「#育てるハイライト」で「白髪染めが義務ではなくなった」。少ない枚数で結果を出す方法が一人体制にマッチし、新規客が前年比の2倍に!——Hair Salon LR KOBE
2023年で14周年を迎える兵庫県・神戸市のサロン「Hair Salon LR KOBE(ヘアサロン エルアール コウベ)」。2022年に「#育てるハイライト」と「カラーストーリー プライム」(医薬部外品)を導入し、新規集客数が前年と比べ2倍にアップしました。「#育てるハイライト」とは、東京・表参道のヘアサロン「SHEA(シア)」が提唱する、ハイライトを使った明るいグレイカラー。施術時間はカウンセリングと合わせて2時間以内に収まり、現在は一人体制で丁寧にお客様と向き合うサロンワークの中でも対応できたといいます。しかしオーナーの池田憲彦(いけだ のりひこ)さんは、もともとハイライトに対して90年代の印象から苦手意識があったそう。 メニュー化への道のりやハイライトに対する意識の変化、導入により得られたものなどについて詳しく伺いました。
導入の背景 | ●白髪染めを“義務”と感じているお客様が多く、自身もどこか「作業をしている」という感覚があった ●ハイライトに対し、派手になりすぎるのではないかなどの不安があった |
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選んだ理由 | ●SNSを見ていた家族から「『#育てるハイライト』が気になる」との声を受けた ●モニターとして施術を体験したお客様から好評だった ●ホイル枚数8枚×「カラーストーリー プライム」でのリタッチで時短に、全頭カラーよりも短時間で施術可能 |
導入による変化 | ●新規顧客が前年同月比で約2倍に増加 ●客単価が約1,000円アップ ●お客様から「髪を明るくしてもらうと気分まで明るくなる」といった喜びの声 |
導入前の課題:昔のハイライトのイメージに躊躇。「施術時間が伸びるのでは」、「根元が伸びてきた時の対処は」など、不安と疑問がいっぱいだった
―― まずはサロンの客層について教えてください。グレイカラーのお客様の割合はどのくらいですか?
池田さん(以下敬称略):現在はお客様全体の約6割でしょうか。当サロンは、僕が青山をはじめ都内のサロンでの勤務を経て神戸に構えたお店で、今年で14周年を迎えます。長く通ってくださっているお客様がとても多くて、中には東京の頃のお客様で今でもお越しくださっている方もいるんですよ。オープン当初と比べて僕自身も年齢が上がっていますし、同じようにお客様の年齢層も徐々に上がっていき、今は40~60代のお客様が約6割を占めています。それに伴って、グレイカラーの施術や白髪の悩み相談が増えてきました。
―― グレイカラーのお客様は、白髪に対してどのような印象を持っているのでしょう?
池田:「白髪染め」という言葉を、義務のように感じてしまっているお客様が多いですね。美容室に“行きたい”ではなく、“行かなくちゃ”、と。特に30代からずっと通ってくださっているお客様で、白髪が出はじめて少しずつ増えてきた方は、ファッションカラーからグレイカラーへの移行に対してネガティブな意識が強いように感じます。また、僕も施術をしていて、白髪染めにはなんとなく「作業をしているだけ」といった感覚があり、ずっとモヤモヤしていました。
―― そこで「#育てるハイライト」に目を向けたわけですね。
池田:いえ、それが実は、最初に「#育てるハイライト」を知った時は、正直うちでは難しいと思ったんですよ。
―― そうなんですか……! それは、どのような点に懸念があったのでしょうか?
池田:ハイライトの施術は手間も時間もかかるのではないかという懸念がありました。当時は僕の他にもスタッフがいたのですが、そのスタッフとの連携が難しいのではないかと。また、90年代の終わりに爆発的にハイライトが流行した時に、僕がいた店ではお客様に提案してもなかなか定着しなかった苦い過去があり、僕自身ハイライトにずっと苦手意識があったというのもあります。コントラストが強くて派手な印象にならないか、伸びてきた時に違和感が生じるのではないか、その際はどうすればいいのかなど、昔の若者向けハイライトのイメージから、さまざまな不安や疑問が生まれていました。
「#育てるハイライト」を選んだ理由:きっかけは、愛する家族を救うため! 一念発起してチャレンジしたら、お客様から好印象だった
―― その状態から「#育てるハイライト」に取り組んでみようと思ったきっかけは何だったのですか?
