サロンワークで感じたニーズをついに実現! カラー剤開発初の美容師がこだわり抜いた新色「キャットミント」「シーケイブ」の特徴は? ツギイロプロジェクトの裏側#3

Mar 3.2021
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「カラーストーリー アドミオ」の“つぎ”を、美容師のみなさんとアリミノが共に考えるサロン参加型新色開発企画『ツギイロプロジェクト』。日本全国から集まったレシピから2系色を製品化し、2021年3月3日から1年間限定で発売します。

製品化されるのはhairsalon de Forever 齋藤勇磨さんによるルビーバイオレット系のカラー「キャットミント」とHair Studio C-O-E 後藤由奈さんによるネイビーブルー系のカラー「シーケイブ」。発売記念となる今回は、齋藤さん、後藤さんと、カラーストーリー アドミオを担当する商品開発部の高木圭介とマーケティング部技術グループの工藤大介による、各色の深掘りトークをお届けします。

「開発でのお二人のご要望にお応えするのは高いハードルだった」と言う工藤ですが、完成したカラー剤はサンプルを利用したアンバサダーサロンの満足度がどちらも非常に高かったそう。「キャットミント」「シーケイブ」各色の特徴とこだわりをうかがいました。

CONTENTS

    「キャットミント」は人と一歩差をつける。透明感と艶を表現する、上品なルビーバイオレット系カラー

    「バイオレットはギラギラしていて奇抜」というイメージを改革したかった

    齋藤さん(以下敬称略)今回のテーマが「2021年20代〜30代の働く女性におすすめしたいオリジナルカラー」ということもあり、丸の内で働いているようなおしゃれな女性をイメージしました。この層のお客様はすでにいろんなカラーを楽しんでいる方が多いので、他と差をつけるカラーにしたいと思いました。また、艶感を重視されるお客様が増えている点も重視し、ルビーバイオレット系のカラーを考案しました。

    バイオレットは透明感や艶感を出すために欠かせず、補色として使われることが多いですよね。一方で、お客様にバイオレット系のカラーを提案すると、奇抜なアニメカラーのような、ネガティブなイメージを持たれることが多くて。そういうイメージを払拭するような上品なバイオレットにしたいと思って、レシピを考えていきました。

    もともと僕はバイオレット系のカラーが好きで、お客様からお任せのオーダーをいただいた際にはメインで使うこともよくありました。これまでにお任せしてくださったお客様は、その仕上がりを毎回とても気に入ってくださっていたので、きっと受け入れてもらえるだろうという自信はありました。

    工藤ここ数年はさまざまなメーカーがバイオレット系のカラーを商品化しています。ただ、バイオレット系は赤く仕上がったり、ギラギラしたりしてしまいがちで、作るのがとても難しいんです。

    齋藤紫はムラが出やすく、それがギラギラ感につながってしまうんですよね。紫すぎてもダメだし、赤みが出過ぎてもダメ。透明感のある色みになるように、補色として使っていた良い部分を残しつつ、ムラ消しとしても使えるカラーを目指しました。

    工藤齋藤さんの応募レシピは、透明感を表現し、またバイオレット系のギラつきが出ないようにする、とても計算された論理的なレシピなのが特徴的でした。艶感も色みも日本人に受け入れられやすい素晴らしいレシピだと感じました。

    高木紫だけで上品さを演出でき、透明感も表現することができるという機能性も備えているのは強みですよね。今までは補色として少し加える程度だった色をメインに持ってくることで、これまでのカラー剤にはなかった、新しい魅力のあるカラーになっていると思います。

    さまざまな髪質のモデルさんを対象に検証。「カラーに限界はないんだ」と気づけた

    各色の深掘りトークはオンラインで行いました

    齋藤サロン検証では、毛束やウィッグはもちろん、とにかくいろんな髪質のモデルさんで試しました。髪質で左右されないようにしたかったんです。また、カラー剤を何色も組み合わせて狙った色を出すのではなく、「1本で艶も透明感も表現できる」ことに特にこだわりました。

    工藤齋藤さんのサンプル検証後のフィードバックはとても一貫性がありましたよね。特に艶と透明感へのこだわり、本当に細かく色を見て検証されていると感じました。また、今回は8レベルと10レベルの2色を開発しているのですが、各レベルで優先順位を分けて考えてらっしゃるなと感じました。どちらかといえば8レベルは黒髪を、10レベルはブリーチ毛を重視した、優先順位が明確な評価をいただいたので、開発チームとしても改良に反映しやすかったです。

    齋藤フィードバック後に届いた改良サンプルを見たときはびっくりしました。ものすごく細かく難しいことを言っているのに、そのほぼすべてに対応していただいたんです。改めて、「カラーには限界がない」ということに気づけましたね。

    工藤求められているハードルはとても高かったので、開発チームにとっては難しい開発でした。でも、決して無理難題というわけではなく、きちんと理論に基づいたフィードバックだったので、チャレンジしがいがありました。

