大人女性のヘアケア「コアミー」の新ライン「エラプシーク」、こだわったのは“ハリ”と“柔らかさ”の両立。「S. HAIR SALON」横井七恵さんと開発担当が語る開発秘話

Mar 14.2024
COLUMN・PRODUCTS

2024年4月、大人女性のヘアケアシリーズ「コアミー」に新ラインが仲間入り。エイジング毛特有の“うねり”にアプローチする「コアミー エラプシーク(以下、エラプシーク)」が発売されます。

開発にあたっては、複数のサロンにご協力いただき、美容師さんの生の声を反映していきました。そこで今回は、開発協力サロンの1つである「S. HAIR SALON(エス ヘアサロン)」のトップスタイリスト・横井七恵(よこい ななえ)さんと、開発担当のブランド戦略部・井出暁仁(いで あきひと)が対談。フィードバックの回を重ねるごとに進化していった開発の様子、製品の特長やこだわり、さらに使い方のポイントまで語りつくします。

大人女性の3人に1人が悩む“うねり”に、トリートメントでケアするという新提案

―― 今回、新たに登場する「エラプシーク」は、エイジングのお悩みの中でも“うねり”にアプローチするラインです。

井出「コアミー」はブランド全体としてエイジングケアに注力しています。大人女性の髪に対するお悩みはさまざまありますが、新ラインの開発にあたって、“うねり”に対するお悩みは多いのではないかと考えました。そこでアンケート調査を実施したところ、40代以上の女性の約4割がうねりに悩んでいることがわかったんです。人数にすると、約3人に1人が“うねり”のお悩みを抱えていることになります。

横井さん(以下敬称略)実際のサロンワークでも、エイジングによる“うねり”のお悩みは多いんですよ。また、「髪が広がる」「パサついて感じる」といったお悩みも、その原因は“うねり”にあることがよくあります。そういった人も含めると、“うねり”によるお悩みがある人は、もっと多いかもしれません。

―― そんなに大きなお悩みなんですね。

横井これまでは“うねり”のお悩みにはストレートパーマや酸性ストレートなどの施術で対処することが一般的でした。例えば、パサつきはトリートメントでケアし、うねりはストレートパーマで伸ばすといった組み合わせです。

大人女性世代は髪を短くされる方も多くなってきますが、少し伸びるとすぐ広がりやすく、ストレートパーマをしたとしても2ヶ月くらい経つと新生部のうねりがまた気になってきやすい。でも、だからといって毎回ストレートパーマをしていたら、どうしても髪への負担が出てしまう。いかにうねりを伸ばすかと、ダメージへの配慮のバランスが難しいところでした。

井出実際のアンケート調査では、「ドライヤーのかけ方で対処している」という方が大半。“うねり”のお悩みがある方の中でも、ストレートパーマを受けられている割合はかなり少ないという結果でした。横井さんのおっしゃるように、エイジングでのお悩みですからダメージを気にされたり、あとは施術の時間を気にされたりしている人もいるのかもしれません。

そこで、“うねり”に着目した新しい選択肢を、「コアミー」から提供したいと考え、「エラプシーク」の開発をスタートしました。

美容師視点の感覚的な意見を、理論的に処方に落とし込む。当初は苦戦も、回数を重ねてたどり着いた満足の処方

―― 今回の開発では複数の開発協力サロンの一つとして、「S. HAIR SALON」さんからは横井さんが中心となって試用とフィードバックをされたと伺っています。

井出「S. HAIR SALON」さんには、「コアミー」のブランド立ち上げ時から開発をサポートいただいてきました。その後追加されたラインの「フィナジー」や「リペアティブ」でも、ご協力いただいています。だから今回もぜひご協力いただきたいと、お声がけしました。

横井当サロンは30〜60代の大人女性が多く来店されます。大人女性のエイジングのお悩みにアプローチする「コアミー」はどのラインも使ってきていて、お客様からも評判が良いんですよ。だから、今回も「コアミー」から新たなラインが出ると聞いた時は楽しみに思いましたし、コンセプトが“うねり”へのアプローチだと伺って、「トリートメントでアプローチできるなら、すごく良いな」と期待が高まりました。

―― 開発はどのように進んだのでしょうか?

井出最初のサンプルが仕上がった2023年3月から約半年間で、試用いただいてフィードバックをいただく、そのフィードバックを受けてアップデートしたサンプルをつくり、また試用いただいて……を4回繰り返しました。4回目のフィードバックを受けて出来上がった5回目のサンプルが、実際の製品の元となる最終決定の処方です。

横井毎回、2週間ほどスタッフやお客様に試用させていただき、その感想やフィードバックを井出さんにお送りしていました。私は特に40〜50代のお客様に使わせていただいていましたが、他のスタッフは20代のお客様に使っている人もいたので、かなり幅広い層で試用して感じたことをお伝えできていたかなと思います。

井出横井さんのフィードバックは、非常に美容師さんとしての視点や感覚が強くて。触ったときや乾かしたときの“感覚”を言葉にされるんですよ。それこそ、美容師さんに試用いただく意味でもあるので、とてもありがたいこと。その感覚的なところを、どれだけ掬い上げて理論的にし、処方に落とし込んでいけるかが、私たち開発のプロフェッショナルの肝だと思って、フィードバックを受け取っていました。

横井おかげさまで、感覚的にお伝えしたことがだんだん反映されて、回を重ねるごとに一段ずつ理想に近づいていっているのを感じられました。継続して試用していたお客様からも、「前より良いわ」って言っていただけて。最終的な処方のものは特に、お客様からも「いつもと、違う!」と良い感想をいただけたんですよ。

井出本当に、最終的にそうやって喜んでいただける処方に辿り着けて良かったです……!

