プロの仕事を支える「ちょうど良い濃さ」と洗い心地の良さを追求!アリミノ初のカラーシャンプー開発の裏側
2021年10月、高明度・強発色が特徴のヘアカラーブランド「アジアンカラー フェス」より、カラー剤の新色3色(医薬部外品)とカラーシャンプー2色(PURPLE/PINK)が発売しました。新色はペールトーン色調のCONTROL SERIES、「CLEAR SILVER」「CLEAR BEIGE」「CLEAR APRICOT」。さらに、カラーシャンプーの発売はアリミノ初となります。
そこで今回は、アジアンカラー フェスの開発担当者である商品開発部の秋山愛(あきやま あい)とマーケティング部の杉崎容子(すぎさき ようこ)に、今カラーシャンプーを発売する理由やこだわりなど、カラーシャンプー開発の裏側を聞きました。
さらに、開発協力サロンであるDaB AOYAMAディレクターの盛隆行(もり たかゆき)さんからのコメントもいただいています!
>CONTROL SERIES新色開発の裏側はこちら:
https://apress.arimino.co.jp/product-20211026-001/
プロの仕事を邪魔せず、お客様のカラーを美しく保つ濃さのカラーシャンプーを追求
―― 今回、カラー剤と同時にカラーシャンプーを発売するのも注目です。アリミノとしても初のカラーシャンプーですが、なぜこのタイミングで展開することにしたのでしょうか?
秋山:ここ2〜3年、ハイトーン人気に比例するようにカラーシャンプー市場が熱くなっており、美容師さんからも「アリミノさんからカラーシャンプーは出ないの?」というお問い合わせを多くいただいていたんです。また、「お客様から『カラーシャンプーしたほうがいいですか?』と相談されることが増えている」とも伺っていました。
そこで当社としてもカラーシャンプーを出したいと考えていたところ、今回のCONTROL SERIESの新色発売が決まったので、ならばハイトーンのアイテムとして一緒に出そうとなりました。
―― ということは、カラーシャンプーも開発開始から1年での発売ですか……?
杉崎:そうなんですよ(笑)。とはいっても、もともとブリーチ毛用のシャンプーが研究所で開発されていたんです。それをベースに染料を組み合わせて作りました。もし0からの開発だったらこのスピードではできなかったですね。研究所で日頃からさまざまな開発をしているからこそ実現できたと思います。
秋山:ベースのブリーチ毛用のシャンプーは、ダメージしやすいブリーチ毛でも絡みづらく滑らかな洗い心地になるように開発されていたもの。毛髪補修成分の「ベタイン」も配合されています。これが今回のカラーシャンプーの特徴の一つにもなりました。
カラーシャンプーを選ぶときは色に注目しがちなので、使い心地についてはあまり調べたり気にしたりしないという方もいると思います。でも、美容師さんからは「ブリーチ毛のお客様にサロンワークでシャンプーをするときはすごく気を遣う。絡まないように洗うのは大変だ」という声が多く聞かれたんです。
その点、今回のカラーシャンプーは洗い心地を高く評価いただいていて、開発協力サロンさんからも「使ってみてすぐに洗い心地の良さが気に入った」とのフィードバックをいただきました。
―― サロンワークでの使いやすさという視点で、他にも特徴的なことはありますか?
秋山:容器も、プロの声を聞いてしっかりこだわりましたね。
シャンプーのボトルは、ペットボトルのようなスクリュータイプやキャップ式など、さまざまな形状があります。それぞれに特徴はあるのですが、サロンワークでは手間が少なくて素早く取り出せるポンプ式が使いやすい。一方で、カラーシャンプーの使用頻度はそこまで高くないので、サロン用のポンプ式パッケージで多い業務用サイズを置くほどではない。だから、程よい小ささのポンプ式があるとうれしいという声をいただいていました。
そこで、280mLのポンプ式を採用。できるだけ使用後に一滴も垂れないように、液だれしないものをいろいろなポンプを比べたうえで選びました。
杉崎:この選択によって、結果的にご自宅でもさっとシャンプーを出せるし、白いお風呂場に色が付きにくいため、一般のお客様の使いやすさにもつながっていると思います。
―― 色については、今回「PURPLE」「PINK」の2色が同時発売ですが、なぜこの2色になったのでしょうか?
