「dAnce.」新アイテム4種、キーワードは“プレーンスタイリング”――LECO内田聡一郎さんが語る、軽やかさとツヤ感の両立術

Sep 24.2026
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2021年1月、「ひとりひとりのリズムにあわせて」をコンセプトに誕生した、アリミノのスタイリングブランド「Dance design tuner(ダンスデザインチューナー、以下、「dAnce.」)」。

そして2026年9月、「dAnce.」は新アイテムを発売。第1弾は、ワックススプレー「KAGURA FLOW(カグラフロー)」と、トリートメントオイルスプレー「WALTZ VEIL(ワルツヴェール)」が発売されました。さらに2027年1月には、バームグリース「SWAG DEW(スワッグデュー)」と、スタイリングオイル「JAZZ STELLA(ジャズステラ)」の発売を予定しています。

今回は、「dAnce.」の開発アドバイザーを務める「LECO」代表の内田聡一郎(うちだ そういちろう)さんに、新アイテムの開発秘話とサロンワークでの活用法を詳しく伺いました。

新アイテムの開発期間は約2年! トレンドの先を見据えた「素髪っぽさ」の表現を目指して

―― 今回「dAnce.」シリーズに、新たに4アイテムを加えることとなった背景を教えてください。

内田さん(以下敬称略):2023年にバームミルク「ポッピンフィグ」を追加して約1年後、ネクストトレンドを意識しながら、「dAnce.」として新ジャンルを検討する流れが生まれました。既存アイテムは、当時の時代性を意識してつくりましたが、ヘアスタイルもお客様の価値観も常に変化していきますよね。数年後も使っていただけるスタイリング剤の開発を目指して、アリミノさんと話し合いをスタートしました。

―― 開発は、どのように進めていったのでしょうか?

内田:当初から大事にしていたのは、「その商品を使いたくなるスタイルが存在するか」という視点です。どれだけ素晴らしい商品でも、トレンドと噛み合っていなければサロンワークで選ばれにくくなってしまいます。

そして、今回のキーワードは「プレーンスタイリング」です。最近は、スタイリング剤でつくり込みすぎるのではなく、髪本来の質感やカットのディテールを活かすスタイルが人気です。必要以上に盛らず、素髪っぽく見せながら、ツヤや束感を表現することを「プレーンスタイリング」と考え、開発を目指しました。

開発期間は、およそ2年間。スタイルや客層の異なる複数のサロンに協力してもらい、それぞれの意見をすり合わせながらつくりあげました。

第1弾は、“ツヤ”と“躍動感”。髪本来の美しさを引き出す、2つのスプレー

―― 第1弾では、2種類のスプレーが登場しました。まずは、トリートメントオイルスプレー「ワルツヴェール」について教えてください。

内田:「ワルツヴェール」で目指したのは、ナチュラルな風合いとツヤ感です。

いま市場で人気のレイヤースタイルは、スタイリング剤をつけすぎるとカットの特性を生かしきれなくなってしまいます。「ワルツヴェール」は、毛先の動きをつぶさない、キューティクルケア発想の微細なオイルスプレーなので、髪表面に均一に広がりながらサラッとした指通りが感じられます。

プレーンスタイリングの考え方に近いのは、「何かを足した感じ」よりも、「もともと髪がきれいだったように感じられる」こと。髪本来のツヤを引き出し、カラーの色みまで美しく見せてくれるので、仕上げにひと吹きするだけで印象が変わります。

―― ワックススプレー「カグラフロー」の特徴も教えてください。

内田:「カグラフロー」はセット力と軽やかさの両方を叶えられるワックススプレーです。

一般的なワックスは、つける量によって重さが出てしまう。「カグラフロー」は非常に粒子の細かいスプレーなので、少量ならナチュラルに、重ねるとしっかりキープしながら束感を演出できます。コテで巻いた後にも使いやすく、目指すスタイルやその日の予定に合わせてコントロールできるので、使い勝手がすごくいいんです。

―― 開発にあたって、特に工夫した点はありますか?