―― 最初の頃とは、かなり変わったのですか?

井出はい。フィードバックでは「ブラシを入れたときに、うねりがおさまりやすく感じるか」「ハンドブローでうねりがおさまりやすく感じるか」などいくつかの項目を設けて評価をいただいていたのですが、中盤までずっと10点満点中、6〜7点で……。

でも、それは横井さんも「出すなら、良いものを」と思ってくださっているからこそ。横井さんは、とても優しく感想を伝えてくださるんです。でも、良いものは良い、ダメなものはダメというのははっきりされている。だからこそ、しっかりフィードバックに応えたいと思いましたし、最終的に4回目で高評価をいただけたときは本当に安心して、うれしかったです。

横井それまでも十分良かったんですけど、これまでの「コアミー」への信頼があるから、もうちょっと欲しいなと期待が高くて……。4回目は、それまでとはおさまりの良さが全然違いました。トリートメントをしている段階で、手触りから「髪にちゃんとなじんでいる」という感覚があって。お客様にも最後にコームを通したときに違いを感じていただけていました。「これが欲しかった!」って、早く製品化されて使えるようになるのが楽しみになりましたね。その4回目をベースに作ってもらった5回目のサンプルが完成形になりました。

「エラプシーク」でうねりがおさまるようになると、カットがしやすくなり、スタイル提案の幅が広がります。また、うねりがおさまることで髪の面が整い、カラーもよりきれいに映えるようになるんですよ。

“うねり”をおさめるハリと、重くなりすぎない柔らかさの両立を追求

―― 特に開発で難しかったのは、どのような点でしたか?

井出ハリと柔らかさの両立が難しかったです。うねりを抑えるには、髪にハリを出す必要があります。一方で「コアミー」のポイントは、素髪感。根元はふんわり、毛先まとまるナチュラルな仕上がりは欠かせませんでした。そのためにはハリを出しながら、柔らかさも担保しないといけないのですが、この2要素って正反対の性質なんですよね。

横井ハリだけだと硬い印象になって、手触りもギシギシして引っかかる感じがしてしまうんです。その反面、柔らかさに注力すると今度はうねりのおさまりが甘かったりして。「芯がありながらしなやかな髪」という目指したい方向も共有できているのですが、いかにそれを実現するかは難しかったと思います。

―― ハリと柔らかさ、正反対の2要素の両立は、どのように実現したのでしょうか?

井出「コアミー」のサロンケアは4STEPなのですが、そのうち2番目に使う「Hショットチャージ」でハリ感を、4番目の「フィルマスク」でツルンとした手触り感と柔らかさのある仕上がりをつくるように設計しました。

横井この設計がわかりやすいので、フィードバックも伝えやすかったなと思います。アイテムの役割が決まっていることで、使っているときの調整もしやすいんですよ。

井出アリミノの開発チームと協力サロンの美容師さんとの間で、仕上がり感のイメージをしっかり共有して同じゴール地点を目指せていたからこそ、最後の最後には好評いただける処方が出来上がったと思います。そこが、今回の開発ですごく良かったですね。

―― 横井さんは、どのような点を特に重視してフィードバックされていましたか?

横井仕上がり感、特にハンドドライでどれくらいおさまりの良さを感じられるかを重視しました。お客様が日頃から良さを感じるには、やっぱりドライヤーをかけたときのおさまりが大切。そのドライヤーも、ご自宅では基本的にハンドドライをされる方が多いと思うので、ブラシやコームを使わず、ハンドドライでの仕上がりを見ていました。

井出開発にあたっても、やはり美容師さんやお客様がいつ良さを感じられるかという点は気にしていましたね。美容師さんがハンドブローをする際に、手触りで「あ、いつもよりおさまるな」と感じていただきたいと思っていました。お客様が「いつもと違う」と感じられるのも、横井さんがおっしゃった通り、やっぱりご自身で乾かすときですよね。

「エラプシーク」施術のコツは、水分量の調節。ホームケアはトリートメントを根元から馴染ませて

―― 「エラプシーク」を使う上で、より“うねり”をおさめられるようにするポイントはありますか?

横井サロンケアでは、水分量のバランスが大切になってきます。毛先をしっとりさせたいときは3番の後にしっかり水分をとってから、そこまで重たくしたくないときは少し水分を残した状態で4番を塗布するとコントロールしやすいです。

―― ホームケアには、ポイントはありますか?

