グレイカラーも明度と彩度が求められる時代へ。新プライムはダメージ配慮はそのままに、寒色でもしっかり白髪をカバー
2022年3月、頭皮と髪のダメージに配慮したヘアカラー「カラーストーリ― i プライム(以下、現iプライム)」(医薬部外品)が、グレイカラーに特化した「カラーストーリー プライム(以下、新プライム)」(医薬部外品)として生まれ変わります。新プライムの特徴は頭皮と髪への配慮はそのままに、暖色はもちろん、寒色でも高い白髪カバー力があること。これまで白髪染めでは難しかった寒色の表現を広げます。
「白髪のお悩みと、なりたいスタイルにしっかり応えてグレイカラーをファッションカラーと同じように楽しんでいただければ、お客様との信頼関係をより強く築け、ひいては生涯顧客につながる」と話すのは、新プライム開発協力サロン「fuhcoh(フーコー)」オーナースタイリストの坂本耕平(さかもと こうへい)さんと、「éclat daikanyama(エクラ・ダイカンヤマ)」ヘアカラーケアリストの吉永恭将(よしなが きょうすけ)さん。
お二人に、サロンオーナーとヘアカラーケアリストとしてのそれぞれの立場から、これからの美容師やサロン運営におけるグレイカラーの必要性とお客様のニーズ、そして新プライムの特徴を伺いました。
明るいグレイカラーで他サロンとの違いをしっかりつくって信頼関係構築を。新プライムならワンブランドで白髪染めをすべてまかなえる――fuhcoh 坂本耕平さん
グレイカラーの傾向と必要性:グレイカラーにも明度と彩度を。他サロンとの違いが、信頼関係づくりにつながる
―― 現在のグレイカラーや美容室へのニーズはどのように変化していると感じていますか?
坂本さん(以下敬称略):今は誰もがスマートフォンで情報を得られる時代。特にコロナ禍で時間の使い方に変化が生まれたからか、「頭皮にしみないか」「染料は何か」などご自身で調べる方が増え、お客様の知識は確実に向上しています。だから、ダメージに配慮した薬剤でお客様の頭皮と髪に責任を持つことはもちろん、スタッフがその特徴や他サロンとの違いをしっかり伝えられることがより重要になってきています。
実は当店は、コロナ禍でも業績が下がらず、伸び続けているんですよ。その理由の一つが、頭皮と髪に配慮し、仕上がりの良い現iプライムでのグレイカラーによって、お客様との信頼関係を築けたこと。さらにその安心感を発信し広げられたことで、新規のお客様が増えてきたのだと思います。
また、SNSの普及でさまざまなスタイルが目に入るようになったことで、なりたいスタイルの要望も具体的になってきました。特に、明度と彩度の要望は強く、より明るく、よりきれいな色を求められますね。
―― グレイカラーにおいても、明度と彩度が求められているんですね。
坂本:はい。ただ、まだまだ白髪染めは「暗くなるのでは」「こんな明るい髪色にはできない」というイメージがあって、明るくしたいなと思いながらも諦めている方もいらっしゃいます。
新プライムは、そこへ「白髪もしっかりカバーしつつ、明るい髪色にできるんですよ」「白髪染めでも寒色系の色みにできるんですよ」と新たな提案をしていけるアイテム。こういったアイテムや提案で、これまでの白髪染めのマイナスイメージを払拭して、グレイカラーをもっと楽しいものにできればいいですよね。白髪染めでお客様の要望へしっかりとお応えできれば、大人世代とのコミュニケーションの活性化につながり、その後の生涯顧客づくりにもつながるでしょう。
新プライムの特徴と活用方法:シンプルかつ多様性のあるカラー剤。ワンブランドで白髪染めを全カバーできる
―― 実際に新プライムを使ってみて、どんな点が特徴的だと感じましたか?
