スリムバランサーで「髪質改善」を地域でいち早く導入、ターゲット層の新規顧客獲得につながった―Wiz
お客さまの「酸熱トリートメント」への認知が高いことから、スリムバランサーを導入した「Wiz(ウィズ)」。千葉県内に18店舗を展開するグループです。2019年10月からスリムバランサーを「髪質改善エステ」として地域でいち早く取り入れたことで、サロンのターゲットでもある「髪に価値を感じる方」を新規顧客に取り込むことにつながりました。
「Wiz 成田公津の杜店」店長の佐谷直樹(さや なおき)さんに、スリムバランサー導入の経緯や目的とその成果。さらに、15店舗で同時にサービス提供をスタートさせたにも関わらず、スムーズに導入できた理由を伺いました。
店舗展開数 | 千葉県内に18店舗 |
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従業員数 | 170名(成田公津の杜店 15名) |
サロンコンセプト | 髪に価値を感じる人に支持されるサロン |
サロンターゲット | 地域に住まいの幅広い層 |
スリムバランサー導入年月 | 2019年10月 |
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施術実施率 | 3〜4%(導入当初キャンペーン時は10%) |
実施メニュー名 | 髪質改善トリートメント |
価格 | 11,000円(ショート)/12,000円(ミディアム)/13,000円(ロング)、初回20%OFF/1ヶ月以内のリピートで10%OFF |
導入前の課題 | 市場では酸熱トリートメントの重要性が高まっていたが、サービス提供できていなかった |
導入きっかけ | 酸熱トリートメントへの関心の高さを感じたため |
メニュー施術ターゲット | 加齢による細毛のような髪質の方/メンズ |
サロンについて:幅広い層に「地域で1番」と思ってもらえる店舗づくりを
当グループは1998年の創立以来、2011年までに4店舗をオープンさせると、その後は1年に1〜2店舗のペースで拡大を続けてきました。現在は千葉県内に18店舗(うち3店舗はカラー専門店)を展開し、従業員は170名の規模です。
代表の歌代陵(うたしろ りょう)は、常に時代の流れを観察し、技術、サービスなどすべてにおいて「地域で1番」と思ってもらえる店舗づくりを目指してきました。
お客さまが髪に求めるものは時代によって変わってきますし、地域の方々にご家族でご利用いただくなど顧客層も幅広いので、特定の年齢や性別のターゲットやコンセプトはあえて掲げていません。
ただ、一貫して常に大切に考えていることがあります。「ご自身の髪に価値を感じていらっしゃる人に向けて、それに見合う技術やサービスを提供していく」ということです。施術メニューも、髪に価値を置く方々のニーズに応えられるよう、常に変化させ向上させていこうと心がけています。
導入の経緯:地域でいち早く提供しようと検討、「製品の仕上がり」と「シンプルさ」が決め手に
近年、お客さまのニーズとしてヘアケアの関心が高まっていることから、ケアメニューの充実を図ろうとリサーチを重ねる中で注目したのが「酸熱トリートメント」です。
2018年頃から集客サイトの検索ワードで「酸熱トリートメント」や「髪質改善」というキーワードをしばしば見かけるようになったんです。その認知度の高さにお客さまのほうが私たちより「酸熱トリートメント 」に詳しくなっていっているのではと、ある種の危機感を抱きました。実際にサロンワークでお客さまから聞かれたり話題に上がったりすることはありませんでしたが、ネットでこれだけ広がっているということは、今後ニーズが広がるのは間違いないと思いました。
髪に価値を置く方々に、それに見合う技術とサービスを届けることを信念にしている私たちとしては、「これはグループとして地域でいち早く『酸熱トリートメント』を取り入れよう」と。そうすることで既存のお客さまへ価値を提供するだけでなく、私たちのグループと親和性の高いお客さまをさらに新規で取り込めると考えたんです。
そこで、2019年の春頃からさまざまなメーカーの商材を取り寄せ始めました。その時点で10社ほどは販売されていたでしょうか。このとき、アリミノからも酸熱トリートメントが出る予定だと聞き、サンプルを試したのがスリムバランサーです。
各社の特長を比較している中でネックに感じたのは、プロセスの多さと時間がかかること。一方、スリムバランサーは塗布後に加温不要など、プロセスがとてもシンプルで、時間も全工程を通して1時間弱と比較的クイックに行えました。それでいて仕上がりもよく、綺麗にツヤが出ます。この「製品の仕上がり」と「プロセスのシンプルさ」が、スリムバランサー導入の決め手になりました。
導入時の工夫:マニュアル作成、ロールプレイングも重ねてスタッフが納得できるように
導入にあたり、まずはカラー専門店をのぞくグループ15店舗で同じようにメニュー展開できるよう、メソッドの確立とマニュアルの作成から始めました。
酸熱トリートメントは、従来のトリートメントとも縮毛矯正とも違う、まったく新しいカテゴリーだと感じていました。そのことをスタッフにきちんと伝えきらないと、導入してもなかなか現場に定着しません。だからこそ、スタッフにいかに理解してもらうかにまずは注力しました。
施術のプロセスや、どのような仕組みで髪質改善していくのか、さらにそれをお客さまにどう伝えればよいのか。それらを網羅したチェックシートを作成し、各店長へ配布しました。そこから各スタッフへ指導、さらに実際にお客さまへどのように説明するかなど接客全体を含めたロールプレイングを重ねることで、すべての店で同じクオリティの展開ができるようにしていきました。
技術だけで言えば、お客さまへ提供できるレベルになるまで1週間もかからないと思います。それぐらいに、スリムバランサーは工程がシンプルで使いやすいんです。でも、その効果を実感し納得した上で、お客さまへ心からおすすめしたり、説明できなければ意味がありません。