    お客様にも、美容師さんにも、色だけじゃない楽しみを感じてほしい

    齋藤完成したサンプルをお客様に使わせていただいているのですが、みなさん「こんな色にしたのは初めてだけど、すごくいい色ですね」と喜んでくださるんです。僕のみでなく、サロンの他のスタッフが使っても艶感・透明感がしっかり決まり、お客様の反応も良いんですよ。

    高木サンプルを試用してもらっているアンバサダーサロンからの反応もすごく良くて。「上品な艶」「単品でもムラになりにくい」といった狙い通りの評価をいただき、「追加で送ってください」とリピートしてくださるサロンさんも多いんですよ。

    齋藤単色で狙った色が出やすいですし、ムラが残っている髪もきれいに仕上がるので、美容師にとって使いやすいカラーになったと思います。どんな長さの髪でも艶がきれいに出るので、「大人きれい」なスタイルに仕上げられますね。

    工藤ウェブ通話などが増えた今の時代にもマッチしていますよね。室内では艶が際立つし、外に出れば透明感が際立つ。艶があるけど、それだけじゃない独特な質感を感じられるので、家にいることが増えて「ヘアカラーはしなくてもいいや」と思っている方にも「やっぱりヘアカラーって楽しいじゃん!」と思っていただけるんじゃないでしょうか。

    齋藤あとは、あまりメイクをしない方や、マスクでチークが隠れて血色の良さをどう作るか悩んでいる方にも、「キャットミント」は、ほのかな赤みで肌のトーンをあげてみせてくれるのでおすすめですね。僕は撮影などでメイクを手がけることもあるのですが、ピンク系の下地を使うと顔色が良くなったりします。髪は顔の額縁なので、その下地と同じような効果をヘアカラーでも助けられたらと思いました。「キャットミント」を使ったお客様が、周囲から「きれい」と言われて、自信につながっていくと嬉しいです。

    Profile
    取締役兼統括マネージャー 齋藤勇磨

    齋藤勇磨Yuma Saito

    取締役兼統括マネージャー

    北海道出身。札幌ベルエポック美容専門学校卒業後、都内2店舗を経てhairsalon de Forever入社。2019年より取締役兼統括マネージャーを務める。独自の美容理論に基づいた技術と、美容師ならではの視点で提案する「印象プロデュース」に定評がある。一般誌、業界誌、雑誌掲載多数。コンテスト受賞歴多数。美容メディアの監修や、セミナー講師としても活動する。

    Instagram:@teishibou.saitou

    「シーケイブ」は硬毛でもオレンジみを抑えて「柔らかく」透明感と青みを感じるカラー

    近年人気のネイビーブルー系を「髪色は変えたいけれど、仕事で難しい」というお客様へ

    後藤さん(以下敬称略)「シーケイブ」はブリーチなしでも青みが感じられ、柔らかい質感に仕上がるネイビーブルー系のカラーです。多毛や硬毛の方、日本人特有のオレンジみが苦手な方、柔らかい質感を実現したい方におすすめしたい色ですね。

    今回の応募テーマにある 「20〜30代の働く女性」は、日頃のサロンワークでもお客様に多くいらっしゃって、「髪色は変えたいのだけど、仕事で明るさは変えられない」という声をよく受けていました。だから、応募時は「おしゃれに敏感だけど、お仕事の関係で派手なカラーが難しく、ブリーチや退色後の色みや明るさを気に掛けたりするお客様も楽しめる色を作ろう」と考えました。

    ネイビーブルー系にしたのも、お客様からよくご希望を受けていたから。ここ1〜2年、SNSでブルーブラックなどのカラーを見かけることが増えていて、お客様も頻繁に深い青みのカラーの写真をイメージで持ってこられていました。だけど、アンダーが暗いと、青みを出すのが難しく、どのカラー剤を使っても思った色が作れなかったんです。だから、お客様には「ブリーチをしないと色みが出ない」とお伝えすることしかできませんでした。それで、なんとか理想の色を実現したいと「ツギイロプロジェクト」募集の約半年前である2019年の夏頃からネイビーブルーの研究をし続けていたんです。

    高木実際、私たちもInstagramなどのSNSで、ネイビー系カラーのスタイルが多く上がっているのは注目していました。だから後藤さんのレシピを見たときは「今っぽい色になりそうだな」とワクワクしましたよ。

    後藤1番こだわったのは、ブリーチなしでも柔らかさがあり、濃い発色をすること。九州出身の人には、硬くて赤みの強い髪質が多いんです。私もすごく硬い髪なので、自分自身が柔らかい質感の髪にしたかったというのもありました。それから、退色の状態も重視していて、約1ヶ月後に「オレンジみが出ていないか」まで確認しました。

    工藤黒髪にも、明るい髪にも、ブリーチ毛にも使えるネイビーブルー系のカラー剤は、開発する側にとっては難しい課題だけれども、完成したら本当におもしろいカラー剤になると、最初にレシピを見たときに思いました。

