
人気サロンのスタイリスト3人に聞く! 2025年夏のおすすめカラーとトレンド予測
毎年、新しいトレンドが生まれ続ける美容の世界。カラーのトレンドもどんどん変化しています。そこで今回は、人気サロンの美容師さん3人が、2025年夏におすすめするカラーを紹介。また、そのカラーに注目する理由やポイントなど、「カラートレンド予測」を教えていただきます。
近年人気の「ワンホン」とも相性◎。赤みも黄みも感じさせない、上品なヘーゼルベージュに注目——STILL calin 伊藤 美奈穂さん

レシピ
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- 【Before】
12Lv
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- ■新生部
8アイスモス:8ヘイジーダスク=1:1
1剤:2剤=1:1(OX6%)
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- ■既染部
8アイスモス:8ヘイジーダスク=1:1
1剤:2剤=1:1(OX2.8%)
すべて「カラーストーリー アドミオ」(医薬部外品)
※比率は組み合わせ比 ※1剤:2剤は混合比
おすすめカラー|寒色にも暖色にも寄らない上品ベージュ。赤みはアイスモスで、黄みはヘイジーダスクでカバーして、くすませすぎずやわらかく
おすすめのカラーは、寒色でも暖色でもないニュアンスカラーのベージュです。この色みを作るのに意識したことは、「赤みも黄みも感じさせないこと」と「くすませすぎないこと」。そのために、アイスモスとヘイジーダスクを組み合わせました。アイスモスは、同じグリーン系のベイリーフよりも控えめなグリーンで、赤みを抑えながらソフトな印象に仕上げてくれます。そこに組み合わせたヘイジーダスクは、ピンクや紫、青のバランス感が絶妙で、黄みを抑えながら、くすませすぎない上品な透け感をプラスしてくれます。この2色の組み合わせは、透明感が好まれるこの夏にぴったりのカラーだと思います。
スタイリングは、38mmの大きめのコテで全体をふんわりと。後ろはすべてワンカール、それ以外はゆるめの外巻きに。仕上げにオイルで艶感を足して、上品でやわらかな雰囲気をさらに引き立てています。
トレンド予測|「ワンホン」人気が追い風に。まろやかで上品なヘーゼルベージュに注目
2025年夏に注目したいのは、赤みも黄みも感じさせない、まろやかで品のあるヘーゼルベージュ。ここ1年ほど暖色系カラーの人気が続いていますが、最近は「赤みは出しすぎたくない」という声も多く、寒色・暖色どちらにも寄りすぎないニュアンスカラーを希望されるお客様が増えています。
ヘーゼルベージュは、ここ1年じわじわと人気を集めている「ワンホンヘア」との相性も良く、特に10〜20代の間でオーダーが増加中です。実際に、中国のSNS「RED」に掲載された画像をご覧になった方からのオーダーが増えてきています。ワンホンヘアの特徴は、黒髪よりもほんのり明るく、ややオリーブ味を含んだやわらかな色みであること。やわらかな質感と上品な仕上がりがポイントです。
さらに最近では、ブリーチを使わずに明るさや透け感を出したいというニーズが高まってきていると感じます。特に高校生やカラー初心者のお客様からは、「なるべく傷ませずに透明感を出したい」という声が多いので、ブリーチなしでもやわらかく、透明感を感じられる色みが人気を集めていくと予想しています。そこで、明るさを抑えながらも、艶と透明感を両立できるニュアンスカラーは、この夏さらに人気が高まりそうです。

伊藤 美奈穂Minaho Ito
STILL calin 店長
北海道札幌市出身。北海道理容美容専門学校卒業後、STILLに入社。ブリーチなしで叶える艶感あふれる透明感のあるカラーを得意とし、10〜20代のお客様から支持を集めている。ヘアケアを軸に、ダメージを抑えた薬剤選定と丁寧な施術を心がけている。
Instagram:@ minaho_still
髪を傷めずに、やわらかく明るく。ほんのりピンクを忍ばせた、フェミニンなまろやかベージュがこの夏の注目——ELEN 佐藤 絢音さん