池田:ある日、妻に「最近よくSNSで見かける『#脱白髪染め』や『#育てるハイライト』って何? 気になるんだけど」と言われて。「奥さんの要望に応えられない美容師なんてカッコ悪いよなぁ、勉強してみようかな」と思ったのがきっかけですね。
まずは本を読みながら、わからないなりにウィッグで試してみました。ところが、これが見事に大失敗。次に妻や親戚に協力してもらってリベンジしたんですけど、それも惨敗。完全に自分のキャリアを過信してしまって。これはきちんと勉強しなければ、と思い直しました。
―― 失敗、というのは……?
池田:ほとんどハイライトが目立たなくて。みんなに「わからない」「これなら、もうちょっと明るいほうがいい」と言われてしまいました。薬剤の選定でも、ハイライトの入れ方でも、コントラストのバキッとした、メッシュのような仕上がりになることを恐れ過ぎていたんですね。
でも、最初にうまくいかなかったからこそ、「絶対に習得してやるぞ!」と火がつきました。
―― そこからどのようにしてアップデートしていったのでしょうか。
池田:まずはアリミノさんのセミナーに参加しました。最初のセミナーでは、正直いろんなパターンやケースがあって、どうしたらいいのかより迷ってしまったりもしましたね(笑)。でもそこから、アリミノさんにいろいろ質問をぶつけたり、実践を重ねたりして少しずつ光が見えてきました。
実践は、グレイカラーのお客様にモニターという形で、無料で提供して積みました。無料モニターで行えばその期間の売上は下がってしまうけれど、10年以上の付き合いのお客様も多いなかでいかに飽きられないようにするかというのも大切です。長い目で見れば必要なことだと思っていました。
―― メニュー化できると確信するまでどのくらいの期間を要しましたか?
池田:3ヶ月くらいですね。30~40人ほどに試して、ハイライトを入れる場所のコツやパターンなども次第にわかってきました。喜んでくれるお客様がすごく多くて徐々に自信がつき、実際にメニュー化へ乗り出しました。
導入時の工夫:ハイライトの目的は『白髪のお友達づくり』。“少ない枚数で結果を出す”が、サロンにとってもお客様にとってもメリットに
―― ハイライトのメニューはどういった内容のものですか?
池田:初回は“お試し”として、ホイル8枚のハイライトと根元のリタッチ。3回継続で24枚分に育てるご提案をしています。
この8枚というのが絶妙な数なんです。お店の回転を考えると、1人のお客様のカットカラーは1時間半~2時間以内に収めたい。そこで「SHEA」さんが提案する「#育てるハイライト」の、「少ない枚数で結果を出す」というコンセプトが、当店にぴったりハマりました。お客様にとっても、少ない枚数からのお試しであることが気軽に挑戦しやすいようで、好評でした。
最初からしっかり入れたい方や、継続されている方には、ホイル15枚のメニューも用意しています。
―― ホイルの枚数が鍵になったのですね。他に、時短で仕上がりをよくするポイントはありますか?
池田:ちょうど2022年に「カラーストーリー プライム」がリニューアルされたのが良かったですね。「#育てるハイライト」には欠かせません。透明感、艶、色み、染まり。すべてが使いやすいんですよ。まず、「カラーストーリー プライム」で根元のリタッチをし、ハイライトを入れます。塗布は合わせて10分くらい。放置後にシャンプー台で乳化させて、リタッチのカラーをハイライトになじませます。また、毛先の退色が気になる時はハイライトの塗布後にベールタイプで既染部をカラーすることもありますが、リタッチの放置時間内で終わるので施術時間は変わりありません。
それともう一つ、ホイルの折り方にもポイントがあります。アリミノさんのセミナーで講師だった「SHEA」の佐藤幸治さんがやっていた折り方を取り入れたことで、時短につながりました。ホイルを広くとって、とてもシンプルに三等分する方法です。簡単なのですが、案外ズレないので驚きましたね。これなら1人でもできるぞと、僕の中のハイライトへのハードルが一気に下がりました。
―― お客様へのご提案方法については、気をつけていることなどはありますか?
