集客アップにつながるInstagram運用テクニックを伝授! 今すぐ真似できる実践ノウハウを、SNSセミナー講師としても活躍中のHAIR’S 河内瞭さんが徹底解説
「集客につなげたいのになかなかうまくいかない」、「どういう投稿をしたらいいのかイマイチわからない…」と多くの美容師さんが頭を悩ませているInstagram運用。
大阪の老舗美容会社「HAIR’S(有限会社阿倍野橋美容室)」の取締役を務めながらSNSの外部講師としても活躍する河内瞭(かわち りょう)さんに、Instagramを効果的に運用するためのノウハウをお聞きしました。
>HAIR’S 河内瞭さんの「Instagram運用の取り組み」成功事例はこちら:
https://apress.arimino.co.jp/school-20240613-001/
河内瞭Ryo Kawachi
HAIR`S(有限会社阿倍野橋美容室) 取締役
大阪府出身。美容メーカー、広告代理店を経て、2021年「有限会社阿倍野橋美容室」に入社。SNSの運用などマーケティングを中心に従事する。2022年に、ブランド立ち上げから携わる「CAF」をオープン。その他、SNSマーケティングのセミナー講師としても幅広く活躍する。
Instagram:@ryokawachi.official
① Instagram運用を始める前にするべきこと
河内さんのアドバイス |
自分の強みや美容師としての方向性を明確にすることですね。このターゲティングは細分化すればするほど集客につながります。例えば、得意な技術を活かすのか、好きな施術を軸にするのかなど、まずは大きな方向性から考えてみましょう。その上で、さらに的を絞ります。カラーなら、ブリーチカラーや暖色系カラーなど、カラーの中でもどのようなスタイルでお客様に来ていただきたいのかを考えてみてください。
②プロフィール欄のつくり方
河内さんのアドバイス |
プロフィール写真は、「清潔感がある」「ポジティブな印象が伝わる」「顔がしっかり認識できる」ことの3つが重要です。顔がわからなかったり、印象が悪かったりする人に自分の髪型を任せるのは不安ですよね。「お客様がプロフィール写真を見て、『この人なら任せられる」と信頼感を持ってくださるだろうか』を念頭において選びましょう。もし、ファッション好き、アイドルが好きなど、美容師さん自身の個性や空気感を含めて知ってほしい場合は、それが伝わるような写真を選ぶのも良いと思いますよ。
プロフィール文は、①で明確にした自分の強みや得意なスタイルをしっかり記載し、お店のHPや予約サイトのリンクを記載しましょう。お客様は検索で気になる店を見つけたら、その店のアカウントに遷移し、施術メニューや口コミ、店へのアクセスといった情報を確認します。その時、プロフィール欄が整っていなければ離脱してしまいます。
③投稿内容の決め方
河内さんのアドバイス |
どんなお客様に来店してほしいかをふまえた投稿を考えてみましょう。ブリーチカラーのお客様に来店してほしいのに、パーマスタイルやカットスタイルの投稿ばかりでは、ブリーチをしたいお客様がアカウントを見ても任せたいとは思いませんよね。ただ、自分の方向性を悩んでしまう場合は、「とりあえずカラーが好きだからカラーを上げてみよう」など、ラフな感じで始めてみるのもOK。継続して投稿をすることが最も大事なので、自分の得意分野を前向きな気持ちで投稿するようにしましょう。
また、お客様が今どういった情報を求めているのか、どういう悩みを抱えているのか、といったニーズやトレンドを汲み取って反映させていくことを意識できるとより良いと思います。
④画像や動画を撮影・加工・編集する際に意識するべきポイント
河内さんのアドバイス |
撮影機材や編集ツールは、自分が使いやすいものを選べば大丈夫です。スマホでも十分ですし、スマホだとその後の加工編集がやりやすいというメリットもあります。一方で、一眼レフカメラを使うと写真のクオリティが上がるので、他の美容師との差別化が図れると思います。
画像は、気持ち明るめに撮影できるようカメラを設定するか、加工で明るく調整するのがマストです。特にiPhoneだと屋外で撮る時に逆光を防ごうとして自動で明るさが下がってしまうこともあるので、一段階明るい設定にするのがおすすめです。
