スリムバランサーで客単価が1,000円アップ! シンプル・時短でスタッフも休憩がしっかり取れるように―in’dex hair 錦糸町
2019年8月からスリムバランサーを試用し、発売開始の10月からお客さまへ提供している「in’dex hair 錦糸町」。年末にはスリムバランサーを軸にした福袋を実施するなど、店舗としてスリムバランサーを使用したメニューを押し出しています。その結果、女性客の約30%がメニューを受けるように。さらに、売上がアップしただけでなく、スタッフの働く環境も改善されました。
「in’dex hair 錦糸町」ゼネラルマネージャーの別府大輔(べっぷ だいすけ)さんに、スリムバランサー導入の経緯とその成果を伺いました。
店舗展開数 | 都内に3店舗 |
---|---|
従業員数 | 16名 |
サロンコンセプト | 「人が幸せを感じる瞬間を探求する」 |
サロンターゲット | 近隣の一般家庭で美容意識高めの層(女性) |
スリムバランサー導入年月 | 2019年10月 |
---|---|
施術実施率 | 30%(店舗全体)49%(別府様個人) |
実施メニュー名 | 髪質改善トリートメント |
価格 | 8,000円 |
導入前の課題 | お店の売りとなるメニューがなかったため |
導入きっかけ | 他社の酸熱トリートメントを使用していたがスリムバランサーはプロセスがシンプルで、時短が可能だったため |
メニュー施術ターゲット | 女性のお客さますべて |
サロンについて: 創業1年で3店舗展開。下町エリアの近隣住民に寄り添うサロン
当社は2019年1月にオーナー含む9名で「in’dex hair 錦糸町」「DAISY in’dex hair」の2店舗からスタートしました。2020年7月に3店舗目となる「in’dex hair soar」をオープンさせたばかりです。
2020年7月現在の従業員数は16名。錦糸町近辺のいわゆる下町エリアに展開しています。近年はタワーマンションなども増え、人口も多くなってきた地域。お客さまは近隣にお住まいの方が多いです。特に2020年の春からは都心のサロンに通っていた方が多く来店されるようになりました。男女比は店舗によって異なりますが、「in’dex hair 錦糸町」だと4:6で女性が少し多いくらいです。
スリムバランサーは「髪質改善トリートメント」というメニュー名で、1回8,000円にしています。近隣にお住まいの一般的なご家庭で比較的美容への意識が高い方が、月1回程度通えるように意識した価格設定です。
サロンのコンセプトは「人が幸せを感じる瞬間を探求する」。幸せの価値は100人いれば100通りあります。そのすべてにおいて、我々が美容師・サロンとしてできることを探求していきたいという想いを込めています。
導入の経緯:お店の「差別化」作りに酸熱トリートメント導入を検討
オープン直後は人員が不足しており、それによる売上の限界を感じていました。また、スタイリストそれぞれの得意分野はあるものの、お店全体としての「これが売り」という強み・特徴が少なく、何か1つ欲しいなと考えていました。
そこで注目したのが、当時SNSで話題になっていた酸熱トリートメントです。化粧品なので誤って頭皮についてしまっても大きな問題はないし、カットなどをする必要はなく基本的には塗布するだけであることなどから、アシスタントでも施術できると考えました。
早速2019年の春から既発の他社製品を導入し「髪質改善トリートメントメニュー」を打ち出しました。5月には施術率は女性客の16%まで達するなど、まずまずの成果が出ました。当時使っていた酸熱トリートメントは加温が必須だったので、ローラーボールの買い足しを検討していたほどです。
そんな折にアリミノからも酸熱トリートメントが出ると聞き、8月頃にスリムバランサーのサンプルを試したんです。まず驚いたのが、残臭と褪色が少ないこと。以前に使用していた商材のときは、「においがきつい」と言っていたお客さまもいましたが、スリムバランサーを導入してからはそういった声を聞かなくなりました。