池田:大人女性の中には、ハイライトと聞くと当初の僕のように派手なデザインをイメージされる方が少なくありません。そこで最初に画像でコントラストの効いた派手な例を提示して、「心配しているのって、つまりこういうことでしょ? 僕はこういうふうにはしないからね」と、お互いの認識の擦り合わせをおこなって不安を打ち消すところから入ります。
それから「こんな仕上がりになるよ」とウィッグやSNSの写真を見せてイメージを共有。その際、ハイライトの目的を「白髪の友達をつくること」だとお伝えしているんですよ。白い部分を黒く染めるのではなく、白髪になじむ明るい髪を仲間としてつくってあげましょう、と。僕自身も白髪があるのですが、「全体を明るくして“白髪のお友達”がたくさんいると、目立ちにくいでしょ?」とお話しすると、イメージを持っていただきやすいですね。
池田:また、クーポンサイトなどでの発信には「脱白髪染め」というキーワードを使っていますが、グレイカラーをまったく使わないというわけではないことも、しっかり伝えるようにしています。最初に丁寧に認識を擦り合わせて、お客様に100%安心いただくのが第一。そのため、1回目のカウンセリングには15~20分ほど時間をかけることもありますね。
―― カウンセリングに20分! そうすると、お一人にかける全体の時間が長くなってしまうのでは……?
池田:それがホイル8枚であれば、これまでのグレイカラーより、「#育てるハイライト」のほうが短時間で終わるんです。根元のリタッチとハイライトのみなので、カウンセリングを20分したとしても必ず2時間以内に終わらせられます。2回目以降はカウンセリングが初回に比べて短縮できるので、さらに早いですね。
―― 初回は「お試し」ですが、次回提案で気をつけていることはありますか?
池田:3回やりましょうと言いつつ、もちろん強制はしません。2回目の予約を取る時には、次回の選択肢はハイライトだけではないことを伝えるようにしています。中には、2回目いらっしゃった時に「このさりげなさがちょうどいいから、今くらいのハイライトの数がいいわ」とおっしゃる方もいらっしゃるんですよ。そういった場合は、リタッチだけにしたり、上からカラーをして色みを楽しめるようにしたりしています。施術を3回に分けることで、いきなり大きく雰囲気を変えるのではなく、様子を見ながら途中で方向転換できる道を作っておくことにもつながり、お客様にも安心していただけるんです。
導入の成果:お試しハイライトで新規客が倍増!白髪染めに対するお客様の前向きな気持ちの変化も感じることができた
―― 客単価の変化やリピート率など、経営面でのメリットはどうですか?
池田:この1年は、前年の同月と比べて新規のお客様が倍以上に増えました。今月も新規だけで12人。客単価も1,000円ほど上がりましたね。
クーポンサイトから「脱白髪染め」という検索ワードで見つけてくださる方が多く、「お試し」と表記したのも気軽にチャレンジできるという意味で効果的でした。それから、アリミノさんにいろいろ教えてもらいながらInstagramも更新。例がたくさん載っているので、最初からイメージを持っていただきやすくなっているのも良かったのだと思います。
―― すごいですね!それに加えて3回やるという提案により、新規の方が自然とリピーターになるということですもんね。
池田:そうですね。1回目はお試し価格としてカット込みで13,750円、2回目以降は17,050円。通常のカット+グレイカラーが14,300円なのと比較しても、決して安くはない価格設定ですが、それでも満足して繰り返し来てくださる方が多いです。
―― ハイライトが伸びてきた時にどうすればいいのかわからなかった、と最初に伺いましたが、その点はどうですか?
池田:当初心配していたのは、伸びてきたらまた同じ部分を分け取ってリタッチしないといけないのではないかということでした。でも、「#育てるハイライト」は根元が伸びて少ししたところでまた違う箇所にハイライトを入れて増やしていくので、前に入れたハイライトと同じ部分をリタッチする手間がありません。それはやってみてわかった部分でしたね。
また、みなさんもともとグレイカラーをされていたお客様なので、一定のサイクルで美容室にいらっしゃるんです。なので、自然と伸び過ぎて違和感が出る前に次の施術ができるんですよ。
―― なるほど! メニュー化して、お客様からも好評とのことですが、どういった声が寄せられていますか?
池田:かれこれ12、3年もの間グレイカラーに通ってくださっているお客様が、最近「#育てるハイライト」に切り替えたんです。そのお客様から「今まで白髪染めが義務化してしまっていたけど、ハイライトにしてから、ここで施術してもらうことがすごく嬉しい」と言われました。「髪を明るくしたら気持ちまで明るくなって、デパートに寄り道して帰ったの」とおっしゃってくださったんです。
その言葉に僕自身もすごく喜びを感じて。聞いた瞬間、あぁ、僕がやりたかったのはこういうことだったんだ……と実感。この言葉のおかげでなおさら突き進もうと思えました。
今後の展望:研究を重ねてデザイン性もより高め、年齢を重ねてもヘアスタイルを全力で楽しもうとする人を増やしていきたい
―― 今後は「#育てるハイライト」のメニューをどのように発展させていきたいですか?