秋山:カラーシャンプー市場でもっとも使われている2色だからですね。黄みを抑える紫シャンプーが断トツで使われているので、まず「PURPLE」は確定でした。また、市場で2番目に多いのがピンク。アジアンカラー フェスでは暖色のカラー剤を好んで愛用してくださっている美容師さんが多いので、そこをより支えるのに暖色のカラーシャンプーとして「PINK」の展開も決定しました。
―― 色みについてはどんな点にこだわりましたか?
秋山:「プロフェッショナルの仕事の邪魔をせず、次のカラーもしやすい濃さ」を第一に、お客様がご自宅で使用して変な黄ばみが出ずにきれいな色を保てるシャンプーを目指しました。
今の市場には色の薄いものから濃いものまでいろいろなカラーシャンプーがありますが、中でも、お客様には一度で「染まった!」と感じやすいものが人気の傾向にあります。ただ、使いすぎたり、色が濃く入りすぎてしまったりすると、次回の来店時にその色が残ってしまうことがあるんです。そうなると、美容師さんとしては扱いにくくなってしまうんですね。
そこでアジアンカラー フェスでは、クリエイティブなプロの仕事を支えるアイテムとして、美容師さんが次回の施術時にも扱いやすく、さらにお客様の退色も美しく保つカラーシャンプーにしようと決めました。
―― お客様にも満足していただき、プロの仕事も邪魔しない濃さというのは、バランスが難しそうですね。
秋山:濃さをどこに置くかは何度も検証しました。美容師さんがサロンワークでブリーチ後にベースを整えるのに使え、かつ、お客様が日頃ご自宅で使って色みが残らないラインを探りましたね。実際にブリーチしている社員に継続して使ってもらって、毎日使うのがいいのか、2〜3日に1回がいいのかなども確認しました。
杉崎:濃さのほかにも、ムラにならないことも意識しました。カラーシャンプーもカラー剤のように、根元と毛先で色の入り方が違ってしまうことが多くて。でも、一般のお客様がご自宅で使うときに根元と毛先で細かな調整をするのは難しいですよね。
秋山:ムラが出にくいのは、髪一本ずつをラップのように染料で包む処方にしているから。この包み込む技術によって、髪同士の摩擦が起きにくくなり、洗い心地の良さにもつながっています。
杉崎:このカラーシャンプーは、濃いものに比べると、お客様にはすぐには良さが分かりにくいかもしれません。でも、一度で感じる分かりやすさではなく、美容師さんとお客様との信頼あるやり取りの中で紹介いただいて良さを感じていただくアイテムでありたいと思っています。だから、サロンワーク中にお客様との信頼関係を強くするツールとしても使っていただけたらうれしいですね。
開発協力サロンDaB盛さんからのコメント:「ちょうど良く作られたプロフェッショナルなカラーシャンプー」とすすめてほしい
カラーシャンプーを求めるお客様は、一回のインパクトが大きく、「染まった」と感じやすいものを好んで選ばれる傾向にありました。でも、カラーシャンプーでしっかり染めすぎてしまうと、その色素が残留してしまいやすくなる場合があります。僕自身も残留しているお客様の対応をしてきたことは多くありますが、その後のサロンワークで残留を取る作業が増えてしまい、サロンワークとしても大変ですし、さらに髪のダメージも増してしまいます。
今回のアジアンカラー フェスのカラーシャンプーは、デイリーユースとしてお客様がご自宅で使っても次回への影響が少ない、ちょうど良いものとして作られています。しっかり説明すれば、カラーシャンプーの役割と次回へ残留を残さないことの大切さ、そしてこのカラーシャンプーの濃さや絡まりにくさなどがお客様の髪に良いことは伝わるはず。
ぜひ美容師さんから「次のカラーまで考えてちょうど良く作られた、美容室専売のプロフェッショナルなカラーシャンプー」だとおすすめしてください。
盛隆行TAKAYUKI MORI
DaB AOYAMA ディレクター
1983年生まれ、埼玉県出身。2004年日本美容専門学校卒業後、DaBへ入社。サロンワークを中心にスタッフの育成、カラー技術の向上に務め、薬剤開発にも携わる。デザイン性の高いカラーのテクニックには定評があり、お客様からの信頼も厚い。一般誌、業界誌の撮影、また全国各地でのセミナーにて活躍中。
Instagram:@mori_takayuki_
(取材・文/A PRESS編集部、撮影/河合信幸)