「クオライン×コスメカール」の時短と「シェルパ」のダメージケアで、スタッフの意識も変化! “ラクしてかっこいい”を叶えるメンズパーマで売上アップ! ——NYNY
ここ数年、人気が高まっているメンズパーマ。「これまでは一部の人が楽しんでいた印象が、2020年ごろから緩やかに広がり、2022 年にトレンドとなってきたと感じる」と、「NYNY(ニューヨーク・ニューヨーク) 姫路広畑店」の店長でメンズパーマを得意とする黒川真伍(くろかわ・しんご)さんは話します。
「NYNY」は関西を中心に36店舗を展開しているグループ。その中で黒川さんは、毎年グループ全体で開催される社内大会で、メンズパーマの売上4年連続首位を達成しています。さらに社内大会と並行して毎年店舗独自に実施しているメンズパーマのキャンペーンで、2022年は店舗全体のパーマの売上も向上。大会においても、全店中1位を達成しました。売上アップはもちろん、スタッフが抱いていたパーマへの苦手意識も解消するなど、さまざまな相乗効果があったそう。そのポイントは「クオライン×コスメカール」による時短と「SHERPA(シェルパ)」によるダメージ配慮だと言います。
今回は黒川さんに、メンズパーマのトレンド傾向と薬剤選定のポイント、ダメージ配慮へのアプローチ、メンズパーマのキャンペーンによる売り上げの変化、さらにメンズパーマの今後について伺いました。
導入の背景 | ●ここ2年ほど徐々にメンズパーマの人気が上がっていた ●スタッフの中には、メンズパーマに対して「施術に時間がかかる」などのマイナスイメージを抱いている人がいた |
---|---|
選んだ理由 | ●施術ステップを大幅に削減し、10分以上の時短につながった ●「シェルパ」と組み合わせることでダメージに配慮しながらカールをきれいに出せるようになった |
導入による変化 | ●メンズパーマへの取り組みがグループ全体で活性化した ●店舗も個人もメンズパーマの売上が向上 |
導入前の課題:“ラクしてかっこいい”を叶えるメンズパーマ。一方でスタッフには苦手意識もあった
―― 黒川さんがメンズパーマを得意とするようになったきっかけをお聞かせください。
黒川さん(以下敬称略):以前働いていた店舗でめちゃくちゃ楽しそうにメンズの撮影をしている先輩スタイリストがいて。その撮影メンバーに加えてもらって間近で見ているうちに、メンズカットやスタイリングの奥深さを知ったんです。
中でもパーマに力を入れるようになったのは、4年前にグループ全店舗のスタイリストでメンズパーマの売上を競う大会が開催されたから。その大会の第1回で1位になったことが「自分の武器=メンズパーマ」だという自信につながり、明確な強みをつくれました。
今、僕のお客様はメンズが大半。中でもパーマを希望される方が約6~7割という状況ですね。
―― 近年、メンズパーマをされる方が増えている印象です。ここ数年で、メンズパーマの人気はどのように移り変わってきましたか?
黒川:メンズパーマの人気が目立って高まってきたのは、この2年くらいではないでしょうか。ひと昔前は、しっかりワックスをつけたスタイリングが定番でしたが、新型コロナウイルスの流行もあって2~3年前からスタイリングに重きを置かない人が増えてきたように感じます。その後、ナチュラルなセンターパートの流行などを経て、「セットは面倒だけど、やっぱり周りと差をつけたい」と考える人が増加し、メンズパーマが注目され始めたのかな、と。10代〜20 代後半を中心に、最近では40代や50代の男性でパーマを楽しむ方も増えてきています。
黒川:男性のヘアスタイルに関する悩みは、大半が「朝のセットが面倒」「ハチ張り」「絶壁」の3つ。パーマはこれらの悩みを解消して、 “ラクしておしゃれ”を実現してくれる。だから僕もお客様に提案しやすいですね。
―― どのようなパーマスタイルが特に人気でしょうか?
黒川:まずはパーマでどのようにお悩みが解消されるのか説明しています。また、体験談によって説得力が増すので、自分もキャンペーンと大会の時期にはパーマスタイルでいるようにしています。その甲斐あってか、実際12月だけでもカットのご予約で来店されたもののカウンセリングを経てパーマを選択してくださったお客様もいらっしゃいました。
これはお店の特徴だと思いますが、スタッフみんなトークがうまくて。なので、提案方法を決めたり、キャンペーンのためのポスターを大きく出したりということはせず、カウンセリングの中で自然と提案しています。その大前提として、僕たち美容師自身が「いいものだ」と思えているかどうかが、大切です。自信がないとお客様へもお勧めできないですよね。
―― 一方で、パーマに苦手意識を抱いている美容師さんも少なくないと思います。
黒川:当店でも以前はそうでした。特にパーマの施術は1人のお客様に割く時間が長くなってしまうというマイナスイメージがあったように思います。それを解消したのがクリームの「クオライン」と液体の「コスメカール」を組み合わせる薬剤の使い方。そして、「シェルパ」の存在です。それによってスタッフみんなが積極的にメンズパーマに取り組めるようになりました。
「クオライン×コスメカール」を選んだ理由:大幅な時短を実現。パーマ=時間がかかるという概念が覆された
―― まず、パーマ剤の使い方について教えてください。クオラインとコスメカールはどのように使っているのでしょうか?
