オーガニック美容家・吉川千明氏が語る「シコン」の魅力と、新生「スプリナージュ モイストヴェール」の可能性とは?

Jul 27.2023
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「肌にいいものは、髪にもいい。」をコンセプトに、スキンケア発想で展開するヘアケアブランド『スプリナージュ』。2013年のデビュー、2019年のリニューアルを経て今夏さらに進化します。リニューアルを記念して、2023年5月にプレス向け発表会を開催しました。

今回のリニューアルで新たにラインアップに加わった「スプリナージュ モイストヴェール」では、美容成分「シコン」が採用されました。美容成分「シコン」は、古くから人間を助けてきた天然由来成分。発表会では、「シコン」の魅力に以前より注目していたという美容家で、オーガニックコスメと植物美容を日本で広めたナチュラルビューティの第一人者である吉川千明さんをお迎えしたトークイベントのコーナーを設けました。アリミノからは「モイストヴェール」開発担当の、研究開発部 西垣祥子(にしがき しょうこ)と商品開発部 津田真希(つだ まき)が登壇しました。シコンの歴史やそのパワー、さらにシコンを配合した新シリーズ「スプリナージュ モイストヴェール」の特長など、盛りだくさんだった内容をお届けします。

古来より肌に良いとされていた「シコン」。鮮やかな色は染め物でも親しまれていた

トークイベントの前半では、吉川さんが「シコン」について、由来や魅力を紹介くださりました。

吉川さんと「シコン」の出会いは、中学生の頃にさかのぼります。当時、ひどい手荒れに悩んでいたという吉川さん。さまざまなケアを試す中で「シコン」を知ったそうです。

「『シコン』は『ムラサキ』という植物の根のこと。『紫根』と書いて『シコン』です。そのエキスには、肌の潤いバランスを整えながらバリア機能をサポートするなど、皮膚保護の働きがあります。元となる『ムラサキ』と言う植物は、分類上『ボラギナーゼ』という科に属し、古くから肌に良い成分として知られていたんですよ」(吉川さん)

当日展示していた「紫根」(中央)とその説明パネル

さらに、その鮮やかな色みも、日本では古くから親しまれてきたと吉川さんは語ります。

「『紫根』というだけあって美しい紫色をしているんですよ。紫という色は、古代の日本ではもっとも高貴な色として天皇など特別な人だけがまとえる色でした。その紫を染めるのに紫根が使われてきたのです。『江戸紫』と呼ばれるような濃い紫に染め上がるんですよ。『紫根染め』として親しまれてきました」(吉川さん)

古くから親しまれてきたシコンですが、一方で元となる植物「ムラサキ」は今では絶滅危惧種です。

「ムラサキは、以前は日本でも山奥で自生していた植物。でも、今ではレッドリストに載っていて天然ではほとんどない、とても貴重な植物なんですよ」(吉川さん)

アリミノがシコンに注目した理由は? 「モイストヴェール」開発の裏側に吉川さんが迫る!

後半は、アリミノが「シコン」に着目した理由や、「モイストヴェール」の開発について、3者でのトークとなりました。

「色のある天然成分」として、「シコン」の美しいピンクに着目

吉川さん(以下敬称略)新しく出る「スプリナージュ モイストヴェール」には美容成分「シコン(ムラサキ根エキス)」が配合されていますよね。まず、なぜアリミノさんではシコンに注目するようになったのでしょうか?

西垣弊社では以前から“色のある天然成分”に着目し、研究を重ねてきました。 “色”はそれ自体が持つ美しさで、情緒的な価値を創出できるというのが、理由の一つ。さらに例えばトマトに含まれるリコピンや、ブルーベリーの成分として有名なアントシアニンなど、天然色素の中には健康食品などに使われているものも存在しています。それらをヒントに探求を続けていたところ、この美しいピンク色の天然成分、シコンに出合いました。

吉川まずは色に着目したんですね。確かに色には精神面でさまざまな作用があると言われています。ところで、先ほど話したようにシコンは染め物では濃い紫になりますが、こちらはピンクですね。

当日会場に展示していたシコンから抽出されるピンクの色み

西垣そうなんです。研究の中で、シコンはphによって色が変化することが分かりました。化粧品に適する弱酸性の場合はピンク、アルカリ性が強くなるほど紫が濃くなっていくんです。

吉川それはおもしろい発見ですね。私もさまざまな化粧品やヘアケア製品を使ってきていますが、天然色素は、時間が経つと色褪せていきやすいなどの難しさがあると思うのですが……。

西垣はい、まさにそこが苦労した点でもありました。でも、製品開発にあたってこのきれいなピンクを生かすというのは、絶対に外せない条件でした。天然色素というのは変色や退色が起こりやすく、それを安定化させるために、かなり時間を費やしました。……どうやって安定化させたかは、ヒミツです。

吉川色素についてかなり研究されたということですが、それ以外にも発見があったそうですね。

西垣はい。古来から肌に良いと親しまれてきたムラサキ根ですが、私たちの研究でも改めて、その美容成分シコンは肌の潤いバランスを整えてバリア機能をサポートしてくれることが分かりました。肌の健やかな環境を整える。その手助けをしてくれるのがシコンなんです。

吉川研究で改めて見えるというのは、大切ですよね。

西垣さらに髪に関しては、シコンに高い吸着性があることも分かりました。

吉川髪への吸着性?