また、施術工程がシンプルで、パターンが「初めての人用」「リピーター用」の2種類あることも大きかったです。シチュエーションに合わせて2つ用意されていることで、アシスタントでも迷わずにどちらを使えばいいのか選択できるんですよ。
この2点が導入の決め手になり、10月の発売と同時にスリムバランサーに切り替えました。
導入時の工夫:トリートメントの放置をシンプルなプロセスに変えてみたら…
導入前にはサンプルで試用を繰り返しました。当初のスタッフの反応は賛否が半々といったところで「これまで使ってきたもののほうがツヤ感や手触りが優れている」という意見もありました。
でもそれは、我々の使い方に問題があったのです。
それまでの施術に自信があった私たちは、実は最初、マニュアルを独自にアレンジしてしまっていたんです。結果が思わしくなく「他社のものほどツヤが出せない」と営業の方に相談したところ、スリムバランサー研究責任者が自らサロンまでいらして、スリムバランサーに適した施術方法をその理由とともに的確に説明してくださいました。その日のうちにマニュアル通りに試してみたら、ツヤが段違いにアップ。今までやってきたことはなんだったんだと思いましたね(苦笑)。
スリムバランサーの施術方法で特徴的なのは、加温不要であることです。ローラーボールを買い足さなくて良かっただけでなく、お客さまにとっても大きなメリットです。
従来はローラーボールの最高温度で20分も温めていたので、お客さまは汗だく。汗で流れないようにタオルをターバンのように巻いてブロックしたり、加温途中で耐えられなくなってクロスを外す方が続出するなど、かなりの負担を強いていました。我々も「美しくなるためなので、我慢してくださいね」などと言っていました。
一方、スリムバランサーに移行してからはそのストレスが常温放置なので0。最初は、以前から髪質改善トリートメントを利用いただいていたお客さまから「今日は熱くないけど、大丈夫?」と逆に心配されることもありましたが、それでいて仕上がりは満足できるのですから、リピーターが増えるのもごく自然なことです。
お客さまへの提案のコツ:「施術前・施術後・シャワー後」の写真を見せて効果を説明
今ではスリムバランサーを基本的にすべてのお客さまに「一度試してみませんか?」とおすすめしています。特にこちらからアプローチすることが多いのは、自身の髪質に対して諦めの感情を持っていらっしゃる30代以上の方。「私の髪はこんなだから、おろせない」と思っている方には「すごく変わりますよ」と、その方に近い髪質の事例をお見せしながら提案します。
事例は広がる毛質、癖毛、カラーをしている人など複数のパターンを用意。全スタッフがスマホに「スリムバランサーフォルダ」を作って、施術前、施術後、また施術完了から1度シャンプーをした後の写真をスライドで比較できるようにしています。最初は「トリートメントで8,000円?」と少し高いという印象を抱かれていた方も、変化が一目瞭然の比較写真を見ると、ご納得してご自身からメニューを選択していただけるケースが多いですね。
また、SNSなどを見て積極的に受けにいらっしゃるのは大学生などの若い方が多いです。おしゃれにブリーチなどをしたいけど、どうしても髪にダメージを与えてしまう。でも髪はサラサラでいたいというタイプですね。そんな矛盾した望みもスリムバランサーは叶えてくれるので嬉しいですね。
施術後にはほとんどのお客さまが喜びを超えて「え? 本当にこれが私の髪!?」と驚かれます。
とはいえ、髪質によってはスリムバランサーの効果が見えづらいタイプもあります。太くてキューティクルが厚い髪や捻転毛の人には違う施術をおすすめすることもありますし、「とにかくクセを真っ直ぐにしたい」という場合は縮毛矯正やストレートパーマが適しています。それらは髪質とお客さまのご要望を見て、その都度判断するようにしていますね。
また、毛量が少なくてこれ以上ボリュームを減らしたくないという方の場合、縮毛矯正などに比べるとふんわりした仕上がりとはいえ、スリムバランサーも多少はボリュームが落ちつくため、その点の説明は必要です。できるだけ一度スリムバランサーを試してもらってから、継続するかどうか判断してもらうようにしています。
導入の成果:単価が約1,000円アップ、時短でスタッフの休憩時間も確保
