代でした。

時代に先駆けてパーソナルカラー診断を取り入れた理由、さらに、パーソナルカラー診断のポイントや取り組みの成果、サロン全体でどのようにスキルを身につけているのか、継続して取り組み続ける重要性などを、同店のトップスタイリスト・鈴木千裕(すずき ちひろ)さんに伺いました。

カウンセリングに注力し導入。今では「パーソナルカラー診断」を求めて来店する方も

―― ヘアカラーの提案にパーソナルカラー診断を取り入れていると伺いました。

鈴木さん(以下敬称略)はい、当サロンでは全スタッフが診断できるよう、アシスタントも1年目から取り組んでいます。カラーの提案において、私たちにとってなくてはならないスキルです。

―― いつから取り組んでらっしゃるのでしょうか?

鈴木オーナーの話によると、パーソナルカラー診断を始めたのは約18年前。カウンセリングを重視し、最初は会話の切り口として注目したといいます。そうして取り組んでいく中で、人によって色の見え方が違うことがわかってきたそうです。

例えば男性と女性では認識する色数が違うという研究もありますが、そういった違いをオーナーが肌で感じたようです。また、色に抱くイメージは人によって異なります。同じ「赤」でも、ある人は情熱的な色と思うけれど、他の人は和風だなと感じたりする。そこで一人ひとりの見え方や感性に左右されない「色の共通言語」として、パーソナルカラー診断のトレーニングにスタッフ全員がしっかり取り組むようになりました。

―― 今ではファッション誌などでよく見るパーソナルカラー診断ですが、当初はそれほど知られてなかったのではないですか?

鈴木そうですね、私は7年前に入社したのですが、その当時でもまだ「そんな診断があるんですか?」とお客様に聞かれることがよくありました。だから、以前は初めてのカウンセリングの時や、どんな色がいいか迷った時に「パーソナルカラー診断というものがあって、一人ひとりに似合う色を見つけられるのですが、やってみませんか?」と伺っていましたね。カウンセリングの一環という考えで始めているので、パーソナルカラー診断の料金はいただかず、無料でご提案しています。ほとんどの方が「無料なら、受けてみようかしら」と言っていただけますね。

―― 提案されて受けてみる方が多いということは、以前から似合う色・似合わない色があるとみなさん感じてらっしゃったんですね。

鈴木そうだと思います。最近はパーソナルカラー診断がファッション誌や美容メディアで紹介されていることが多く、お客様もご存じの方がほとんど。また、いち早く取り組んできて、SNSでもカラーの写真とともにパーソナルカラーの説明を投稿したり、集客サイトで押し出したりしていることから、パーソナルカラー診断のできるサロンだと調べてご来店される方もいらっしゃいます。こちらからご提案する前に診断を希望されることも少なくありません。

―― 現在は、すべてのお客様にパーソナルカラー診断を行っているのですか?

鈴木希望を伺って決めますが、ほとんどの方が受けられますね。診断をするのは初回のみ。お客様のご希望があった時や、チャレンジしてみたい色が似合うか不安のある時など、場合によっては2度目以降のご来店でも診断することはありますが、基本的には初回の診断結果をカルテに書き込み、次回以降もそれを元に進めます。

現在、診断はアシスタントが行い、カラーの提案はスタイリストがすることもあるのですが、サロン全体でパーソナルカラー診断を導入しているからこそできることだと思います。また、例えばカルテからどんなカラーをつくるかある程度予想できるので準備がしやすくなるなど、サロンワークにおけるメリットが大きいんですよ。

―― 特にどのような方がパーソナルカラー診断をご希望されるのでしょうか?