    ネイビーブルー系はブリーチなしで色を出すのが難しいんです。ここ最近は、赤みを入れることで今っぽいネイビーを表現するのが主流なのですが、青みと赤みのバランスが難しく、茶色っぽくなってしまうこともあります。

    後藤さんのレシピは応募時から赤みのあるアッシュ系を使い、黒髪には青みの成分が、ダメージのある部分には赤みの成分が多く入るように設計されていました。最近の研究で、同じ青でも染料によって性格が違うことが分かっているのですが、後藤さんは染料の研究までされていたのではというくらい、その違いを活かしたレシピだったんです。実際の開発もその考えをベースに進めていきました。

    幅広い髪質のモデルさんでサロン検証、写真つきで細かくフィードバック

    各色の深掘りトークはオンラインで行いました

    後藤最初にサンプルを使ったときは、本当に自分が作ったのかなって不思議な感覚で。これまで使ってきたどのカラー剤よりも理想に近かったので、「ここまで再現してくださるんだ!」と驚きました。同じカラー剤でも髪質やダメージの状態などによって発色がさまざまなので、できるだけ多くのモデルさんで検証しました。

    高木サンプル検証後のアンケートに全モデルさん分、Before、After、角度違いの写真を添付してくださっていて。その真摯な対応に涙が出そうになるくらい嬉しかったです。

    工藤コロナ禍での開発で全工程リモートでしたが、写真付きでフィードバックいただくことで、課題が具体化できて分かりやすかったです。本当にいろんな観点・角度から、細かく髪質の違いや退色まで見て深く検討してくださるので、私たちのモチベーションにもつながりました。

    後藤いただいたサンプルは毎回、使い切っていましたね。一見同じ色に見えても、施術してみるとサンプルによって発色に少しずつ差があったりして。パッと見にはわかりにくい差でも、メーカーはこだわって作っているんだなと実感しました。

    工藤難しいハードルもいくつかいただきましたが、最終的に後藤さんからも「クリアできた」と言っていただけて、良かったです。今回のように公募型で美容師さんと新色を開発するのも、打ち合わせやサロン検証を全てリモートで行うのも初めてでドキドキしながら取り組みましたが、一緒に作り上げていくのが後藤さんで本当に良かったと思っています。

    空気感のある柔らかいスタイルと、屋内・外で異なるニュアンスを楽しんで

    後藤サンプルで「シーケイブ」を試されたお客様が、よく「またあの色で染めたい」と言ってくださるんですよ。

    高木「シーケイブ」は、「赤み・オレンジみを消す」がとても叶えやすいカラーです。サンプルを試用してもらっているアンバサダーサロンの反応も良く、「新生毛のオレンジみが単品で抑えやすい」「今までの青系より緑に振られにくくて使いやすい」「柔らかさを表現しながら色みがしっかり感じられる」「アンダーが黒くても透明感が表現できる」といった感想が集まっていて、狙いをしっかり体現できているんですよ。

    後藤特に「色みの柔らかさ」「透明感」「発色」の3つにこだわったので、それが感じてもらえていて嬉しいです。これまで日本人特有のオレンジみが苦手で柔らかく仕上げたかったけれど、ただ黒っぽく見えるのは嫌だったというお客様や、明度の低いネイビー系だと暗く沈んでしまって不安があった美容師さんにとって、使いやすいカラーになったと思います。

    工藤ふわふわと柔らかな印象の色みと透明感をかなえるのに処方上は苦労しました。ですが、この柔らかな表現とネイビーの色みによって、屋内と屋外で印象が変わるカラーになりました。その点はお客様にも新鮮に感じていただけるのではないでしょうか。カラーの楽しみが増えるきっかけになると嬉しいですね。

    後藤室内では仕事モードにも合うように落ち着いた印象で、外に出ると太陽光でより柔らかくなります。スタイルやメイクなども柔らかい質感に合わせて、ふわっと空気感のある雰囲気が合うと思います。

    高木応募時にバックスタイルだけでなく、インナーカラーの写真もつけてくださっていたのですが、ワンメイクで「外は柔らかく、ポイントカラーはエッジの効いた青み」というデザインを作るという活用もできそうですよね。

    後藤1年間と言わずこの先もずっと美容師さんからもお客様からも求められるような色になるようにと製作してきたので、ぜひたくさん使っていただきたいですね。これからの発売が楽しみです!

    Profile
    Hair studio C-O-E 後藤由奈

    後藤由奈Yuna Goto

    Hair studio C-O-E

    大分県出身。専門学校明日香美容文化専門大学校卒業後、Hair studio C-O-E入社。透明感・外国人風ヘアや、ハイライトで立体感を表現するカラーを得意とする。お客様への似合わせや再現性を重視しながら、暗い髪でもオリジナリティのあるヘアデザインを手がける。

    Instagram:@yunagotou

    (取材・文章/A PRESS編集部)

    ツギイロプロジェクトの裏側

    この記事で紹介した商品
    カラーストーリー アドミオ「キャットミント」

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    カラーストーリー アドミオ「シーケイブ」

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