西垣はい。シコンは、毛髪にびっしりと密着する特性があるんです。この特性をシャンプー・トリートメントに生かせば、しっかり洗い上げた後に美容成分のシコンが髪に密着するので、ダメージケアにつながると考えています。実はこの吸着性については、シコンが染め物に使われていることにヒントを得て検証しました。

吉川しっかり色が入ることから仮説を立てられたんですね、素晴らしいです。化粧品にいくら良い成分が入っていても流れ落ちてしまったら意味がないので、しっかり吸着するというのは大事なことなんですね。

調査で見えた女性のニーズ。約7割が肌にお悩みを抱えながら、シャンプーに求めるのは「洗い上がり」

吉川ここまでシコンについてさまざまお話をしてきましたが、今回の「モイストヴェール」開発にあたって、特に気をつけた点はありますか?

津田製品開発にあたり大規模なアンケート調査など、さまざまな調査や検証を行いました。その中で「頭皮悩みやトラブルを感じますか?」という質問をしたところ、約7割の女性が「はい」と回答されたんです。

20〜60代の女性511名へのインターネット調査の結果(調査期間:2022年5月16日〜17日)

津田一方で、「シャンプー・トリートメントを選ぶときに何を重視しますか?」という質問には、最も多い回答が「仕上がりの美しさ」だったんです。その次が「香り」、さらにその次が「成分」でした。

吉川それは興味深い結果ですね。「頭皮のトラブル」の捉え方は人それぞれですが、そこまで多くの人が頭皮の状態に悩んでいる。でもその人たちが重視しているのが「仕上がり」ということが、女心を表していると思います。

頭皮のトラブルを感じている方の多さにもつながると思うのですが、女性は毎月の月経前後や妊娠・出産によって、ホルモンバランスが変化しやすい。それによって、地肌の環境も揺らぎやすくなります。

津田私自身も妊娠出産を経て製品開発に関わっていますが、髪や肌が不調だなと感じることがあります。それでもできるだけきれいな仕上がりを求めてしまうんです。だからこそ、そういうアイテムがあったらいいなと思って開発に取り組んでいます。

津田吉川さんは長く美容に関わっていらっしゃいますが、「モイストヴェール」は特にどのような方におすすめだと思われますか?

吉川私は女性ホルモンに関する本を書いたり、更年期について発信したりしているのですが、女性ホルモンって肌や髪にダイレクトに影響を与えています。40歳を過ぎたあたりから急激に減少していき、そのため肌や髪の状態も不安定になりがち。地肌の状態が良くない方も多くいらっしゃいます。でも、白髪が気になってしまい、十分に地肌環境を整える前にカラーを繰り返し、ダメージが蓄積していく……という悪循環が見受けられます。

今までは、そういった地肌のダメージをしっかりケアしてくれるアイテムと、髪の艶感や質感が美しい仕上がりを追求するアイテムは、別々だったと思うんです。だけど、先ほど津田さんもおっしゃっていましたけれど、ダメージケアしたいときほど、きれいになりたいと思っているものじゃないですか。

「モイストヴェール」は、ケアをしながらも美しくなれる。普段は違うものを使っていても「今は状態が悪いな」というときに、差し替えて使えるアイテムがあるというのはうれしいですし、心の余裕にもつながると思います。

津田ありがとうございます。吉川さんにも「モイストヴェール」を実際に使っていただきましたが、いかがでしたか?

吉川そうそう、今日もスタイリングの仕上げには「モイストヴェール」のバームを使っているんですよ。今はシャンプー、トリートメント、ミスト、バームの4アイテムをすべて使っています。

吉川シャンプーは「シコン」配合の透明感あるピンクの色みで、泡立ちが良い。トリートメントはすごくしっとりして、でも髪をカバーしすぎるような圧迫感はないんです。使用感・仕上がり感ともに良いなと感じました。

ミストは、私はトリートメント後にお風呂場でかけちゃうんですよ。香りを振りかけるような感じで。それから、ドライヤーをかける前にもう一回使っているんですけど、化粧水として顔まで使っています。バームは使った後に洗い流さずそのまま手に塗り込めるという点が、すごくうれしいことだなと思います。

あとは、香りがみんなが好きになるような優しくてすっきりした匂いで気持ちいいですし、やっぱり色がピンクというのも良いですよね。既存ラインの「パフスムース」「ジェントルモイスト」のオレンジ色はまさに元気を出すビタミンカラーですけれど、今回探していただいたピンクというのは、女性にとって気持ちがポッと温かくなるような色ですよね。

津田ありがとうございます。

吉川女性はもちろんですが、男性でもお子さまでも近年はストレスの多い環境ですし、肌が敏感な方も、地肌や毛髪にダメージのある方も多いと思うんです。だから、家族で使うのにもぴったりだと思います。

もう一つ、絶滅危惧種に指定されて野生では減ってしまっている「ムラサキ」が、こうして信頼できる商品に活用されることで栽培され、その魅力が広まるのも、とても意義のあることだなって思います。その中で、歴史や文化も保存していくことができるんですよ。

そして最後に、ケアと仕上がりのどちらも求められる「モイストヴェール」のような製品が、美容師さんを通して全国どこでも手に入るというのも大切なポイントだと思います。

吉川やっぱり日本って広いじゃないですか。都会では手に入るけれど地方では手に入らないというものも少なくありません。でも、アリミノさんは全国の美容師さんをサポートされていますから、美容室専売品であることでどのエリアでも美容師さんを通して手に入る。それが、本当に良いことだなって思いました。

Profile
 吉川千明

吉川千明Chiaki Yoshikawa

1990年代より、オーガニックコスメと植物美容を日本に広げたナチュラルビューティの第一人者。2000年、産婦人科医対馬ルリ子先生との出会いを機に、「女性の健康啓発」に関わる。2002年から始めた「女性ホルモン塾」は20年間で通算160回を数える。2020年9月に『「閉経」のホントがわかる本』(集英社)を刊行。

公式サイト:https://chiakiyoshikawa.com/

この記事で紹介した商品
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