黒川:アリミノさんに教えていただいた「クオライン:コスメカール=1:1」をベースに、ダメージによって臨機応変に配分を変えながら混ぜて使っています。クオラインは「CA-T-C 100」、カールのかかりやすさによってコスメカールの種類を変えています。「V」か「EX」を使うことが多いですね。
かなりダメージが強い場合にはクオラインとコスメカールの割合を2:1にして、「EX」か「H」を組み合わせることもあります。配分に関しては経験に頼りつつ、かなりこだわって選定しています。
―― クオラインとコスメカールを混ぜて使うことで、どのようなメリットがありますか?
黒川:あらかじめクリームと液体を混ぜて使うことで、施術ステップを「薬剤塗布→ロッド巻き→放置→水洗」と大幅に削減でき、さらに巻く前に薬剤を塗布することで放置時間も短くすることが可能になりました。
―― そうすると、工程のイメージはカラーとほとんど変わらないですよね。
黒川:そうなんです。従来の感覚からすると驚くほど速く、通常のパーマと比べても放置時間だけで10分以上の時短が実現しています。美容師にとっても店舗にとっても回転を上げられるのでプラスになりますし、お客様の負担も減らせます。
また、クリームと液体を組み合わせることで塗布しやすい粘度であるのも、うれしいポイントです。
導入時の工夫:パーマ最大の敵“傷み”にシェルパでアプローチ。施術の可能性が広がり、スタッフの苦手意識も解消
―― もう一つの「苦手意識解消の鍵」であるシェルパについても、教えてください。
黒川:やはりパーマに対してお客様も美容師も怖さを抱いているのは、ダメージ。シェルパはそこに対してアプローチできます。お客様の間でもここ数年はハイトーンやパーマの人気で「前処理剤」というものを知っている方も多く、シェルパを取り入れたことで格段に提案しやすくなりました。
これは実際に使ったスタッフも口をそろえて言うんですが、シェルパの1番の魅力はカールがきれいに出るという点ですね。また、断然パサつきが少ない。今までなら髪の状態からパーマ施術は難しいと判断して「次回で」と提案していたお客様でも、シェルパを使えば施術できるので、よりたくさんのお客様にパーマを楽しんでいただけるようになりました。
―― お店のブログでも「ブリーチ1回でもきれいにカールをかけられます」とおっしゃられていましたよね。
黒川:そもそもブリーチ毛へのパーマはこれまでお断りしていたんです。そんな中シェルパに出会って、これならハイトーンのダメージ毛にも対応できそうだな、と。もちろん元の状態にもよりますが、ブリーチ1回であれば問題なくカールをかけることができたので、僕の中の常識が覆りました。これまで「髪の限界」と思っていたラインの先まで連れて行ってくれるようなイメージですね。
―― 現在シェルパは何種類取り入れていますか?
黒川:店舗としては「ベースエイドミスト」と「ボンドメモリアリキッド」の2種類を使用しています。僕個人はシェルパのメニュー展開に可能性を感じているので5種類すべて使い、研究中です。自分の中で形になったら、価格ごとに3ランクほどつくってメニュー化しようかなと思っています。
導入の成果:シェルパの導入によって個人・店舗ともにメンズパーマの売上がアップ
―― 2022年の店舗でのキャンペーンは、具体的にどのような内容で行ったのでしょうか?
黒川:「クオライン×コスメカール」による施術にシェルパを組み込んで、『トリートメントパーマ』として大々的に打ち出しました。本来ならパーマ料金にプラス2,200円のシェルパをプラス1,100円で提供するという内容です。
―― キャンペーン前は、どのような準備をしましたか?
