顧客満足度、売上、スタッフの技術力、すべてがアップ！ 「ゼロテク®」導入で生まれた好循環——beauriche

―― 「ゼロテク®」導入前に感じられていた課題は何でしたか？

アリサワさん（以下敬称略）：ビューリッシェは、 30代以上の大人女性のお客様をターゲットにしていますが、実際のコア層は50代で、次が40代、20代、60代になっています。40代以上は白髪の悩みも増えてくる年代ですし、「ゼロテク®」導入前は、お客様がこの先もカラーを続けていくことは、髪や頭皮にとっては良くないだろうなということを、お客様と接しながら日々感じていました。

―― お客様から出てきた声ではなく、潜在的な課題として「お客様の髪や頭皮の状態をより良くしたい」と思われていたんですね。

アリサワ：はい。よほど意識の高い方でないと、頭皮の状態までは考えないと思うんですよね。「カラーした後、しばらく痛い」「かゆい」というお客様もいらっしゃいます。そうした悩みをどうにかしたい、何かいい方法はないかとずっと探していて、薬剤の見直しなども視野に入れていました。

あと、「スタッフの誰がカラー剤を塗布しても同じ結果になるように技術力を高めたい」というスタッフの教育面。それと、髪へのダメージを考えてリタッチのみをされるお客様が多かったのですが、リタッチは全体カラーに比べて金額が安くなるため「売上面での改善を図りたい」など、改善点はいくつもあると感じていました。

―― 「ゼロテク®」の導入の決め手は何でしたか？

アリサワ：アリミノさんから「ゼロテク®」という塗布の技術があることを聞いて、「これなら髪や頭皮に良さそう」とすぐに検討を始めました。お客様に少しでもいいサービスを提供したいということはもちろんですが、石川県で導入しているサロンは少ないということだったので、「他サロンがやっていないことをやりたい」ということも検討を始めた理由でしたね。それが2023年7月で、同じ年の10月からメニューとして採用しました。

―― 3ヶ月でメニュー化というのは、とてもスピーディですね。

アリサワ：そうですね。お客様により良いサービス提供をするうえで最適だと思いました。ただ、「ゼロテク®」という新しい技術を導入するにあたって、しっかりと技術を習得し、お客様に自信をもって提供できる状態を整えることが大切だと考えました。

そのため、まずは技術の証明にもなるディプロマを取得してから、メニュー化しようと決めていたんです。そこで、導入を決めてすぐに、スタッフ全員でアンバサダー認定プログラムを受講し、ディプロマを取得しました。

ディプロマを取得することで、お客様にも「技術の裏付けがある」ことを伝えられ、安心して施術を受けてもらえると考えました。また、スタッフ全員で技術を向上させ、足並みを揃えることができる点も、ディプロマ取得の大きなメリットでしたね。

※ ディプロマ：「ゼロテクアンバサダー®」認定資格。アンバサダー認定プログラムを実施し、合格者には認定証を授与。

―― スタッフのみなさんは、最初から導入に前向きだったのでしょうか？

アリサワ：最初は「ちゃんと染まるのか」、「時間がかかるんじゃないのか」、「薬剤の使用量が増えるんじゃないか」という心配の声も上がりました。でも練習を重ねるうちに、すべて思い過ごしだと分かりました。スタッフもカラー剤を頭皮にベタって塗ることに違和感や抵抗感はあったようで、早い段階で「すぐやろう」という気持ちになりましたね。

―― 「ゼロテク®」導入前のトレーニングの様子について教えていただけますか？

アリサワ：営業終了後にウィッグを出してきて、時間を計って全員でトレーニングをしました。ペアになって施術をしたり、施術を受けてみたりもしましたね。私自身、いつもはカラーをすると痛痒かったのですが、「ゼロテク®」で塗布するそれがなくて良さを実感しました。「ゼロテク®」コームも、カーブしていて頭皮にフィットするので、とても塗りやすいと感じました。

―― スタッフから出ていた塗布量や時間についての不安、アリサワさんご自身が期待していた技術の均一化については、どのように解消したのでしょうか？

アリサワ：アリミノさんのインストラクターが、不明点や不安点に対して丁寧に教えていただいたのでスムーズに習得できました。ただ、頭皮ギリギリまで塗るための塗布量やお客様による違いなどはやはり経験を重ねていくことが重要だと思います。

―― 「ゼロテク®」を導入する上で、工夫したことはありますか？

アリサワ：なぜ「ゼロテク®」を導入するのかという点を、スタッフみんなでしっかり話し合いをしました。導入する理由をきちんと理解していないと、お客様へご案内する時も説明できないので。

―― お客様へはどのように周知したのでしょうか？

アリサワ：はじめはお客様には何も言わず、追加の料金もいただかずに「ゼロテク®」で染めてみたんです。それで最後に「実は頭皮につけない『ゼロテク®』という技術で染めてみました」とお伝えしました。すると、今までの塗布方法は「しみていた」「痛かった」ということに気づかれるお客様が多かったんです。通常の塗布方法での不快感が当たり前だと思い込んでいたんだと感じました。

それで「ゼロテク®」に対して、お客様の抵抗感はとくにない様子でしたし、しみない、痛くならない「ゼロテク®」への反応も良かったので、そのままメニューとして採用することにしました。