坂本:単色でも十分勝負できるカラー剤。それでいて、明度や用途に合わせて幅広いタイプが用意されている、シンプルかつ多様性を持ったラインアップだと感じました。だからワンブランドで白髪染めについてはすべてカバーできる。これはサロンオーナーにとってはありがたいポイントです。ワンブランドでまかなえれば在庫管理やスタッフへの教育もしやすくなります。
また、使用感もよかったです。最初は少し緩いかと思ったのですが、実際に塗布すると塗りやすくてスライスが取りやすかった。ある程度の粘度があるので根元はためやすく、それでいて毛先は伸ばしやすい。だから、適正なカラー塗布量に持っていきやすいと思います。そして乳化しやすく流しやすい。シャンプーがまだ完璧ではないアシスタントだと、顔周りにカラー剤が残りやすい傾向がありますが、新プライムに関しては乳化でほとんどとれるので、顔周りに残っているのが気になることがほぼなかったです。
―― 快適性はいかがでしたか?
坂本:現iプライムのよさをしっかり引き継ぎつつ、さらにこれまで以上にクオリティーが上がっていると思います。もともと現iプライムでもお客様からは「fuhcohさんに来て、カラーがしみにくくなった」「髪が傷みにくくなった」という声がとても多いんですよ。新プライムのサンプルでもその反応は変わらずに、より一層改良されていると感じました。だから、現iプライムユーザーの美容師さんにもクオリティーに期待してもらっていいと思います。
―― カラーラインアップでは、新プライムになり、ファッションカラーのような色合いで寒色でもしっかり白髪をカバーできるハイブリッドタイプが新たに登場しました。
坂本:空前のブリーチブームの中で、グレイカラー世代でもインナーカラーやイヤリングカラーを楽しむ方が増えています。ポイント部分ではグレイ系やグレージュ系が人気です。ハイブリッドタイプは、そこへアプローチしていける薬剤ですね。また、寒色に特化しているので退色がきれいなことも、使いやすいポイントです。
従来のメンテナンスとしての白髪染めは暖色が多かった中で、ファッションカラーのような寒色系で白髪もしっかりカバーできるというのは、他のサロンと差別化しやすく、「このサロンを訪れる理由」づくりになります。
グレイカラーで、10年後の髪に責任を持ち、お客様の日常まで彩る仕事を
坂本:僕自身もそうですが、コロナ禍で改めて美容室の価値の高さを感じた方は多いと思います。今の閉塞感がある環境で、美容室を訪れることが大変な方もいらっしゃる中、せっかく来てくださるなら、これまでとの違いが分かるカラーにしてあげたい。そして髪がきれいになって、心まで明るくなって、周囲から褒めてもらえたり、明日からの楽しみになったり。そういうお客様の日常まで彩れるような仕事が、これからのカラーの価値には必要になってくると思っています。
カラーで生活を豊かにしていくには、10年後・20年後の髪にも責任を持てる“ダメージへの配慮”は欠かせません。ダメージに配慮した薬剤選定と施術は大前提、その上で色みの遊びや一人ひとりに似合う色を選ぶ。このための素材選びは、美容師にこそできることです。
美容師にとって使いやすく、オーナー視点でも管理しやすい。さらに頭皮と髪へ配慮し、明度と発色がいいグレイカラーとなった新プライムは、きっとこれからのサロンカラーの価値を支えてくれると感じています。
坂本耕平Kohei Sakamoto
fuhcoh オーナースタイリスト
山口県出身。1店舗を経て、2007年に福岡でfuhcohをオープン。美容とサロンで過ごす時間を通してお客様が癒されるような「街の“オアシス”」をコンセプトに、現在は福岡県北九州市・山口県下関市で6店舗を展開する。高いカット技術に定評があり、子どもからご年配の方まで、幅広いスタイルに対応。髪質改善や低ダメージのカラー施術にも力を入れ、常に一人ひとりのライフスタイルに合わせたヘアスタイルづくりを心掛けている。
Instagram:@fuhcoh
血色をよく見せたい大人女性と、トレンドを楽しみたいファーストグレイ世代。新プライムはどちらのお客様にもフィットする――éclat daikanyama吉永恭将さん
グレイカラーの傾向と必要性:20〜30代のファーストグレイ世代と40〜50代の大人女性、どちらにもアプローチするのが大切
―― グレイカラーのニーズはどの程度感じてらっしゃいますか?
