「dAnce.」で作る次世代ウルフ! LECO内田さん・jurk沢井さんが伝授する2021年・夏トレンドのスタイリング
施術の最後を彩るスタイリング。どのスタイリング剤を、どのように使うかで同じカットでも印象が異なるスタイリングは、お客様がサロンから出る瞬間の満足度にもつながるポイントです。
そこで今回は、「Dance design tuner(ダンスデザインチューナー、以下「dAnce.」)」を使って作り出す、2021年夏におすすめするトレンドのスタイリングを、LECO代表・内田聡一郎(うちだ そういちろう)さんと、jurk代表・沢井卓也(さわい たくや)さんに伺いました。
※本記事のスタイルは2021年6月7日にオンライン配信された「Cut & Finish work Seminar」で紹介したものです。実際のセミナーでは、カットの仕方、ポイント、カラーについても解説されました。
イメージは80’sのミュージシャン! 「ブレイクキープ×モダンシマー」でパーマニュアンスを生かしたショートボブウルフ ――LECO 内田聡一郎さん
モデルさんのパーマ風の毛質を生かしたショートボブウルフ。80年代のミュージシャンがセルフカットで作ったようなウェイトの低いシルエットがポイントです。トップにしっかりレイヤーを入れつつミドルセクションに長さを残し、タイトな中にも重みが出てくるスタイルに。しっかりスタイリング剤を付けることでクシャッとしたパーマニュアンスを引き出し、顔まわりの動きを作りました。
2020年からレイヤースタイルが徐々にトレンドになってきていますが、2021年の夏はレイヤースタイル、中でもショートウルフに注目しています。また、近年ハイトーンカラーが定着してきたので、今までハイトーンだったお客様にもそろそろ新しい提案をしていきたいところ。そこで、パーマなどウェイビーな感じがトレンドになってくると見ています。今回紹介するパーマを生かしたウェイトが低めのショートボブウルフは、ウルフスタイルのネクストトレンドにしていきたいスタイルですね。
スタイリング方法:スタイリング剤はたっぷり使うのがポイント! セミウェットの状態で後ろから揉み込んでいく
カット後、霧吹きなどで水分を足して60%程度のセミウェットにし、スタイリング剤を付けていきます。今回はワックスジェルの「ブレイクキープ」とトリートメントオイルジェリーの「モダンシマー」を1対1でミックス。後ろからトップ、サイドと揉み込んでいき、前髪にも付けていきます。
スクランチするとクシャッとなる毛質を生かして、トップからサイドへふわっとしたAラインに広がり、ミドルセクションに長さと重みが出るように動かしていきます。後ろのミドルセクションの長さが、前から見たときに耳の横から少し見えるくらいに調整。さらに、前髪もクリクリと動かしてあげるとよりかわいくなります。おろしたままならストリート、リバースにかきあげるとクリエイティブな印象に。前髪部分で遊ぶとスタイルの印象も大きく変わりますよ。
スタイリング剤の量は毛量に合わせて調整してください。おすすめは、ケチケチせずにたっぷり使うこと。そのほうが、髪の動きや艶感がしっかり出ます。
使用したdAnce.の特徴:キープ力抜群でパーマの柔らかさを生かすブレイクキープ×艶感を表現するモダンシマー
今回のポイントは、「ブレイクキープ」と「モダンシマー」をミックスすることです。ブレイクキープは抜群のキープ力でパーマを生かす柔らかな動きを、モダンシマーは独特の艶感を引き出すスタイリング剤。組み合わせることで、メンズのパーマスタイルとは異なる新たな質感を表現できます。
モダンシマーを単品で使っている美容師さんは多いと思いますが、そこからちょっと進化させてブレイクキープを10%組み合わせるだけでも、表現が変わってきますよ。ロングやミディアムのパーマスタイル、パーマをかけたセミウェットなスタイル、またレイヤーを入れた積み重ねで作るスタイルをウェッティに仕上げるのにもおすすめです。
ストリートだけどナチュラルさも感じる。 「フラプライマー×モダンシマー×ロッキンムーブ」で作るボブベースのウルフ調スタイル ――jurk 沢井卓也さん
ボブベースのウルフ調スタイル。ストリートを感じさせながらも、女性らしいナチュラルさも表現できるラインを狙っています。サイドからバックはワンレンですが、しっかり内側を調整することでウルフのシルエットを表現。U字でオン眉の前髪と、角を残した姫カットのような顔まわりがポイントです。
どの長さでも近年人気のウルフスタイルですが、一般的なマッシュウルフがかなり定番化し、それだけでは物足りなくなってきています。マッシュのラインに角があったり、ショートで遊びのあるイメージだったり、ボブニュアンスを入れてみたり。そういった変化をつけることで、大きく雰囲気が変わってきますよ。
スタイリング方法:モダンシマーはコーミングで艶を出す! 毛先を重点的に調整、角を作るのがポイント
カット後、ドライヤーで細かな毛を飛ばしながら、量感やどのくらい髪を動かすとかわいいのかを判断します。風が入ったときに動きが出てより良くなることも。ドライヤーで内側に風を入れてから、顔まわりをリバースで一度すくいあげ、前に入るようにさっとおろすと、自然な動きが出てかわいくなります。
ある程度ドライヤーと手で形を整えたら、オイルの「フラプライマー」を内側から全体に付け、続けてトリートメントオイルジェリーの「モダンシマー」を、量を取りすぎないように注意して付けていきます。襟足、前髪に内側から付けていき、毛先を重点的に調整、角をしっかり作るのがポイント。重めにカットしているぶん、スタイリングで動きを付けてあげます。
モダンシマーが調整できたら、一度コーミングを挟みます。前髪、襟足部分に形を整えながらコームをかけると、一気にモダンシマーならではの艶感が出てきますよ。ブリーチ毛でこの艶感を引き出すのはなかなか難しいのですが、モダンシマーなら簡単にホワイトシルバーが生きる艶感が生まれます。
最後にハードワックスの「ロッキンムーブ」を少量取って、毛先、特に顔まわりの姫カット部分に躍動感を与えるイメージで調整していきます。バックの襟足も広げて角が生きるように動かし、スタイルを決めていきます。
使用したdAnce.の特徴:「モダンシマー」はどのバームやオイルよりも収まって艶が出る
今回のスタイルはモダンシマーを軸に考えて作り上げました。モダンシマーは、これまで使ってきたどのオイルやバームよりもしっかり収まると感じています。ボブスタイルにはかなり使いやすく、他にも濡れ感のあるタイトなスタイルなど、とにかく収めたいときに重宝します。
今回はその収まりの良さと艶感を生かしながらも、少し動かしたかったので、フラプライマーをベースに付けました。モダンシマーはグリース寄りで少し引っ掛かりがあるので、先にオイルを付けておくと、滑りが良くなり馴染みやすくなります。そして最後のキープ力はロッキンムーブ。それぞれの特徴を活用し、組み合わせて使うことで、新たなヘアスタイルが提案できると思います。
沢井卓也Takuya Sawai
jurk代表/クリエイティブディレクター
2019年4月にjurkをオープンし、2020年8月に拡張移転を果たした。アパレルとコスメ、トータルでデザインできるサロンに。ファッション、ライフスタイルにフィットしたデザイン創りに定評があり、多数のファッション関係者、モデル、美容師を顧客に持つ。また各種コンテストにおいても輝かしい功績を残している。
Instagram:@sawaitakuya
(取材・文/A PRESS編集部)
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