レシピ
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- 【ベース】
16Lv ブリーチ履歴あり
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- 【根本/毛先】
P9 W.BEIGE:12GRAY:12PINK:CLEAR=5:1:1:7
1剤:2剤=1:2(OX2.8%)
すべて「アジアンカラー FES」(医薬部外品)
※比率は組み合わせ比 ※1剤:2剤は混合比
おすすめカラー|新色「PURE」W.BEIGEにピンクをほんのり組み合わせ。やわらかな透明感がかわいいフェミニンベージュ
私のお客様は、やわらかい雰囲気を求める方が多いので、温かみのあるベージュに仕上げました。ピンクをわずかに組み合わせることで、まろやかさが生まれ、フェミニンでやさしい印象にまとまります。
今回のカラーの軸は、新色「PURE」のW.BEIGE。寒色に寄りすぎないまろやかなニュアンスを与え、ふんわりとした印象に仕上がります。モデルさんはオレンジ寄りのブラウンの残留があったので、それを抑えるために12GRAYを組み合わせ、透明感をプラス。さらに、わずかにPINKを組み合わせることで、やわらかさと温かみを引き立てています。
このカラーはソフトな色みなので、動きのあるレイヤーカットとの相性も抜群。レングス問わず楽しめますが、より大人っぽく見せたい場合はロングスタイルがおすすめです。スタイリングは、38mmのコテで毛先をやや強めに内巻きにし、やわらかめのバームでまとめると、艶とやわらかさの両立ができて、質感もぐっと上品になります。
トレンド予測|明るくしたいけど傷ませたくない。ダメージに配慮した、やさしいベージュ系カラーに注目
今年の夏は、フェミニンでやわらかな印象のベージュ系カラーに注目しています。ほんのりピンクを含んだあたたかみのある色みが、自然体のやさしい雰囲気を引き出します。このカラーは、肌なじみが良く、顔まわりを明るく見せてくれるので、お客様からのオーダーも増えていると感じます。
さらにここ最近では、髪の健康を重視するヘアケア志向が高まっていると感じます。以前から、大人世代のお客様はヘアケアを重視する傾向がありましたが、最近は大学生〜20代の若い世代にも広がってきています。たとえば、縮毛矯正を始めたタイミングで、トリートメントのグレードを上げる方や、傷みにくいカラー剤を希望される方も多くなりました。「明るくしたいけれど、それ以上に傷ませたくない」という意識の高まりは、昨年頃から感じており、今年もその流れが続いていくと予想しています。
また、レイヤースタイルの人気が続く中で、そのシャープさやモードな印象をやわらげるために、色みや明るさをプラスしたいという声も増えています。

佐藤 絢音Ayane Sato
ELEN スタイリスト
東京都出身。高山美容専門学校卒業後、株式会社kikiに入社。艶感たっぷりの透明感カラーを得意とし、フェミニンで今っぽいスタイル提案に定評がある。レイヤーを活かした抜け感のあるデザインや、アレンジまで幅広く対応し、お客様の“かわいい”を最大限に引き出す。
Instagram:@ elen_ayane
寒色系の外国人風ベージュで、軽やかに夏を楽しむ。涼しげな抜け感カラーに注目——LETTER 江角 亜希さん

レシピ
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- 【Before】
7〜8Lv
-
- ◾️新生部
10ティア:10オークル=2:1
1剤:2剤=1:1(OX6%)
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- ◾️既染部
10ティア:10オークル=2:1
1剤:2剤=1:1(OX2.8%)
すべて「カラーストーリー アドミオ」(医薬部外品)
※比率は組み合わせ比 ※1剤:2剤は混合比
おすすめカラー|ティアで赤みも黄みも抑えて透明感アップ。抜け感のある外国人風ベージュブラウン
日本人の髪特有の赤みや黄みを抑えた、透明感のある外国人風ベージュブラウン。ティアで赤みや黄みをコントロールしながら透明感を引き出し、さらにオークルを組み合わせることでやわらかさをプラスしました。
今回使用したティアは、赤みや黄みを抑えるのに適したカラーです。青みをベースに、赤みと緑みをバランスよく含んでおり、やわらかな透明感の寒色系を表現できるのが特徴です。ただ、ティア単色だと少しくすみ感が残るので、よりやわらかさを引き出すためにオークルを組み合わせました。オークルのほんのり緑がかった色みが、程良いやわらかさと抜け感を演出し、こなれた印象に仕上げてくれます。退色すると少し明るくなり、ほんのり黄みや赤みが出てきますが、ティアをベースに使うことでそれらをうまく抑え、色落ちまで楽しめるカラーになっています。
レングスを問わず似合うカラーですが、より“外国人風”に見せるなら、ロングヘアにくせ毛風のアレンジを加えるのがおすすめ。全体を32mmのコテでゆるく巻き、軽めのオイルでサラッとまとめると、重さを感じさせないナチュラルで夏らしいスタイルになりますよ。
トレンド予測|夏らしい軽やかで涼しげなベージュに注目。ほんのりくすませて肌なじみ良く仕上げるのがポイント
この夏は、ブリーチなしでも楽しめる、明るくて透け感のあるベージュが人気になりそうです。肌の露出が増え、ファッションも明るめになる季節には、軽やかで涼しげな、やわらかい色みがぴったり。
中でも注目しているのが、くすませすぎないブラウンベースのベージュ。ベージュは黄みに寄りやすい色みですが、「黄みを抑えたい」というお客様の声は多いです。そこで、ほんのり青みを加えて適度にくすませることで、肌なじみが良くなり、やわらかさや抜け感もプラスします。このような青みを含んだニュアンスは、夏との相性が良く、ブルーベース寄りのアッシュ系のくすみ感もこの夏のトレンドになってくると予想しています。
私のお客様は10代から20代が中心ですが、「ブリーチなしで透明感を出したい」という声は多く、髪のダメージや色落ちを気にされている方が増えている印象です。また、ブリーチなしのダブルカラーでダメージを抑えつつ、よりやわらかく透明感のあるベージュに仕上げるのもおすすめです。

江角 亜希Aki Esumi
LETTER トップスタイリスト
広島美容専門学校を卒業後、2019年に株式会社 LETTERSに入社。透明感のあるカラーやハイトーンカラー、パーマスタイルが得意。ファッションやライフスタイルに寄り添った、ナチュラルでお洒落なヘアスタイル作りを心がけている。
Instagram:@ letter_aki