ブリーチなしで、より自由な色表現を。「アジアンカラー フェス」の新ライン「DEEP LIFT」の開発の視点と活用術― DaB AOYAMA盛隆行さん・山本旭晃さん
2026年9月、高発色のカラー剤「アジアンカラー フェス」に、ブリーチなしでツヤのある高彩度な発色と色の深さを両立させる新シリーズ「DEEP LIFT」が発売となります。「アジアンカラー フェス」の開発に初期から携わっていただいている「DaB(ダブ)」の協力を得て、現場の視点を取り入れながら開発しました。
「DEEP LIFT」の大きな特長は、暗めのトーンでも色みをしっかり感じられること。ブリーチなしで、お客様が楽しめるデザインも美容師の提案も、これまで以上に広がります。
今回は、「DaB AOYAMA」のディレクター・盛隆行(もり たかゆき)さんとスタイリスト・山本旭晃(やまもと あさひ)さんに、開発経緯や製品の特長、活用方法、おすすめのカラーを詳しく語っていただきました。
好みやニーズの多様化が進む今、ブリーチなしでもっと幅広いお客様にカラーを楽しんでもらいたい
―― 今回、「アジアンカラー フェス」の新ライン「DEEP LIFT」を開発した経緯を教えてください。
盛さん(以下、敬称略):「アジアンカラー フェス」は、立ち上げ当初から携わらせていただいているので、常に次のアイデアを考えているんです。
2024年には、ブリーチオンカラーに特化した「PURE(ピュア)」と「VIVID⁺(ビビッドプラス)」を発売しました。その次に取り組みたかったのが、ブリーチをしない方にも、より自由にヘアカラーを楽しんでもらう製品。仕事の都合で明るい髪色にできない方や、ブリーチまでは求めていないけどカラーに挑戦したい方はたくさんいます。
そうした幅広い方たちにカラーを楽しんでもらう選択肢として、「DEEP LIFT」の開発がスタートしました。
―― この1〜2年で、ヘアカラーのトレンドはどのように変化していますか?
盛:過去のブリーチブームを経て、ブリーチが特別なものでなく1つの選択肢として根付いたうえで、最近はお客様の選択肢がより広がってきたと感じています。
ブリーチオンカラーを楽しみ続ける方もいれば、ブリーチを使わないカラーに移る方、黒髪に戻してパーマなど別のデザインを楽しむ方もいる。以前よりニーズが多様化していますね。
山本さん(以下、敬称略):SNSの影響も大きいと思います。以前は「この芸能人のようになりたい」というようなオーダーが多かったですが、今はアルゴリズムによって一人ひとり異なる情報を見る時代です。その分、好みが細分化して「自分らしい色を楽しみたい」というお客様が増えている印象です。
―― そうした市場の変化も、「DEEP LIFT」の開発につながったのですね。
盛:ただ、トレンド重視での開発はしていません。新色が出ることで他が置き換わることなく、既存ラインも含めた相乗効果が生まれてほしいんです。ブリーチをしなくても、鮮やかに、もっと自由に色を楽しめるようになれば、ヘアカラーを楽しめる方はさらに増えていくはずですよね。そうやってカラーの幅を広げることを目指しました。
より深く、濃く、美しく。ブリーチなしでも鮮やかさを引き出す
―― 「アジアンカラー フェス」には、「LIFT」や「PURE」「VIVID⁺」など、すでにいくつかのラインがあります。その中で「DEEP LIFT」はどのような位置づけになるのでしょうか?
盛:「PURE」と「VIVID⁺」はブリーチをベースにしたラインで、「LIFT」は髪を明るくしながら鮮やかに発色させるラインです。今回の「DEEP LIFT」は、その3種とは違った魅力があります。
「DEEP LIFT」では、ブリーチをしなくても色そのものを深く、濃く、美しく表現することに特化しました。暗めのトーンやトーンダウン履歴のある髪でも、色みをしっかり感じてもらえます。
―― 開発時に、特にこだわったところを教えてください。
盛:ブリーチなしで高彩度な色みを出すために、美容師さん側はこれまでも様々なアプローチを模索してきたかと思います。そこで今回は、「鮮やかな色」の表現に注力しました。
山本:以前なら細やかな薬剤選定やテクニックで補っていた部分も、「DEEP LIFT」なら単色でしっかり発色してくれますよね。ここまで色が出るのは「DEEP LIFT」の大きな魅力だと感じます。
盛:くすみの少ない高彩度な発色に加え、暗めのトーンでも色みがしっかり出て、深く濃い色を表現できることを目指しました。
「DEEP LIFT」単色で実現できる色数も増えて、美容師さん自身もお客様にも、今まで以上にカラーを楽しんでいただけます。
―― サロンワークにおいては、どんなメリットがありますか?