鈴木10代で初めてカラーをされる方や、今までのカラーがどこか自分にしっくりこないなと感じている方が診断を希望される印象です。また、なんとなく自分に似合う色がわからない、あるいは自分に似合う色がどんな色なのか興味があるという方もいらっしゃいます。

どのぐらいのお客様を診断しているかは日によっても異なりますが、私の場合はだいたい2〜3人くらいでしょうか。

―― 診断は初回にということは、新規のお客様がそれだけいらっしゃると。長年の取り組みが、新規の集客にもつながっているんですね。

鈴木オーナーも導入当時はここまでパーソナルカラー診断が世間に浸透するとは思っていなかったようですが、時代が追いついてきたと言えるかもしれませんね。

パーソナルカラー診断を踏まえての提案は、根拠があり説明がしっかりできるので、お客様の納得感も高まります。その方にとってはちょっとチャレンジングな提案も、診断結果に基づいていたら「やってみよう」となりやすい。「お任せで」と言っていただけることも多いです。お客様との信頼関係を築くことに役立っていると感じています。

4つのタイプで似合う色を診断。初回の診断だけで終わらせないことが大切

―― 診断では具体的にどのようなことを見ていくのでしょうか?

鈴木パーソナルカラー診断では、似合う色と明るさを4つのタイプに分類しています。診断時は4つのタイプそれぞれが似合う色を載せたパネルを当てて、その人の肌や瞳、髪の色としっくりくるタイプを探します。かかる時間は10分、長くても15分程度ですね。

光によって色の見え方は変わるので、できる限り正確な色みがわかるように、診断時は自然光のもとで色を見るようにしています。サロンの照明も、自然光に近い白のライトなんですよ。

―― 繊細な色の違いの判断は、化粧をしっかりしていたり、カラーコンタクトをしていたりするお客様だと、難しそうに思いますが……。

鈴木確かに、理想はすっぴんだと一番わかりやすいですが、例えばカラーコンタクトをされていても、中心の瞳のところはその人が持つ本来の色が見えます。他にもそういった小さなヒントはたくさんあるので、お化粧やカラーコンタクトをされていても、パーソナルカラー診断はできるんですよ。

―― カウンセリングでは、まず診断をされるのでしょうか?

鈴木スタッフによって異なるのですが、私の場合はまず希望の明るさをお客様に伺ってからパーソナルカラー診断を行います。その診断の結果に基づいて、カラーチャートや、実際の施術例の写真をお見せしながらカラーをご提案します。

先に明るさの希望を伺うのは、例えばお仕事の関係などであまり明るくできない場合があるから。そういった環境要因や心理的な面で左右されやすい部分として、最初に押さえておくのがいいかなと思っています。

―― 診断結果とお客様の希望する色が異なってしまうこともあるのでしょうか?

鈴木もちろん、ありますよ。そういう時は同じ系統でより似合うカラーをお伝えしたり、希望の色を軸にしながら、「他の色を組み合わせるとよりお顔が映えますよ」という提案をしたりしています。また、明るい色が似合うタイプだけど暗くしないといけない場合は、その人に似合う色の中でアッシュ系のカラーを提案するなどしています。

お客様のオーダーによっては、1回目はその方のご希望の色でカラーし、次回のご来店時に「こちらの色も似合いますよ」とご案内することもありますね。

―― 一度の診断で結果をお伝えして終わり、ではないんですね。

鈴木そこが、一番気をつけているところです。診断だけで終わらないよう、いかにお客様とのコミュニケーションを広げていくかが大事。各タイプいくつか似合う色があるので、次回は別の色をご提案するなどして変化をつけています。他にも、例えば髪色を変えたらメイクや服装も変えたくなりますよね。なので、カルテを記入しながら、「次回はメイクのお話もしよう」なども常に考えています。

カラー練習でパーソナルカラー診断にも取り組み。カウンセリングの言葉遣いもチェック

―― スタッフみなさんでパーソナルカラー診断に基づくカラー提案を取り入れているとのことですが、サロンとして教育の取り組みや機会を設けていますか?

鈴木年4回ほど、アリミノさんでも長年パーソナルカラーセミナーの講師をされているタハラ・イメージスタジオの田原二美氏による講習を行っています。アシスタント1年目から参加し、パーソナルカラーのシステムや特徴を学びます。

講習で身につける理論に加え、実践もパーソナルカラー診断の修得には欠かせません。そこで当サロンではカラーのトレーニングはすべてパーソナルカラー診断を前提にし、スタッフ同士やモデルさんでひたすら練習を重ねています。

―― 最初は、理論通りにしたつもりでもうまくいかないことも……

鈴木たくさんあります(笑)。私もはじめの頃は、診断に沿った色にしたつもりだったのに、実際にカラーしてみたらなんだか顔色が沈んで見えるなんてことがしょっちゅう。実力をつけるには、やはり、数を重ねるしかありません。

―― 練習は先輩がチェックするのでしょうか?