内田:徹底的に使い心地にこだわったところです。ロングヘアの方は、日常的に髪を触るので、その時にサラサラと心地よい質感が得られるようにしています。「ワルツヴェール」も「カグラフロー」も特徴はさまざまですが、“嫌なベタつきが残らない”という点は共通しています。

さらに、粒子の細かさや、噴射の位置、噴射量、広がり方、ノズルの角度まで、何十回とテストを重ねました。僕が避けたかったのは、ファーストプッシュでスプレーがつきすぎてしまうこと。プレーンスタイリングの目指す素髪感を実現するために、かなり細かく調整しています。

第2弾は、“おもかる”。質感で選ぶバームグリースとスタイリングオイル

―― 第2弾で発売となるアイテムについても教えてください。まず、バームグリース「スワッグデュー」はどんな商品なのでしょうか?

内田:「スワッグデュー」は、バームとグリースの中間を目指したアイテムです。グリースは水溶性でみずみずしいことから、ツヤ感を強く出せる一方で、質感としては硬めで伸びにくい。そこにバーム特有の柔らかさを掛け合わせることで、理想のスタイルを柔らかな質感で表現できるんです。ありそうでなかった商品ですよね。

実際に手に取ってみると、グリースにはない伸びの良さにびっくりすると思います。僕が得意とするパーマスタイルとも相性が良いので、新アイテムの中で一番気に入っています。

―― スタイリングオイル「ジャズステラ」の特徴も教えてください。

内田:「ジャズステラ」は、トレンドに左右されず長く使えるアイテムです。日本人・アジア人の髪質に合わせながら、ロングからショートまで幅広く使えるよう、ヘアオイル市場も幅広く研究しました。

検討を重ねる中でたどり着いたのは、重すぎず軽すぎない、“おもかる”と呼ばれる質感です。細い軟毛の場合、オイルをつけるとペタッと重くなってしまい、しっかりと太い硬毛の場合は、オイルをつけてもどこか物足りなさを感じてしまう。その両面のバランスを考え、“おもかる”を追求しました。

パッケージにもひと工夫加えています。これまでの「dAnce.」は白を基調にしていましたが、「ジャズステラ」だけは黒を採用しているんです。大人っぽさや高級感を演出したいという狙いから、半透明でミラー感のある見た目になっていて。

サロンやお客様のご自宅に置いた時の存在感まで含めて設計したので、思い入れも強いですね。僕たちは、“黒ダンス”と呼んでいます。

―― 確かに「dAnce.」のパッケージは、シンプルでありながら洗練されている印象です。

内田:見た目や佇まいなど、感覚的なところもすごく大事にしているんですよ。どれだけ中身の成分がすばらしくても、手にした時に違和感があれば使われなくなってしまいますよね。スプレーであればボトルの高さや太さ、そのわずかな違いだけで手に取った時の印象がまったく変わってくるんです。さまざまなサイズを比べれば比べるほど悩んでしまうので、当サロンのスタッフにもヒアリングを重ね、最適な形を探しました。

併せて、香りも工夫しています。固形剤は特に香りが強く出るので、好き嫌いが分かれやすい傾向にあります。アリミノさんやスタッフに試してもらいながら「みんなが好き」と思える香りの出方や強さを調整しました。

“どんな質感にしたいか”を考える。店販につながる4商品の使い分け

―― 実際のサロンワークでは、4アイテムをどんなお客様やスタイルに提案できそうですか?

内田:前提として、「どんな質感にしたいか」から考えるのが良いと思います。例えば、トリートメントオイルスプレーの「ワルツヴェール」は、ストレートヘアやレイヤースタイルを自然に見せたい方にぴったりです。また、髪を触った時の指通りや、ほどよいツヤ感を重視するお客様との相性が良いですね。

ワックススプレー「カグラフロー」は、コテで巻くスタイルにマッチします。巻いた後に振りかけてみてください。ワックスが苦手な方でも扱いやすいので、「まずはこれを試してみてください」と提案しやすいかと思います。初心者の方にも自信を持っておすすめできるアイテムです。

―― 「カグラフロー」は、スタイリング剤に抵抗がある方にも使いやすそうですね。では、バームグリースの「スワッグデュー」はどうでしょう?