だから、スタッフへの最初の説明からお客さまに提供していいと認定するまでに、1ヶ月はかけました。スタッフ一人ひとりが納得するのにゆっくり時間をかけるというのもありますが、スリムバランサーはその効果の保ちや自宅でのシャンプー後の様子も体感しないとその真価に気がつけないので、その意味でも1ヶ月は必要だったと思います。
実際、最初はスタッフも半信半疑で「本当に髪質が改善されるのか」と疑問に思っていた人もいました。ところが自分たちがモニターをすることでその実力を実感できたのでしょう。「これはお客さまにも心からおすすめできる!」とみんなの熱意が徐々に熱を帯びてきたのを感じました。
お客さまへの提案のコツ:仕上がりやワクワク感を伝える
メニューとして店舗で導入するときは、メカニズムなどの難しい話よりも、仕上がりのよさや扱いやすさなどのメリットをお客さまへ視覚的にお伝えすることを重視しました。
例えば店内POPでは、施術前後の写真を使い「輝くツヤ!」「楽にまとまる!」といった文言でワクワクするような期待感を出したり、繰り返し施術による効果などをお伝えするようにしています。
POPは2種類用意しました。「髪質改善エステメニュー」の概要を説明したものと、長期継続の効果をお伝えしたものです。早めに継続して使用することの効果をお伝えすることで、リピートの動機をしっかり作る目的があります。
また、縮毛矯正やストレートパーマをしていたお客さまに向けては、各メニューの特徴の違いをわかりやすくお伝えするようにしています。お悩みが深いお客さまたちですから、「髪質改善エステ」にもすぐに関心を持ってくださいますが、だからこそ適切にお伝えしないと期待と結果がズレてしまう可能性もあります。「クセを伸ばす」のか「まとまりがよくなる」のか。その辺りの表現は繊細なので、説明の際は誤解のないよう気をつけています。
店頭以外では、ホームページやSNS、集客サイトにビフォーアフターの写真を掲載しました。「髪質改善+地名」で検索上位になるように更新頻度にも気を配って、常に新しいものを見せるようにしています。しっかりweb上で打ち出していること、そして定期的に更新されていることは、サイトをご覧になったお客さまにとって信頼や来店の決め手になり得ると考えています。
実際に施術されたお客さまは、みなさまその仕上がりとツヤに感動されます。さらにご自宅でシャワーされる際も変化を感じていただいているようで、リピートされる方では「髪を濡らしたときの手触りが全然違う」と話してくださることもありますよ。
導入の成果:顧客ターゲットに重なる新規顧客を獲得、お客さまとの継続的な信頼関係構築にも
2019年10月のメニュースタート時はキャンペーンを仕掛けたこともあり、10%程度の施術率という好調なスタートを切りました。現在は3〜4%、人数に換算すると1,700〜1,800名というところでしょうか。
特に世代を絞ってアプローチはしていないのですが、40代の女性のお客さまが1番多いですね。加齢による細毛のような髪質はスリムバランサーの効果が出やすくもあるので、僕たちからもおすすめすることが多いです。実際、この世代は特にリピート率も高い印象があります。
また、男性のお客さまのご利用もありますよ。メンズヘアはクセなどが気になる場合も、縮毛矯正やストレートパーマだとストンと落ちすぎてしまうので、扱いが難しい面があります。それがスリムバランサーだとストレートほどまっすぐにならずにクセやボリュームを抑えてくれるので、個人的にはメンズにもおすすめのメニューだと感じています。
スリムバランサーの導入によって、当初の狙い通り新規のお客さまも増えました。例えばカットやカラーは他のサロンでしているけど、このメニューのためだけに来店される方など、従来にはあまりいなかった層を取り込めたのも驚きでしたね。まだこの地域では「髪質改善」を打ち出しているサロンは多くない一方で、それだけのニーズがあったということです。「髪質改善」というキーワードの持つパワーをひしひしと感じると同時に、地域でいち早く取り入れて正解だったと感じています。
売上面では、発売当初は全体の単価が約1.5倍になりました。それに伴い指名売上のアベレージがアップ。これがスタッフのモチベーション向上にかなりの効果をもたらしました。また、短期的に指名や売上が上がる以上に、リピート率の高いメニューなので継続的にお客さまとの信頼関係を深めていけることが、スタッフにとってもサロン全体にとっても嬉しいことです。
しかも「髪質改善エステ」に魅力を感じるお客さまは、我々が理想とする「髪の価値を感じている人」というターゲットに合致しているので、中長期的に見ても大きなメリットがあると思っています。
今後の展望:ケアを重視し「綺麗な髪になりたい」というお客さまのニーズに応えていく
今後の目標というのは時勢もありますし、明確な数字で示したりはしていないのですが、新規の方もリピーターも取れるメニューとして「髪質改善エステ」をしっかり定着させていきたいですね。
昔に比べ「綺麗な髪になりたい」というお客さまのニーズは確実に増えています。そして今、スリムバランサーのように、それが可能な技術がある。今後もスリムバランサー活用を継続しながら、ダメージレスな施術やケアを重視していきます。
そして、常に時代の変化を捉えて、お客さまが満足していただける施術やサービスを提供していくこと。「髪に価値を感じている」お客さまは、しっかりとその期待に応えられるものを提供すれば、継続的な関係が築けます。そうして信頼関係を育んでいくことは、地域に根ざしている私たちにとって、最も大切なことかもしれません。
佐谷直樹NAOKI SAYA
Wiz 成田公津の杜店 店長
1985年生まれ、千葉県出身。パリ総合美容専門学校卒業後、2015年Wizへ入社。2017年より「Wiz 成田公津の杜店」店長となる。サロンワークではカウンセリングに力を入れ、旬なトレンドを取り入れながら一人ひとりの魅力を最大限に引き出している。