盛:まず大きいのは、パーマとの組み合わせがしやすいことですよね。ブリーチをしないことで、髪への負担を抑えて色持ちしやすくなりますし、パーマ施術とも組み合わせやすくなり、メニューの提案にも幅が出ます。お客様の満足度を上げる意味でも、大きなメリットにつながると思います。
濁り・くすみの少ない「DEEP LIFT」は、使いこなすほどに面白くなる
―― 「DEEP LIFT」を活用する上でのポイントを教えてください。
盛:個人的に「DEEP LIFT」は、カラーにこだわりたい玄人(くろうと)気質の美容師さんにも満足してもらえる薬剤になったと思っています。薬剤としての特長がしっかりあるからこそ、ぜひその特長を理解したうえで使ってもらいたいですね。
「DEEP LIFT」の大きな特長は、なんといっても濁りの少ない鮮やかな発色。鮮やかさに振り切った設計にしている分、くすみ感のあるカラー剤と同じ感覚で塗布すると、仕上がりにギャップを感じるかもしれません。
―― 「DEEP LIFT」ならではの発色を理解して施術する必要があるのですね。
盛:そうですね。その意味では、絶対に誰もが簡単に使いこなせるとは言い切れません。でも、「もっと色を表現したい」「マンネリ感を打破してカラーを楽しみたい」という美容師さんにとっては、自分の感性や技術を活かしつつ幅を広げられる、「使いこなすほど面白い」カラー剤だと思いますよ。
「ライムイエロー」と「ショコラブラウン」のおすすめポイント
―― お二人のおすすめのカラーを教えてください。
盛:どのカラーもおすすめしたいところですが、しいて挙げるならライムイエローです。イエロー系は、一般的には提案しづらい色というイメージがあるかもしれません。実際に退色して黄色っぽくなることを気にされるお客様も多いのですが、「DEEP LIFT」のライムイエローは違います。
赤みやオレンジみをほどよく抑えながら、やわらかく上品な色みに仕上がるので、僕はお客様には「キャメルベージュのような色ですよ」という表現で提案しています。ブリーチをしなくても彩度が表現され、これまで難しかった提案が可能になったことを一番体感できるカラーですね。
山本:僕は、ショコラブラウンを推したいですね。一見、落ち着いた色に見えますが、絶妙な温かみがあり、肌馴染みが良いんです。ダメージによって黄色っぽく退色した髪も自然に補整してくれるので、毛先のコントロールカラーとしても優秀。単なる「綺麗な色」ではなく、お客様の髪の悩みに応えながら、目指すカラーを実現できる。この自由度の高さが魅力です。
盛:彼が選んだショコラブラウンは、「DEEP LIFT」の幅広さを象徴する色だと思います。ライムイエローのように、新しいカラーに挑戦したい方はもちろん、ショコラブラウンのように、日常になじむ色の中で質感や色みを楽しみたい方にも提案できる。お客様ごとの「色の楽しみ方」に応えられるラインになりました。
派手な髪色じゃなくても、より自由になれる。「カラーを楽しむ人」を増やすために
―― どんなお客様や美容師さんに「DEEP LIFT」をおすすめしたいですか?
盛:シンプルに、もっと色を楽しみたい方ですね。「いつもと少し違う色に挑戦したい」「ブリーチはしたくないけれど、色みはしっかり楽しみたい」という方には、ぜひ提案していただきたいシリーズです。
山本:流行を問わず、落ち着いたブラウンは人気が高いですが、その中でも「自分らしさを表現したい」というニーズは確実にあります。先ほどお話しした「ショコラブラウン」などは、明るいカラーは難しいけれど色みを楽しみたいというお客様にも提案しやすいです。
―― 暗めのトーンでも、しっかりカラーを楽しんでいただけると。
山本:はい。高彩度で表現できるので、暗めのトーンでも色みがしっかり伝わります。「色を楽しむ」というと、どうしても派手なカラーをイメージされがちですが、「DEEP LIFT」なら日常になじむトーンの中で、自分らしい色を表現できる。多くの方に満足していただけると思います。
―― では最後に、「DEEP LIFT」発売後の展望を聞かせてください。
盛:「アジアンカラー フェス」は、もともと「色を楽しむ」ためのブランドとしてスタートしました。今回の「DEEP LIFT」の開発には、ブリーチなしでもカラーの楽しみ方をさらに広げられたらという思いで取り組みました。ただし、これが完成形だとは思っていません。まだまだ実現したいことはたくさんあるので、今後も積極的に構想を練っていきたいです。
また、ブリーチでのカラーは、直近10年ほどで一定の市民権を得たと思います。そこで次に目指すのは、「ブリーチをしなくても色を楽しめる」という考え方が当たり前になることです。
会社規定が暗めのカラーだとしても、暗めを守れば赤っぽかったり青っぽかったりしても良いよね、という風潮が広まればいいなと。そんな自由な色表現が増えれば、街を歩く人々の景色そのものが彩り豊かになっていくはず。「DEEP LIFT」が、そのきっかけになれたら嬉しいですね。

盛隆行Takayuki Mori
DaB AOYAMA ディレクター/マネージャー
1983年生まれ、埼玉県出身。2004年日本美容専門学校卒業後、DaBへ入社。サロンワークを中心にスタッフの育成、カラー技術の向上に努め、薬剤開発にも携わる。デザイン性の高いカラーのテクニックには定評があり、お客様からの信頼も厚い。一般誌、業界誌の撮影、また全国各地でのセミナーにて活躍中。
Instagram:@mori_takayuki_

山本旭晃Asahi Yamamoto
DaB AOYAMA ヘアデザイナー
高知県出身。国際文化理容美容専門学校国分寺校卒業。カラーやパーマをはじめとした幅広い施術を得意とし、カウンセリングを武器に一人ひとりに合わせたデザインを提案。SNSでも人気を集め、注目を高めている。
Instagram:@dab_asahi
(文/松本温美、取材・編集/A PRESS編集部、撮影/河合信幸)