写真の加工は、継続投稿のしやすさという観点で、加工アプリの「Snapseed(スナップシード)」がおすすめです。Google社が提供しているアプリなので信頼性が高く、有料級の加工機能がたくさん揃っている上に無料なので気軽に使ってみていただきたいです。
動画に関しては、撮るのに慣れることが大切だと思います。まずは、スタッフやモデルさんで練習をしてから、お客様に取り入れるのがポイントです。動画の編集は、使用する方の現状のスキルや今後の目的によってアプリの選び方が変わってきます。初心者の方は、いくつか使ってみて操作性や編集のしやすさを基準に自分に合ったものを見つけると良いと思います。
⑤フィード、リール、ストーリーズといった、投稿タイプの使い分け方
河内さんのアドバイス |
新規のお客様を呼び込むのはフィードとリール、既存のお客様に向けた再来店への訴求や失客防止にはストーリーズと、明確に切り分けて使うのがポイントです。新規集客ができず悩んでいる美容師さんの中には「更新しやすいからストーリーズばかりあげてしまう」という方が意外と多くいます。しかし、そもそもストーリーズはフォロワーにのみ表示される投稿。対してフィードとリールはフォロワーではない人にも届きます。投稿タイプの特長をしっかり把握して使い分けてみてください。
また、現状ではフィードよりリールのほうが表示回数が上がりやすい傾向にあります。そのため、動画のほうが撮影や編集のハードルが高いですが、もし余力があるならリール投稿がおすすめです。ただ、投稿を継続することが重要なので、まずは無理せずフィード投稿から始めてみるというのも全然アリだと思います。
フィード | ・フォロワー以外にも表示される ・新規客の獲得を狙える |
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リール | ・フォロワー以外にも表示される ・フィードより表示回数が上がる傾向にあるため、より新規客の獲得を狙える |
ストーリーズ | ・フォロワーにのみ表示される ・既存客との関係性を構築・強化できる |
⑥投稿文をつくる時に意識するべきポイント
河内さんのアドバイス |
キャプションはできるだけ長くしましょう。Instagramは1つの投稿に対して、視聴者が滞在している時間が長いほど発見タブ※や検索した時の表示回数が増える仕組みになっています。つまり、キャプションをしっかり読み込んでくれる人がいればいるほど、その投稿の表示回数が上がりやすくなるんです。
価格、予約方法、サロンの住所などの文章はテンプレートをあらかじめ作っておき、ハッシュタグもコピペできるようまとめておいて投稿に合わせて選びやすいようにしておくと、手間が少なくなって良いと思います。毎回新しく作る文章は、スタイルのポイントなど、投稿に合わせた内容だけにしておくと投稿作業を簡略化でき、継続しやすくなりますよ。
※ 発見タブ:Instagramアプリの下部にある「虫眼鏡」マークに表示される投稿画面。ユーザーの興味関心に基づいてInstagramがおすすめする投稿が自動で表示される
⑦ハッシュタグに関するポイント
河内さんのアドバイス |
例えばショートへアだったら「#ショート」「#ショートヘア」など、ヘアスタイルのカテゴリー系のハッシュタグを細かくつけましょう。そして、「自分の推しているスタイルや施術」と「お客様が来店する可能性のある範囲の地名」を掛け合わせることがポイントです。当サロンであれば、大阪市の南船場にあるので「#南船場ショート」、「#心斎橋ショート」とつけます。実際にサロンがある地名だけでなく、商圏範囲であれば「#大阪ショート」といった広い範囲でつけても良いでしょう。
ハッシュタグの数は、2023年までは最大30個はつけてくださいとレクチャーしていましたが、2024年に入ってからは15~20個くらいのほうが表示回数が伸びやすいと感じています。Instagram内の変化によるところが大きいので、ハッシュタグに関しては一貫して「これがいい!」とは言えないのが難しいところです。
⑧投稿頻度や投稿する時間帯のポイント
河内さんのアドバイス |