横井シャンプーはしっかり泡立てて馴染ませるのがポイントです。特にうねりが気になる方は、シャンプー前に一度コーミングをしてから始めると良いですね。また、トリートメントはブラシを使って根元から全体に、前髪や襟足まで満遍なく馴染ませるのがおすすめです。

井出中には、根元が重たくならないようにと、トリートメントはダメージ度合いの高い毛先を中心につけるという方もいると思います。でも、「エラプシーク」の場合は“うねり”へのアプローチなので、髪全体にアプローチしたいため、根元から塗布するのが良いんですよ。それでも根元が潰れたり重たくなったりしすぎない仕上がりになっています。

―― うねりが気になっている方の中でも、「特にこんな方におすすめ」というのはありますか?

横井特にカウンセリングで「うねりが気になる」「自宅で乾かすとうまくいかない」といったお悩みを話される方にご提案しています。髪型はロングでもショートでも、どんなスタイルでもおすすめできますね。

また、ストレートパーマや酸性ストレートなど、クセやうねりを抑える目的で施術をしている方に、間のケアとして使っていただくのも、すごくおすすめです。クセをしっかり伸ばしたいという方でも、「毎回ストレートパーマや酸性ストレートをするとダメージが強くなるので、間に『エラプシーク』を挟むと良いと思いますよ」とご提案しています。

―― 既存の「コアミー」のライン、特にしっかりと髪を抑えてくれる「EX」とは、どのように使い分けたら良いでしょうか?

井出「EX」は保湿感で髪を抑えるイメージで、どちらかというと重さ感で髪をおさめている感じです。一方で「エラプシーク」は、重さはではなく、ハリと柔らかさでうねりをおさめるイメージです。なので、同じ「髪をおさめたい」でも、より潤い感でしっかり抑えたいのか、ふんわり自然にスルンとまとめたいのかという、仕上がり感の違いで使い分けてもらえたらと思います。

大人女性の悩みに応える「エラプシーク」で、サロンとお客様の信頼関係をより確かなものに

―― 最後に、「エラプシーク」をこれから使われるサロンさん・美容師さんへメッセージをお願いします。

井出うねりで悩んでいる方はたくさんいらっしゃると思うのですが、今までは美容師さんもお客様も、乾かし方だけでなんとかしようとされている方が多いと感じています。今回発売する「エラプシーク」は、そこに新しい選択肢を提供したいという思いで開発しました。ストレートパーマ、酸性ストレートと並べて、うねりの悩みに提案できる選択肢となればと思っています。ぜひ、一度使ってみていただきたい。そして、多くのうねりで悩んでいる方々にとって、「エラプシーク」がお悩み解消のお役に立てればと、強く願っています。

横井「コアミー」は既存のラインのファンも多く、お客様ご自身に違いを感じていただきやすいヘアケアブランドです。そこに「エラプシーク」が加わることで、さらに「コアミー」ブランドの良さを知っていただける機会が増えるなと思っています。

横井また、お客様との関係を構築するツールとしても、「エラプシーク」は役立つと思っています。新たにご提案したトリートメントで、お客様ご自身が良いと感じられれば、その体験がサロンやその美容師さんへの信頼につながります。さらにそれで髪の状態が扱いやすくなれば、スタイルなどでも新たに提案できることが増え、またそれが信頼関係を強めてくれる。そうやって信頼関係が構築されていけば、より美容師の視点からお客様をきれいにしていく選択肢も増えていきますよね。

今、「エラプシーク」を試用してきたお客様からは、「早く発売してほしい」「発売したらホームケアも買うね」というお声をよくいただいているんですよ。実際の発売が、本当に楽しみです。

Profile
S. HAIR SALON トップスタイリスト 横井 七恵

横井 七恵NANAE YOKOI

S. HAIR SALON トップスタイリスト

富山県出身。名古屋美容専門学校卒業後、2010年にS. HAIR SALON入社。ナチュラルで女性らしいスタイルを得意とする。一人ひとりのライフスタイルに寄り添った提案を心がけている。

Instagram:@nanae18

「S. HAIR SALON」サロン情報

ゆったりとした心地よい日差しが差し込む南青山の路地裏サロン。お客様一人ひとりの髪質を丁寧に見極め、ナチュラルでありながらどこか目を惹くスタイルを実現する。また、ファッション、ライフスタイル、素材に応じた様々な髪のご要望にお答えし、hair styleを通じてお客様の毎日が楽しくなるような新たな日々をご提供している。

店舗数 2店舗
従業員数 12名
サロンコンセプト hair styleから広がる新しい日々の暮らし
サロンターゲット 30〜60代の大人女性

「S. HAIR SALON 東京店」 店舗情報

所在地:
〒107-0062
東京都港区南青山5-4-3 南青山イズミビル2F

Webサイト:https://s-tokyo.net/
Instagram:@s.hairsalon

(取材・文/A PRESS編集部、撮影/河合信幸)

この記事で紹介した商品
コアミー

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髪を芯から強く*。ずっとヘアデザインを楽しんでいける大人女性のヘアケア。

* 補修・保湿による
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