スリムバランサーに移行してからのメニュー施術率は30%を超えました。これはサロン全体の数字なので、女性客に限定したらもっと高いと思います。また私個人のお客さまでは49%、つまり半数近くが選ぶ大人気メニューになりました。
これまでは縮毛矯正をかけていた方がスリムバランサーに移行したケースも多いですよ。縮毛矯正の割合は全体の約10%から約1%になりました。縮毛矯正やストレートパーマはクセがしっかり伸びる反面、トップボリュームがペタンとしてしまいます。これまで縮毛矯正を選択されていた方の中には「ストンと直毛にしたいわけではなく、適度なまとまりが欲しい」という方も多くいました。スリムバランサーだとその痒いところに手が届くんです。
売上は、平均単価が4月の6,685円から12月は7,343円と、約1,000円アップ。また、施術時間もカットと合わせて約1時間と縮毛矯正などと比べると圧倒的に短く、余裕をもった予約時間の設定ができるようになりました。これはサロンにとって嬉しいだけでなく、お客さまにとっても便利ですよね。
さらに、これまで塗布後は数分に一度経過を確認する必要などがありましたが、スリムバランサーは何も触らずに常温で約15分置いておけばいいので、その間に別の作業もできます。こういった時間の短縮と工程のシンプルさから、出勤スタッフ全員が営業中に1時間の休憩をしっかり取れるようになったのも大きなメリットだと感じています。
2019年末にはスリムバランサーを軸にした福袋を企画しました。スリムバランサー3,000円引きチケット3回分とホームケア2商品、さらに好きなスタイリング剤1商品をセットにして10,000円で販売したところ、280個も売れました。これにより、従来であれば売上が落ち込む1月の収益を確保できたほか、1年の有効期限を待たずに来店を重ねるお客さまも増加。スリムバランサーは回数を重ねるほどに効果を感じられるので、チケットを使い切ってからもリピートくださる方が多いです。中には「来年は2つ買うわ」とおっしゃる方もいるほど好評でした。
リピート率の高さは言うまでもないのですが、SNSでの盛り上がりもあり、新規のお客さまも途切れることなくいらっしゃいます。お店が盛り上がるということは、求人のしやすさにもつながりますよね。設立2年目でスタッフ数16名まできたのもスリムバランサーのおかげです。
今後の展望:他メニューとの掛け合わせで選択肢を充実、スリムバランサーでお客さまとの信頼関係を築く
今では他店の美容師さんが試しに来店されたり、業界で有名な美容師さんからSNSのDMで「どうしたら、こんなにツヤの出る施術ができるのか」と質問されたりと、思いもよらないことまで起きて、スリムバランサーの注目度の高さを改めて実感しています。
一方、技術面では導入した当初は誰でもできるメニューとして考えていたのですが、こだわり始めると奥が深いことに気づきました。アイロンワークや他のメニューとの組み合わせによる相乗効果など、突き詰めることはまだまだあると感じています。
今後は、スリムバランサーを軸にしたメニューや仕掛けをまだまだしていこうといろいろ構想しています。同じくアリミノの製品である「コアミー×スリムバランサー」「スリムバランサーのサブスクリプションサービス」などなど…また、福袋は今年も行う予定です。
製品開発も早いこの時代、酸熱トリートメントブームがいつまで続くのかは分かりません。でも、それを不安に思うのではなく、スリムバランサーを使ってお客さまとの信頼を深めていく。そうすることで次に新しい技術やメニューが出てきたとき、私たちがお客さまにそれをおすすめしたら、すんなりと「いいものなんだ、試してみよう」と思っていただけると思うんです。そんな信頼関係を築くことが、目下の目標です。
別府大輔DAISUKE BEPPU
in’dex hair 錦糸町 ゼネラルマネージャー
1982年生まれ、東京出身。日本美容専門学校卒業後、都内2店舗を経て2019年より「in’dex hair 錦糸町」のゼネラルマネージャーとなる。酸熱トリートメントを駆使し、アイロンなし・ブローなしでまとまるスタイルを提案。髪質改善のプロとして、全国でセミナーも行っている。