「ゼロテク®️」施術率90%以上! 「ゼロテクアンバサダー®️」認定サロンはどうやってゼロテクを浸透させたのか?——サロン ド ルイス

Nov 18.2022
CASE STUDY

カラー剤が地肌につかないよう、コームで根元ギリギリの位置から塗布する施術方法「ゼロテク」。埼玉県内に2店舗を展開する「サロン ド ルイス」は、ゼロテクに積極的に取り組んでいるサロンです。2017年にゼロテクを導入、2018年にはアリミノがゼロテクを習得した美容師さんへディプロマを発行する「ゼロテクアンバサダー 認定プログラム」を実施。オーナーの勝又加予子(かつまた かよこ)さんを筆頭にスタッフ全員がディプロマを取得しました。

さらに、アリミノが2022年に開始した店舗全体でゼロテクに取り組むサロンをアンバサダーとして認定する「ゼロテクアンバサダー NEXT 認定プログラム」にもいち早く取り組み、2店舗共にゼロテクアンバサダー 認定サロンとなりました。

同サロンでは、本プログラムを受ける以前から、認定サロンの要件「カラー顧客の50%以上にゼロテクを日常的に行なっていること」「お客様にゼロテクの周知を行なっていること」を大きく上回るほどゼロテクが浸透していたと言います。ゼロテクアンバサダー NEXT認定プログラムを受けた理由、その成果やお客様の反応、さらになぜそれほどまでにゼロテクを浸透させることができたのかなどを、勝又さんに伺いました。

「ゼロテクアンバサダー NEXT認定プログラム」実施情報
導入の背景 ●ゼロテクの良さをもっと多くの人に知ってほしいと考えていた
選んだ理由 ●全スタッフがディプロマを取得しているからこそ、参加実績を残すことでゼロテクの認知と活用率向上の力になりたいと思った
導入による変化 ●ゼロテクアンバサダー 認定サロンの証のトロフィーがあることで、お客様にゼロテクの付加価値を伝えやすくなった
●スタッフ一人ひとりの自信につながった
●サロンの強みが伝わりやすくなり、他店との差別化につながった

導入前の課題:まだ来店されたことのない新規のお客様に対する取り組みの必要性を感じていた

―― 「ゼロテクアンバサダー NEXT認定プログラム」を受けたきっかけは……?

勝又さん(以下敬称略)より多くの方にゼロテクの良さを知っていただきたい、体感していただきたいと考えていたからです。当サロンでは2017年からゼロテクをカラー剤塗布のスタンダードとして進めてきました。現在はほとんどのお客様がゼロテクでのカラー施術を選ばれています。それは、ゼロテクでの塗布の良さを実感していただけているからだと思います。そこで今後は、まだ来店されたことのないお客様に対する取り組みの必要性を感じていました。

―― 「ゼロテクアンバサダー NEXT認定プログラム」を受ける以前に感じていた課題はありますか?

勝又従来のハケによる塗布は、根元までしっかり染まるというメリットはありますが、一方で地肌にカラー剤がついてしまうため、お客様によっては「しみる」「地肌がかゆくなる」といった声があります。また、グレイカラーのお客様の場合、リタッチカラーの周期が短くなり、カラーの繰り返しによる地肌へのダメージを不安に思っている方もいらっしゃいました。

そんなお客様のお悩みを解決できないかと考えていたときにアリミノ担当者から教えてもらったのが「ゼロテク」です。技術を習得するだけでお客様の負担軽減が叶うなら、カラー施術の割合が95%を超える当サロンにとっては、第一優先で取り組むべきことだと感じました。

―― ゼロテクはどのように習得されたのでしょうか?

勝又すぐにアリミノによる講習を受け、お客様へ提案して実践していきました。また2018年に「ゼロテクアンバサダー 認定プログラム」がスタートした際は、スタッフ全員がディプロマを取得。その後も新しいスタッフが入るたびに「ゼロテクアンバサダー 認定プログラム」を受け、ディプロマを取得しています。

導入を決めた理由:スタッフ全員がディプロマを取得している当サロンこそ参加すべきだと直感した

―― 「ゼロテクアンバサダー NEXT認定プログラム」について最初に聞いたときは、どのように感じましたか?