Instagramは新しい投稿の表示回数が伸びる傾向にあるので、まずは投稿頻度を上げることが最も重要です。毎日1投稿を最低ラインにして、できれば1日3投稿できるとより効果的ですね。たくさん投稿しているアカウントのほうが表示回数は伸びやすいです。
1日に複数投稿をする場合は、少なくとも2~3時間は間隔を空けてから次の投稿をするのがベストです。1日1投稿の場合は、ユーザーが多い時間帯の朝9時か夜9時頃にアップするのがおすすめ。
Instagramは過去の投稿があまりおすすめにはあがってこないため、改めて見てもらうために再投稿してもまったく問題ありません。そうすることでより継続しやすくなるはずです。ただし、興味を持ったお客様は3~4スクロールくらいまでは投稿をさかのぼる可能性があります。再掲する場合は直近の投稿は避けるようにしましょう。
⑨投稿をより良くするための分析のコツ
河内さんのアドバイス |
Instagramで検索をした時、おすすめに載っている投稿は同じアカウントのものであることが意外と多いんです。そうした投稿の写真の見せ方や投稿の内容などを真似してみると得られるものがたくさんあると思います。「分析」というと難しく思いがちですが、「真似をする」と考えれば簡単ですよね。Instagramの投稿には「これ!」といった正解がないので、すでに集客力がある投稿を成功例として徹底的に真似することも重要です。
そして、検索で上位に上がっている投稿には、お客様に見られやすかったり、Instagramで表示されやすかったりする理由があります。真似をすると同時に、その投稿のどこが良かったんだろうと仮説を立て、その要素を自分の投稿に取り入れてみる、そして結果を分析するというように、検証ができるとすごく良いです。お客様にアカウントを探し当ててもらうために、自分がお客様だったらどのように検索をしてたどり着くかなという視点を持って検証してみましょう。
また、定期的にInstagramのインサイトを確認して、数字を意識することも大切。ポイントは数字を線で見ることです。点の数字で見てしまうと、外的要因の影響を受けているかどうかがわからず正しく把握することができないので、少なくともインサイトを月単位で見て、継続して行った取り組みや、新しくやってみた試みを振り返ることを習慣づけると◎。保存数やいいね数を見て一喜一憂するのではなく、「どこを改善すると良いか」という視点を持つことが「なんとなく運用」を脱する、成功の鍵だと思います。
⑩リクルートに効果的な「コラボ機能」活用のコツ
河内さんのアドバイス |
Instagramの「コラボ機能」とは、リールやフィード投稿を他のアカウントと共同投稿できる機能です。これを使うとスタッフのアカウントとサロンアカウントを連動させることができます。スタッフが個人アカウントに投稿する時、他のアカウントを共同投稿者として設定すると、サロンアカウントのほうにも同じ投稿がアップされるという仕組みです。
スタッフ達が個々のアカウントでコラボ機能を使って投稿をすればするほど店舗アカウントにもその投稿が積み上がっていくので、特に店舗アカウントで投稿をしなくても自然と運用ができる点がメリットの1つです。また、サロンアカウントの投稿を見た人が「この写真いい!」と思ったら、スタイリストのアカウントにすぐ飛べます。逆にスタイリストのアカウントを見て「どんな店なんだろう」と興味を持ってくださった方が、すぐにサロンアカウントに飛べるという点も魅力だと思います。
SNSに苦手意識を持っている美容師さんへのメッセージ
Instagramを集客アップにつなげる目的で運用するなら、毎日アカウントを動かし、1日の投稿頻度を高く設定することは必須。そのためには、いかに気軽に投稿できるかという点がかなり重要なポイントになってきます。投稿を作成する時間の短縮を意識して、「よし!やるぞ!」と意気込むことなくラクにアップできるのが理想だと思います。
でもサロンワークがある中、リール作りに2時間かかるとなると毎日継続はできないですよね。フィードであれば5分以内、リールなら動画の編集も込みで20分ほどで終わらせることを目標にして、投稿を日常に溶け込ませるのが継続運用のコツです。そうすれば結果は自然についてきますよ。
(執筆/鈴木美奈子、取材・編集/A PRESS編集部、撮影/張田亜美)