鈴木はい、定期的にチェックしています。実際にサロンワークで行えるようになるのは、先輩スタイリストからOKが出てからです。

―― チェックでは、どのようなポイントを見ていますか?

鈴木診断の精度はもちろんですが、加えて確認しているのが「お客様への伝え方」です。伝え方のポイントは複数ありますが、特に気をつけているのは「この色は似合わない」といったネガティブな表現をしないこと。「こんな色も似合いますよ」「この色を組み合わせると、より映えますよ」といったポジティブな表現を心がけています。

診断の精度は経験でしか培えませんが、伝え方は意識で変えていけます。また、そもそもがカウンセリングの一環ですから、お客様とどのようにコミュニケーションを取るかは非常に大切な要素です。

―― 伝え方や押さえるべき点は、マニュアルなどで共有しているのでしょうか?

鈴木いえ、マニュアル化や資料化はせずに、サロンワークやトレーニングの中で、口頭で伝えています。カウンセリングは相手によっても少しずつ変わっていくものなので、コミュニケーションの中で身につけていくようにしています。

特長の明確なカラー剤で、診断で導かれた「似合う色」を表現

―― 施術で診断結果に基づいた色をしっかり表現した仕上がりにすることも重要だと思いますが、カラー剤はどのようなものを使っていますか?

鈴木当サロンでは特長の異なる複数のカラー剤ブランドを導入しており、アリミノさんのカラー剤では「アジアンカラー フェス」「カラーストーリー アドミオ」「カラーストーリー プライム」(いずれも医薬部外品)を使っています。中でも、パーソナルカラー診断に基づいた色をつくる時には、「アジアンカラー フェス」と「カラーストーリー アドミオ」を重宝しています。

―― 「アジアンカラー フェス」と「カラーストーリー アドミオ」は、どのような点が使いやすいのでしょうか?

鈴木パーソナルカラーは4タイプですが、そのうち2タイプは色みのハッキリしたカラー、残りの2タイプはくすみ系のカラーが似合うタイプに分かれます。そこに、「アジアンカラー フェス」と「カラーストーリー アドミオ」の特長が、ピッタリとハマるんです。

「アジアンカラー フェス」はキリっとした色をつくりたい時によく使います。特に私は「PINK」を使うことが多いですね。また、近年はインナーカラーなども人気で、ブリーチして鮮やかな色をデザインで入れる方も増えました。そんな時は「CLEAR PINK」を使っています。

―― 一方の「カラーストーリー アドミオ」はくすみ系のカラーの時に使っているのでしょうか?

鈴木はい、まさに。くすみ系の色をつくりたい時に便利です。単品でも程よいくすみのあるカラーに染まります。特によく使っているのは「チャコール」と「アマランス」。サロン全体で減りが早い、人気カラーです。

おっしゃっていただいたように、パーソナルカラー診断をするからには、ちゃんとその結果で導き出した色をつくることが大切。そのためには、つくりたい色を表現しやすいカラー剤は重要です。特長がハッキリしているカラー剤は使い分けがしやすいですし、理論に基づいた組み合わせも考えやすくなるので、欠かせません。

―― グレイカラーのお客様の場合は、カラー提案や色づくりはどのようにされていますか?

鈴木基本的には他のカラー施術と、診断の内容も提案も色づくりの考え方も変わりません。あとは、より色の表現ができて明るい印象になるように、ハイライトを提案するなどの工夫をしています。

パーソナルカラー診断で築いた信頼が、新たなメニューの入り口に

―― パーソナルカラー診断を踏まえてカラーをされたお客様からは、どのような声がありますか?

鈴木みなさん、喜んでくださって、「周囲にほめられた」と次回来店時に報告くださる方もいらっしゃるんですよ。「これまでどんな色が似合うのかモヤモヤしていたけれど、診断を受けてやっとわかりました」と言われることもあります。

診断を踏まえた提案だからこそ、お客様の満足度が高くなっているのだと思います。私は入社当時から当たり前に取り組んできたので、逆にカラー診断ができなかったら、どのようにカラーを提案していけばいいかわからないくらいです。

―― 継続して取り組むことで、お客様にも何か変化はありますか?