勝又ゼロテクを世に広めるための取り組みであるならば、やらない理由はありません。ゼロテクを当サロンのお客様だけでなく、よりたくさんの人々に広めていくためにも「ゼロテクアンバサダー 認定サロン」になろうとすぐに思いました。

最初は「ゼロテクアンバサダー NEXT認定プログラム」ができた背景に「ゼロテクを1〜2割しか活用していないサロンがあり、活用を促進するため」という理由があることを知って驚きました。一方でその話を聞いて、より取り組んでいきたいという意志が強くなりました。ゼロテクは練習を重ねることで確実に習得できるスキルです。お客様のためにもサロンのためにも良い技術なのに活用されていないのはもったいない。当サロンが参加実績を残すことで、ゼロテクの認知と活用率向上の力になりたいと思ったんです。

導入時の工夫:「カラー剤塗布=ゼロテク」がサロンのスタンダード。土壌が出来上がっていたからスムーズにプログラムに臨めた

―― 「ゼロテクアンバサダー 認定サロン」になるために、行ったことはありますか?

勝又当サロンでは「カラー剤塗布=ゼロテク」がスタンダードになっていて、すでにスタッフ全員がディプロマを取得済みですし、お客様にもゼロテクでの塗布が浸透していました。ですから、カラーのお客様のデータを記録する以外で特別に何かをしたということはありませんでしたね。

ただこの記録が、発見につながりました。実は今回、ゼロテクによる施術人数を集計したことで、2店舗ともカラー顧客のうち90%以上、特に飯能店では97%もの方に支持いただいていることがわかったんです。これまであまり数字は気にしていなかったのですが、改めてこれだけ支持していただけているとわかり、結果としてゼロテクの良さを再認識する機会になりました。

―― 90%以上はすごいですね! なぜそれほどまでにゼロテクを浸透させられたのでしょうか?

勝又最初にゼロテクを導入したとき、サロン全体で取り組んだことがポイントだったのではないでしょうか。「私たちのサロンではゼロテクをやっていきたいんだ」という思いを明確に打ち出せたのだと思います。スタッフ全員が同じレベルで同時にゼロテクを習得でき、お客様にも一気にメリットを周知できました。

―― お客様へは、どのようにゼロテクを提案していますか?

勝又まず、地肌へのダメージに配慮し「しみる・かゆい」「ベタついて不快」などのストレスを軽減できることなどのゼロテクのメリットと、ダメージを心配せずにおしゃれを楽しんでもらうために取り入れていることを口頭でお伝えします。そして、「まずは3回だけやらせてみて!」と、一度は継続して試していただくことをお願いしています。「3回」とご提案するのは、本当に良さを感じていただくには一定の継続期間が必要だと考えているからです。

もちろん「根元からしっかり染めたい」とか「生え際や目立つ部分はハケで塗布したほうが安心」とおっしゃる方もいらっしゃいますし、それはそれで良いと考えています。ただ、選択肢の一つとしてゼロテクを知っていただくために試していただくことは大切ですし、そうした提案が信頼関係の構築につながっていくと思っています。

―― ゼロテクはリタッチ幅が広いと施術が難しいケースもありますが、定期的に来店してもらうためにどのようなメニュー提案をしているのでしょうか?

勝又「カラーメンテナンス」という年間メニューサービスを展開し、25,300円(税込)で年間14回までゼロテクでのリタッチカラーを受けられるようにしました。3回の来店でお得になるので、ほとんどのお客様がこのサービスを利用されています。

特にグレイカラーのお客様は、「少なくとも2カ月に一回は染め直したいけれど、そんなに頻繁にサロンに通うのは難しい」という方が多い印象で、中には次回来店までの間に一度自宅でセルフカラーをしてしまう方もいました。それだと、せっかくサロンに来てくださっても、一回でお客様のなりたい姿を叶えてあげられなかったり、地肌への負担が大きくなってしまったりしますよね。そこで、気軽に通っていただけるようにこのメニューを発案しました。そうすることで、自然と来店周期が短くなり、大半のお客様をゼロテクで対応できるようになったのだと思います。

導入の成果:施術の価値が高まり、他店との差別化に。スタッフの自信やお客様からの信頼性も高まった

―― 「ゼロテクアンバサダー 認定サロン」になって、どのような変化がありましたか?

勝又当サロンのカラー施術の価値が高まり、他店との差別化にもなったと思います。「メーカーからゼロテクの技術力の高さを認められた」ということは、大きなアピールポイントになりますし、私たちのような地方のサロンにとっては励みになりますね。

また、認定サロンとして表彰され、トロフィーをいただいたこともうれしかったです。スタッフ一人ひとりがゼロテクを提供していることへの自信を改めて持てましたし、お客様にも「価値」を伝えやすくなり、新規の方へもゼロテクを提案しやすくなりました。

重要なのは、料金を上げることではなく、価値を上げること。その価値を証明するものとしてトロフィーの存在は大きいと思いますね。

―― お客様からの反応はいかがですか?