内田:「スワッグデュー」は、外国人風のクセ毛や洗いざらし感など、今のトレンドとの相性が非常に良いです。ちゃんとセットしているけど、やりすぎて見えない。でも、必要なところにツヤやまとまりを足せるので、メンズの場合は、後ろに流したりかき上げたりと、柔らかなニュアンスとツヤ感を表現したい方にぴったりです。ドライ前のベースとして使っていただきたいですね。

スタイリングオイル「ジャズステラ」は、「オイルを使いたいけど、重くなりすぎるのが不安」という方には、非常に提案しやすいと思います。

細い髪の場合、オイルのベタつきや重さが気になり、しっかりした太い髪の方だと、つけた感が得られにくく、数時間後には広がってしまう。「ジャズステラ」なら、そんな方々に価値を感じていただける“おもかる”なアイテムなので、迷ったらこれを手に取っていただきたいです。ロングからショートまで幅広く使っていただけるのも、魅力の一つです。

―― 店販などでお客様にご提案する際、意識していることはありますか?

内田:体感してもらうことです。香りを嗅いでもらう、実際に髪につけてみる、鏡で質感の変化を見てもらう。スタイリング剤は、説明するよりも変化を実感してもらうほうが、圧倒的に伝わるんですよ。

さらに、店販がよく売れる人は「よかったら使ってみてください」ではなく、「このスタイルには、これが必要です」と言い切っている印象があります。お客様の髪質、悩み、なりたいイメージをしっかり理解したうえで、「だからこのアイテムなんです」と自信を持って提案できると、信頼につながりやすいんです。

もちろんそのためには、心から「良い」と思える商品を扱う必要があります。「dAnce.」は、僕たちが心を込めて開発し、実際に毎日使っているアイテムです。みなさんにもぜひ、「dAnce.」に触れていただいて、その心地よさをお客様に届けていただきたいですね。

お客様の魅力を、最も自然な形で引き出す「dAnce.」でありたい

―― 最後に、「dAnce.」シリーズの新アイテムについて、改めてメッセージをお願いします。

内田:「dAnce.」は長年多くのサロンさんに愛用いただいているスタイリングシリーズです。

今回の4アイテムは、現場の美容師からの「この質感を大事にした」「このスタイルの良さをもっと引き出したい」といった声に向き合いながら、約2年かけてようやく世に出すことができたものです。一人ひとりの髪質やスタイルの特長を引き出すための選択肢として、「dAnce.」を手に取っていただけたら嬉しいですね。

香り、指通り、ツヤ、そして動き。さまざまな角度から、「dAnce.」の魅力を感じていただけると思います。

Profile
LECO代表 内田聡一郎

内田聡一郎Soichiro Uchida

LECO代表

2003年より原宿のサロンでトップディレクターとしてサロンワークをはじめ、一般誌、業界誌、セミナー、ヘアショー、著名人のヘアメイクなど多方面で活躍。2018年、渋谷に「LECO」をオープン。2020年「QUQU」、2021年「öben」、2022年「LECO odd」、2025年「ØØn」をオープン。デザイナーとしては2020年JAPAN HAIRDRESSER OF THE YEAR を受賞。さらには22年、23年、24年とPREPPYリアルトレンド大賞3連覇を達成。代表として今後一層の活躍が期待されている。著書に「自分の見つけ方」(2013年)、「内田流+αカット」(2017年)、「内田本」(2018年)、「ウチダテク一刀入魂」(2022年)がある。また、シザーやシザーケースなどのオリジナルプロダクトも発売中。

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(執筆/松本温美、取材・編集/A PRESS編集部、撮影/河合信幸)

この記事で紹介した商品
ダンスデザインチューナー

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スタイリングシリーズ。

商品情報詳細
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