池田:自分なりのフォーマットは完成したものの、現段階ではまだ「白髪の悩みを解決する手段」といった意味合いが強いので、今後はそこにデザイン性もプラスしていけたらなと思っています。3回目以降の展開のバリエーションを増やしたり個々に合わせたアレンジを取り入れたりするために、まだまだ研究していきたいですね。
あとは「カラーストーリー プライム」と「#育てるハイライト」の相性が良いので、薬剤の使い方もより深めていきたいです。特に「ハイブリッドタイプ」は透明感が抜群で、明るい寒色でもしっかり染まる。白髪の友達をつくるという点で色なじみがすごく良くて重宝しています。
―― 白髪で諦めていたスタイルにも挑戦できるようになったら、お客様も嬉しいですよね。
池田:それが理想ですね。とにかく僕はお客様に寄り添える美容師でありたい。50代という年齢で新しいことにチャレンジするのは大変だったけど、始めて1年もせず結果を出せてお客様から嬉しい言葉もいただけたので、今では1歩踏み出して本当によかったと思います。
白髪のお悩みというのは流行り廃りがあるものではなく、これから先も決して尽きないもの。たったホイル8枚分のハイライトでそれに立ち向かうことができるのは、かなり大きな武器だと感じています。これからもその武器でお客様が抱く白髪へのマイナスイメージを払拭し、年齢を重ねてもヘアスタイルを全力で楽しもうとする人を増やしていけたら、と思っています。
池田憲彦Norihiko Ikeda
Hair Salon LR KOBE 代表
都内中心エリアのサロンで経験を積み、2009年に神戸・三宮で「Hair Salon LR KOBE」をオープン。一人ひとりと丁寧に向き合うサロンワークが信頼を集め、神戸近郊はもちろん東京から長く通っているお客様もいる。髪を綺麗にするだけでなく、ライフスタイルも一緒に考え提案することを心掛けて、日々サロンに立つ。
Instagram:@ikeda_lrkobe
アリミノ営業担当者のコメント
Hair Salon LR KOBE様は、“大人女性の悩み”に寄り添ったメニュー展開で多くのお客様に支持されています。そんな中、「#育てるハイライト」についてご相談をいただき、「カラーストーリー プライム」をご紹介し、「#育てるハイライト」のセミナーをご提案いたしました。また、「苦手な“SNS発信”にも力を入れたい!」とご相談いただき、勉強会を開催。「#育てるハイライト」がお店の武器になるようコンセプトやターゲット客の設定など、基軸となるブランディング活動にも携わらせていただきました。
近年はSNSでの発信がトレンドですが、SNSはあくまでも手法です。大切なことは、誰に・何を・どのように届けたいか。それを伝えるために、「#育てるハイライト」の強みを事前に整理することが重要だと改めて感じることができました。
池田さんの強みであるカウンセリング力と技術力を「#育てるハイライト」を通してお客様へ届けるお手伝いができたことは、大変嬉しい事例です。これからも、製品だけでなく、さまざまな面からサロン様へ貢献できるよう、お手伝いしていければと思っております。
名阪営業部 大阪第1支店 松原徹
「Hair Salon LR KOBE」サロン情報
「すべてに“愛と尊敬(Love & Respect)”の心を」をコンセプトに、お客様とのご縁や会話を大切にし、高い技術と癒しの空間で一人ひとりの“なりたい”を叶えるマンツーマンプライベートサロン。自宅で再現しやすいカットとダメージに配慮したカラー、「#育てるハイライト」などを提供し、大人女性の悩みに寄り添いながらさまざまなライフステージに合わせたメニューを提案している。
店舗展開 | 兵庫県神戸市に1店舗 |
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従業員数 | 1名 |
サロンコンセプト | すべてに対して敬愛の心を持つことから良いデザインが生まれる |
サロンターゲット | 本物、上質なものを求める女性 |
「#育てるハイライト」施術方法導入年月 | 2022年3月 |
「#育てるハイライト」施術ターゲット | 白髪のお悩みを抱える大人女性 |
所在地:
〒650-0011
兵庫県神戸市中央区下山手通3-1-20 丸一ビル2F
Webサイト:
https://www.lr-kobe.com/
(文/鈴木美奈子、取材・編集/A PRESS編集部、撮影/石居由衣)