勝又トロフィーはレセプションに飾って、お会計の際にはお客様にも紹介するようにしているのですが、反応は良いですね。既存のお客様にも「サロンとしてアンバサダーに認定されたんですよ」と話題にすることで、改めてゼロテクのメリットを伝えるきっかけにもなり、信頼性が上がったと思います。そうした会話の中で、お客様からも、ゼロテクで染めるようになってから「カラー中の違和感が減って快適になった」「仕上がりのボリューム感が変わった気がする」といった感想をいただきました。また、ゼロテクに興味を持って相談してきてくださる新規のお客様も増えました。

―― 一人ひとりへのディプロマだけでなく、サロンとしての認定があると、スタッフの皆様の気持ちやお客様への伝わり方が変わってくるんですね。

勝又そうだと思います。また、これからゼロテクに取り組むサロンさんにとっても、「ゼロテクアンバサダー NEXT認定プログラム」はサロン単位での認定なので、サロン全体で取り組むきっかけになり、スタッフ一人ひとりへの自信にもつながっていくのではないでしょうか。

当サロンではゼロテクでの施術に技術料としてプラス550円(税込)をいただいているのですが、私たちもはじめのうちは「薬剤」ではなく「技術」に対してプラスのお金をいただくことに多少の後ろめたさがありました。おそらく多くのサロンさんや美容師さんが感じるハードルではないでしょうか。このハードルは、一人ではなかなか越えるのが難しいですよね。でも、サロン全体で取り組んでいけば変えていけるものだと思います。

私たちも導入時の講習やディプロマの取得に全員で取り組んだからこそ、「うちのカラー施術では、お客様の地肌への負担を軽減できるゼロテクを推奨しているんですよ」と、お店の特色として説明することができたんです。スタッフも自信を持って提案できますし、お客様の納得感も上がったと思います。

今後の展望:「ゼロテク」は、お客様にもサロンにも地球にも優しい技術。この価値をもっと広めていきたい

勝又最近は、インターネットで「ゼロテク」や「しみないカラー」「地肌につけない白髪染め」「育てるハイライト」などグレイカラー世代に刺さるキーワードを見かけることが増えました。そういった言葉を検索して当店に新規でご来店くださるお客様も増えてきています。

またゼロテクは、地肌のダメージに配慮でき、洗い流す時間が短縮できる点で首への負担も減少、使う薬剤が少なくて済むので環境への負荷も減らせる……と、とても優秀です。このゼロテクの良さをきちんとSNSを通じて伝えていくことが私たちの課題です。アンバサダー認定サロンになったことをきっかけに、もっと美容室同士の横のつながりが持てるようになりたいですし、私たちがやってきたことを通じて、美容業界の発展にも貢献したいですね。

Profile
サロンドルイス オーナー 勝又 加予子

勝又 加予子Kayoko Katsumata

サロンドルイス オーナー

東京都出身。日本美容専門学校卒業後、2店舗を経て、1999年「サロン ド ルイス」入社、のちに代表となる。カラーやパーマ施術を得意とし、確かな技術だけでなく、施術時間の速さにも定評がある。お客様一人ひとりが安心しておしゃれを楽しめるよう、地肌の環境を守ることを大切にしている。

アリミノ営業担当者コメント

サロンドルイスさんは、勝又オーナーはじめスタッフ全員が元気で明るく、お客様との対話をとても大切にされているサロン様です。私が担当になったときには、既にゼロテクに取り組んでいただいており、新しいスタッフが入社するとすぐにトレーニングできる環境ができあがっていました。現在も全スタッフがディプロマを取得され、さらに、ゼロテク技術をすべてのお客様に提供することが“あたりまえ”として浸透しています。サロンドルイスさんのゼロテク技術の価値をより高めるため「ゼロテクアンバサダー NEXT 認定プログラム」をご提案させていただきました。これからもお客様の笑顔のために、髪と地肌の健康を共に考え、サポートいたします。

(首都圏第1営業部 東京第2支店 太田和寿)

「サロン ド ルイス」サロン情報

「なりたい姿を叶える場所」をコンセプトに、お客様がずっとおしゃれを楽しめるよう、頭皮ケアや毛髪ケアを守る施術提案に力を入れている。また、施術時間の短縮化やリタッチカラーの年間サービス提案など、地域密着型のサロンとして、仕事や子育てなど忙しい女性たちがより通いやすくなるような提案も行っている。明るくアットホームな雰囲気で、悩みやなりたい姿を気軽に相談できる場所を目指している。

店舗展開 埼玉県に2店舗
従業員数 8名
サロンコンセプト お客様のなりたい自分を叶える場所
サロンターゲット 30代から60代まで、幅広い年代の女性
導入年月 2022年4月

サロン ド ルイス 飯能店

所在地:
〒357-0032 埼玉県飯能市本町9-10

Webサイト:
https://www.salondoluis.com

(取材・文/池山章子、取材・編集/A PRESS編集部、撮影/久藤昌平)