―― 事前に説明すると、本当の反応が得られないからあえて伏せたんですね。メニュー化してからの周知方法はどうされましたか？

アリサワ：10月にディプロマが届いてからは、ポップを鏡面に貼ったり、ブログやSNSで紹介したりして、お客様に周知しました。インスタグラムを見ていただいたお客様も多かったようですね。導入してからは、「うちではこの塗り方をしています」ということをお伝えしていて、それに対して、拒否されるお客様はほとんどいらっしゃらず、いまでは「ゼロテク®」の施術率は99％です。

―― 99％とはすごいですね！ 理解を得るために苦労もあったのでは？

アリサワ：ポップなどに書いてあることでほとんどご理解いただいていると思います。それでも「根元が塗れていないのでは」と気になるお客様へは、「根元からベタッと塗るのでおっしゃってください」とお伝えしています。お客様に合わせて、施術の仕方を変えるということを大切にしています。

ただ、ベタッと根元から塗ってほしいとおっしゃるお客様でも、頭皮に負担の少ないことや白髪が出てくるタイミングも通常のカラーと3、4日しか変わらないことを説明すると「じゃあ、『ゼロテク®』でお願いします」となることが多いですね。逆に１回「ゼロテク®」を体験してもらうと「もうベタッと根元から塗られるのが怖い」と言われることもあります。

―― 「ゼロテク®」を経験したお客様の声について教えてください。

アリサワ：とにかく「楽になった」とおっしゃるお客様がすごく多かったんです。頭皮にしみないし、痛くなくなることが理由だと思います。頭皮にカラー剤がつかないので負担感は軽減されると思いますし、私自身も頭皮につく塗布方法は、もう受けてほしくないと思います。

―― お客様に「ゼロテク®」の満足度に関するアンケートを取られたそうですが、結果はいかがでしたか？

アリサワ：私たちからのアンケートだとお客様に気を使わせて「良かった」という答えが多くなると思ったので、メーカーさんからのアンケートということで約100名の方に回答していただきました。すると染まり具合に「とても満足」「満足」と答えてくださったお客様が95.9％もいらっしゃったんです。私たちの肌感覚で、お客様にご満足いただけているとは感じていました。ただ、従来のカラーと比べたとき、染まり具合に多少の不満はあるのかなとも思っていたんですが、その心配は払拭されました。実際、約92％のお客様が、今後も『ゼロテク®』を希望したいと回答されていたんです。残りの約8％の方は「どちらでもよい」という回答で、「希望しない」という方はいませんでした。アンケートをやって実際に数値化してみたことで、私たちが提供しているサービスにより自信が持てました。

一方で、「どちらでも良い」と回答されたお客様もいらっしゃいましたが、その多くが60代でした。やはり、根元からベタッと塗られることに慣れている方が多いのかもしれません。

―― 「ゼロテク®」導入前と導入後でお客様の変化を感じることはありますか？

アリサワ：50歳を過ぎたお客様は、「白髪を活かしたヘアスタイル、カラーをしたい」という要望が増加していきます。「ゼロテク®」で施術することで、「頭皮にそこまで負担をかけずにカラーチェンジができるなら挑戦したい」というお客様が増えている気がしますね。年齢が上がってくると根元のボリュームが気になる方が多いのですが、ボリュームが出やすくなったとも言われます。

また、ブリーチの際も「ゼロテク®」で施術するのですが、「しみる・痛い」というのがないため、若い子にも受け入れられています。アンケートをみると、10代のお客様の場合は「今後ずっとこのカラーをし続けていっていいのか」という不安を持っている方が多かったことも分かりました。

こうした声を受けて感じるのは、若い子も、年齢を重ねた方も、よりヘアスタイルを楽しみたい意識が高まったのかなと。そういう意味でも、「ゼロテク®」は、うちのサロンが掲げる「潜在美を引き出す」ということの実現に貢献してくれている気がしています。

―― 売上についてもお伺いしたいのですが、「ゼロテク®」を導入したことで、課題となっていた売上はどのように変化しましたか？

アリサワ：「ゼロテク®」を導入したことでカラー料金を500円値上げし、売上にも良い変化が現れています。

―― 値上げをすることに、お客様からの抵抗はありませんでしたか？

アリサワ：とくに抵抗感はありませんでした。それは、全員がディプロマを取っていたという点がとても大きかったからだと思います。またカラー料金の値上げは500円でしたが、客単価は1000円ほど上がっていました。

―― それはなぜでしょう？

アリサワ：「ゼロテク®」でのカラー施術に変えたことで、お客様の意識が頭皮に向いて、「じゃあスパもやってみようかな」、「トリートメントをやってみようかな」と、今までよりも、頭皮や髪のケアにお金をかけるようになった人が増えた気がします。頭皮に意識が向いたことで、美容師側としてもヘッドスパメニューやホームケア商品をおすすめしやすくなりましたし、お客様との信頼関係がより強くなったことで、お客様も私たちの提案によく耳を傾けていただけるようになったと思います。とてもいい循環が生まれたと思います。

―― なるほど。そのほかにサロンとして変化はありましたか？

アリサワ：これは副産物のようなものかもしれませんが、ディプロマを取得するために全員で練習したことによって、スタッフ同士のまとまりが出た気がします。「どういう風にやっていきたいか」というような、私たちが目指す先が一緒になって、意思統一ができるようになったように思います。そういう意味でも「ゼロテク®」のディプロマ取得は、とても良い機会だったと思います。お客様へのサービス向上はもちろん、スタッフ同士の絆を高めるという点でも、「ゼロテク®」をまだ導入されてないサロンさんにぜひおすすめしたいですね。