鈴木回数を重ねていくうちに、お客様のほうから「自分に似合う色にしたい」とおっしゃるようになる方が多いです。中には、自身でパーソナルカラーを学ばれる方もいて、私たちも常に新しいことを取り入れてアップデートしていかなければと刺激を受けています。

―― 今は、どんな新しいことを取り入れようとされていますか?

鈴木コロナ禍の3年のうちに、顔タイプ診断にも取り組むようになりました。顔タイプ診断は、顔の形やパーツに合ったヘアスタイルの提案につなげています。スマートフォンで写真を撮影して診断するため、30分程度かかるので、こちらは3,000円(税別)のメニューとして用意しているのですが、多くのお客様に「その診断も受けてみたい」とおっしゃっていただけています。

パーソナルカラー診断によって「根拠に基づいた自分に似合う提案を受ける」大切さがお客様にも根付いているのだと感じます。パーソナルカラー診断の取り組みが、次のメニュー選択への入り口になってくれています。

今後も新たな提案をできるように知識もスキルも高めていきたい

―― 最後にパーソナルカラー診断を生かして、サロン全体、そして個人としてこれからどのようなことに取り組んでいきたいか、今後の展望を教えてください。

鈴木パーソナルカラー診断は、もはや当店では必須の技術。でも、それをスタッフみんなができるということが、他サロンとの差別化につながっています。最近では美容師の友人に「私も診断して」と頼まれることもあるんですよ(笑)。それだけ、求められているのだと思います。今後も全スタッフがその技術を修得していることでサロンの価値を高め、お客様の満足度を高めていきたいです。

また、私自身もパーソナルカラー診断と、近年取り組んでいる顔タイプ診断にとどまらず、新たな提案をお客様にしていけるように技術を高め、引き出しを増やしていきたいです。今は骨格診断も勉強中です。ヘアに合わせて、ファッションのお話もしていけるようになれたらと思っています。

Profile
BUZZ トップスタイリスト 鈴木千裕

鈴木千裕Chihiro Suzuki

BUZZ トップスタイリスト

静岡県磐田市出身。「山野美容専門学校」卒業後、2017年BUZZに入社。ハイトーンカラー、デザインカラーを得意とする。一人ひとりのライフスタイルに合わせながら、パーソナルカラー診断、顔タイプ診断に基づいた提案で、お客様からの厚い信頼を集めている。

Instagram:@buzz_chii

アリミノ営業担当者のコメント

2023年に25周年を迎えたBUZZ様は、店舗の拡大やスタッフ数の増強をされる以前から、将来を見据えた若手スタッフの育成のため、一貫してカウンセリングに注力されています。特に世代のギャップがある顧客にもコミュニケーションをスムーズにとるために、積極的にパーソナルカラーを教育へ取り入れてきてらっしゃいました。その継続した取り組みが実を結び、現在はSNSの発信や口コミが多くの新規顧客の獲得にもつながっています。

私どもアリミノとして、今後もBUZZ様の益々の成長をサポートさせていただきたいと思います。

首都圏第2営業部 東京第1支店 関根直樹

「BUZZ」サロン情報

すべての女性に「BUZZにいけば絶対可愛くなれる」と集まっていただけることを目指し、パーソナルカラー診断と顔タイプ診断を活用した丁寧なカウンセリングと、一人ひとりに似合うヘアを提供。爽やかな青と白を基調としたナチュラルテイストの空間で、気持ちもヘアもキレイになる心地よい時間をお届けしている。

店舗展開 5
従業員数 16名(自由が丘店のみ)
サロンコンセプト すべてのお客様が笑顔になり、幸せになれる美容のお手伝いをする
サロンターゲット 20〜30代を中心に幅広い年代の女性

「BUZZ」 店舗情報

所在地:
〒152-0035
東京都目黒区自由が丘2-16-9 メイプルファーム

Webサイト:https://j.hairmake-buzz.com/
Instagram:@buzz.jiyugaoka

(執筆/橘川麻実、取材・編集/A PRESS編集部、撮影/河合信幸)

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