吉永さん(以下、敬称略):サロンのコンセプトやターゲット層によっても異なると思いますが、僕個人としてはカラー顧客の過半数、多い日だと8割近くがグレイカラーです。業界全体としても40〜60代の大人女性は今後、より増えていくでしょう。
また近年、グレイカラーの客層の下限が下がってきたと感じています。あくまで体感ですが、20代や30代でファーストグレイという方が増えてきているように思うんです。もしかしたら男女関係なくハードに働く方が増えてきたり、生活スタイルが変わってきたりして、日頃受けているストレスが増えているのかもしれないですね。
―― 20〜30代は、白髪が数本気になっても、全体を白髪染めでというと躊躇される方もいらっしゃりそうです。
吉永:確かに、白髪染めと言われると「まだそこまででは」と感じる方や、「白髪染めは暗くなるんでしょ、まだ明るいファッションカラーを楽しみたい」という方もいらっしゃいます。だからこそ、いかにそのイメージを取り払い、カラーを楽しみながら白髪をカバーする提案をしていけるかが、大切ですね。
どの世代も共通して艶とダメージへの配慮に対するニーズが高い。その上でさらに、40代〜の大人女性は「血色をよく見せたい」というニーズが強いため、暖色を好まれます。一方でファーストグレイ世代にはトレンドのグレージュなど寒色系のカラーが好まれる傾向がある印象です。
寒色を好む20〜30代も、数年後に40〜50代をむかえると、自然と暖色を選ぶようになると思います。でも、ファーストグレイのうちから白髪のお悩みと、なりたいスタイルに応えていければ、しっかりとした信頼関係が築ける。そして40代、50代と年齢を重ねても通い続けていただける生涯顧客となり、また私たちの提案も受け入れていただきやすくなるんですよ。
新プライムの特徴と活用方法:均一性と透明感に優れ、ダメージ度合いの違いをお客様自身が感じた。単価アップも検討中
―― 実際に新プライムを使ってみて、いかがでしたか?
吉永:現iプライムも使いやすいカラー剤ですが、多くのポイントがさらにパワーアップしていると感じました。サロンメニューとして「プライムカラー」と名称を変えて、単価アップしてもいいのではと検討しているくらいです。
特にお客様から反応があったのは「均一性・透明感」。「このカラー剤は、よりきれいに染まっていると感じる」との声がお客様自身から上がり、また美容師としてもそう感じました。黒髪と白髪のリフトの均一性が優れているので、全体の明るさと色みがそろっていると感じ、それが透明感につながる。また、どの色も髪のアンダートーンをしっかり抑えていて、白髪染め特有の黒みや赤みが少ないので、寒色系も暖色系も透明感と狙った色みが表現できます。
さらに、色持ちがいい。1カ月、2カ月、3カ月とさまざまなパターンで経過を確認しましたが、どの場合もリピート時に程よいブラウン量が毛先に残っていました。色が残っていることで光の反射が生まれるので、それによって艶があるように感じます。お客様自身も「艶が長持ちして、いつもよりパサパサ感がなく潤いがあるように感じる」とおっしゃっていました。
―― お客様自身が、均一なカバー力や、艶感とダメージ度合いの違いを感じられたんですね。
吉永:そうなんです。髪のダメージをお客様が感じやすいのは「毛先がパサパサに見える」「指を通したときに引っかかる」の2点。新プライムでのカラーで毛先には微アルカリ・OX2.8%を使っていれば、指通りが引っかかることはほとんどないですし、毛先に色み・艶感が残る。だからお客様にとってはダメージを感じにくく、よりグレイカラーを楽しめるようになっていると思います。
―― 先ほどファーストグレイ世代は寒色を希望する傾向があるとの話がありましたが、新プライムで新たに登場した、寒色をカバーするハイブリッドタイプはいかがでしたか。
吉永:グレージュっぽいくすみ感のある、白髪も染まるカラー剤と捉えて使っていました。主に「いつもはファッションカラーだけど、白髪が1〜2本出てきて気になっている」というファーストグレイ世代に使ったのですが、「白髪染めは黒っぽくなると思っていたのに、きれい」「もう、いつものアッシュは無理かと思っていたけど、できるんだね!」と喜ばれました。
また、ハイライト時にホイルの間に入れるベースカラーとしても使いやすかったです。全体を寒色で、そこにハイライトが入ってくるのでしっかり明るさを表現できるんです。さらにシャンプー時にベースカラーを馴染ませながら軽く乳化すると、ハイライト部分にもちょうどよく淡いグレージュ感が入ります。時短になって仕上がりがきれいなので、新しい鉄板になってくると思っています。
―― ホームケアアイテムの「ポイントコンシーラー」「ポイントファンデ」「ポイントカバー」はどのように活用できますか?