黒川:パーマ大会の約1カ月前からクオラインやシェルパの講習会をアリミノさんにお願いしました。2022年だけで5~6回ほど開いてもらっています。何度も講習会を重ねることで薬剤に対しての知識や信頼はすでに僕以外のスタッフにも十分にあったので、実際に初めてクオラインやシェルパをお客様に使う時にも安心感があったようです。
―― 2022年の大会では黒川さん個人だけでなく、店舗自体も3カ月間ずっとパーマの売上1位をキープしていたと伺いました。
黒川:はい。シェルパを導入したことで他のスタイリストもパーマに対しての意識が前向きに変化し、それがキャンペーンの成功へとつながりました。大会で実際に数字として結果を残すことができてうれしかったですね。大会とキャンペーンがうまく連動してくれたのだと思います。
―― 30店舗以上もある中で1位をとるってすごいことですよね。
黒川:そうなんですよ、すごいんです(笑)。また、成績を見た他店舗からの反響もありました。11月の会社全体のミーティングで「パーマは何を使っていますか?」と他店舗から質問があり、その時にシェルパについて熱弁したんです。その翌週からアリミノさんに「シェルパをうちでも取り入れたいので講習会をお願いしたい」という依頼が殺到したみたいで。その流れで11月以降から他店舗も数字が上がり、大会の盛り上がりも加速しました。
―― 具体的に、売上はどの程度上がったのでしょうか?
黒川:シェルパ導入後、個人・店舗共に前年のメンズパーマキャンペーン時と比べて売上がアップしました。個人で言うなら毎月10万円ほど伸びましたね。
今後の展望:目指すはパーマ伝道師。店舗の枠を飛び越え、会社全体へ波及させたい
―― 今後メンズパーマの在り方はどのように変化していくと思いますか?
黒川:パーマの種類もパターンも出きった感があるので、2023年はこのままブームが継続しつつ、その後1〜2年で徐々に落ち着いてスタンダードな技術になっていくと予想しています。
時代の流れはどうであれ、僕としてはこれからも自分のお客様はパーマをされる男性だけでいいと思っています。単純に1つのことを極める方が性に合っているし、メンズパーマというものに大きな魅力や可能性を感じているので、そこは変わらず追求していくつもりです。
今回シェルパを取り入れたことで、会社全体が盛り上がっていくような、確かな手応えを感じることができたのも収穫の1つ。技術を支えてくれる商材の存在の大きさを改めて思い知りました。そうやって確かな新しい商材を積極的に取り入れながら、今後も会社のみならず美容業界を盛り上げていきたいです。
黒川 真伍Shingo Kurokawa
NYNY 姫路広畑店 店長
「NYNY 香里園店」での勤務を経て現在の姫路広畑店へ。自分の持つ顧客の大半がメンズで、その中でも約7割もの人がパーマ施術を希望。メンズパーマに対する深い知識と経験を積み、グループ36店舗全体で年に1度開催されるメンズパーマの売り上げ大会では、大会が始まって以降4年連続で1位を獲得。会社全体のメンズ部門のリーダーを務めるなど、自身が持つメンズカット・パーマの技術を広めるために精力的に活動している。
Instagram:@shingo_chan8215
<アリミノ営業担当のコメント>
NYNY 姫路広畑店様で2022年のメンズパーマキャンペーンが成功したのは、「『クオライン+コスメカール+シェルパ』の新たなメンズパーマメニューを作ったこと」と「スタッフの皆様がシェルパを実際に使ってみたこと」の2点が要因だと思います。
新たなメニューは薬剤選定がシンプルで、通常のパーマよりも施術時間を短くできます。そのため、スタッフ様も提案がしやすく、お客様にもご満足いただけました。また、スタッフの皆様が実際にシェルパを使用したことで、それまで抱いていた「パーマ=ダメージ」のイメージが払拭できました。スタッフの皆様が自信を持って提案されることで、お客様も安心してパーマにチャレンジできるのではないでしょうか。
今後もパーマに対してお悩みのあるサロン様へ、NYNY 姫路広畑店様のように悩みを解消して成功されるように、アリミノの製品を通じてご提案できればと思います。
(大阪第2支店 高以来 勲)
「NYNY」サロン情報
「地域で1番のサロン」をコンセプトに、家族のようにスタッフを大切にし、家族のようにお客様を大切にする。そんな熱い想いをもつ美容師集団サロン。「ひとりひとりにとってのNo.1」となる最高の時間と最高のスタイルを、ひとりひとりにとって魅力あるNo.1スタッフが提供している。
店舗展開 | 京都、大阪、兵庫、滋賀に36店舗 |
---|---|
従業員数 | 全店舗で500名以上 |
サロンコンセプト | 地域で1番のサロン |
サロンターゲット | お住まいの子どもから大人まで、地域にお住まいの方 |
メンズパーマ施術方法導入年月 | 2022年10月 |
メンズパーマ施術ターゲット | 20〜30代を中心とする男性 |
所在地:
〒671-1122
兵庫県姫路市広畑区夢前町1-1-1 MEGAドン・キホーテ姫路広畑1階13-B
Webサイト:
https://www.nyny.co.jp/
(文/鈴木美奈子、取材・編集/A PRESS編集部、撮影/石居由衣)