吉永:実はどのお客様も聞いてみると、3週間サイクルで来店されている方であっても、「来店の1〜2週間前に生え際の白髪が気になっていた」とおっしゃるんです。「こんなに頻度が高くても気になるなら、何か対策を考えなければ」と思っていました。次回予約時にサイクルの1週間前を提案したりもするのですが、みなさんが来られるわけではありません。そこでホームケアアイテムを紹介できると考えています。
酸化染毛剤の「ポイントカバー」は、分け目と生え際のTゾーンのみに使い、コーミングはしないというルールを決めて提案していきたいですね。あくまでいつものカラーサイクルの最後の1〜2週間のストレスを緩和させるものとして、「いつもきれいで、ストレスのない状態でいてほしい。そのために必要だったら、ホームカラーもやってもいいんですよ」とお伝えする。その上で「自分でカラーをするのは避けたい」という方には、1度のシャンプーで落とせる毛髪着色料の「ポイントコンシーラー」や「ポイントファンデ」を提案できるでしょう。
「ポイントカバー」をお客様へ提案するかどうかは、美容師さんによって意見が分かれるかもしれません。でも僕は、これを使って確実にお客様からの美容師としての信頼度が上がったと感じています。その結果、全体カラーやハイライト、トリートメントなどの提案もすんなり受け入れていただけるようになるんですよ。
カラー剤は、お客様の期待を超える提案をしていくための相棒
吉永:僕たちカラリストにとって、ヘアカラーはお客様の悩みを解決し、ポジティブな気持ちで人生を楽しんでいただくためのツール。ワクワクする気持ちを大切に、よりよいデザインや上質なヘアカラーを提供していく上で、切っても切れない存在である相棒が、カラー剤です。
毎回お客様の期待を、半歩でも超える提案ができると、お客様の喜びも倍増していきます。新プライムは、お客様の期待を超える提案を実現するためのいい相棒になっていく。実際に使ってみて、そう確信しました。20〜50代すべてのお客様にフィットするので、多くの美容師さんに使ってみてほしいですね。
吉永恭将Kyosuke Yoshinaga
éclat daikanyama ヘアカラーケアリスト
ハリウッド美容専門学校卒業後、都内大型店舗を経て、パリやバンコクでカラリストとして活動。2013年4月に帰国し、éclatへ参画。モデル、アーティストなどさまざまな顧客を担当し、サロンワークはもちろん、メディア撮影や講師としても活躍する。髪の素材美を生かした傷まないカラーを得意とし、一人ひとりの肌や瞳の色、ライフスタイル、トレンドに合わせた提案を心掛けている。
Instagram:@eclat_daikanyama
(取材・文/A PRESS編集部)
2022年3月発売予定の「カラーストーリー プライム」のサンプルご希望や詳細については、アリミノ担当営業までお問い合わせください。